【感想】「乳と蜜の流れる地」から 非日常の国イスラエルの日常生活

山森みか, Ran Levy-Yamamori / スマートブックス
(2件のレビュー)

総合評価:

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  • 気候的にも社会的にもすみにくい?

    イスラエルといえば、モサド、キブツなど断片的な知識はあっても、詳しいことは知らないというのが現実ではないでしょうか。気候の話から、キブツの最近の傾向、ユダヤ人であることの定義、ユダヤ教への改宗方法、結婚、出産、葬式など現実的な情報を知ることができます。安息日に、店が閉まり、交通、放送が完全に止まってしまう社会は、我々にとっては想像ができませんネ。家族や一族の安全がすべてに優先するという考え方は、ユダヤ人の歴史を考えれば当然の帰結なのかもしれませんが、神とのかかわりで、いくつかの人生のイベントがある、兵役があることなどは、人の成長を促すよい方法ではないかとも、考えさせられました。続きを読む

    投稿日:2016.10.07

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  • キミドリ

    キミドリ

    (よしもとばななの「とかげ」では)日常生活の細部を神に捧げることに心を砕き、それを幸福の基盤とするかつてのユダヤ人のあり方が、人の羨望をかき立てるほどの仕方で確かに示されている。(略)
     一方イスラエルというユダヤ人国家が建設されてからは、ユダヤ人が日常生活の諸規定を自らのより所としなくてもよくなったのは事実である。そればかりか宗教的な人々からの規定を押しつけられるのを嫌う人々も数多く出てきた。様々な規定は、もはやユダヤ人と非ユダヤ人を分けるアイデンティティの基盤という意味を担っているだけではない。何を食べ、何を食べないかに対して個々のユダヤ人が下す態度決定は、ユダヤ人社会の中で自らが宗教や伝統、あるいは政治的側面でどのような立場をとるのかに関わる問題となった。

     執筆に当たっては、過度のセンチメンタリズムとも私怨とも極力距離を置くようにつとめたつもりだが、それは私がいわゆる「中立的」視点に立とうとしているという意味ではない。私は、一人の人間は確かに様々な立場を理解しうるが、やはりいずれかの立場にコミットせざるを得ないのだと思っている。いったん選んだ立場に永久に固執する必要はもとよりないが、自らの立場を引き受ける用意のない人間は、「中立的」であれなんであれ、どのような視点も持ち得ないのではないかと思うのである。
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    投稿日:2018.12.22

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