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樋口明雄 / 光文社文庫 (4件のレビュー)
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びん
生活の中で野獣を見る機会がなく、獣との共存など考えたこともない。 被害に遭われた方には申し訳ないが、鹿に対しても害獣という意識はなく熊の被害すら現実感に乏しい。 樋口さんは、そんな私をいつも野獣の吐息…が頬に当たるほどの森の奥へ連れて行ってくれる。 今回は野山を颯爽と駆け巡る狼の姿が目に焼き付いて離れない。読み終わって以来、狼の画像をインターネットで眺めてる。(^_^)v続きを読む
投稿日:2023.04.29
本間海那
自然を操るように、操る事ができると思っている人間社会。立場を変えれば○も×になる。中国に議員、公安、マスコミなど少し広がり過ぎ感はありますが、自分なりに深く考えて行くことは必要、と再認識
投稿日:2021.09.23
honno-遊民
帯や裏表紙の解説を確かめもせず、最初の頁を開いたとたん、七倉航というなつかしい名前を見つけ、この作品が『約束の地』の続編だと、初めて知った(笑)。 もちろん、単独で読んでも少しも支障はないと言っていい…。 『約束…』が、七倉の娘が小学校5年の時の出来事であるのに対し、この春中学生になったという説明から、本書はその2年後の話のようだ。 七倉は、支所長をはずれ一管理官となっており、キャリア丸出しの新支所長が赴任している。さらに、新メンバーとして新人二人が加わる。 そのうちの一人関千晶は、同著者の別シリーズ「山岳救助隊K-9」で活躍する隊員関真輝雄の妹のようだし、県警航空隊のヘリの操縦士たちがチョイ役で登場するのも、ファンにとっては楽しい。 今回は、急増する野生動物の被害に対処するために、オオカミを中国から移入し、八ヶ岳に放つという計画の話。 中国奥地での辛酸をなめる調査活動や移入地の反対派との対立等、計画がどういう決着をつけるのか、息を持つかせぬ展開とともに、ただ頁をめくるだけ・・・ 植物連鎖の頂点に君臨し、自然界で生きる誇り高き存在としてオオカミを描き、農業及び環境破壊を懸念する一方、著者は作中人物に、オオカミ放獣をただセンセーショナルに取り上げるマスコミを批判させる。 南アルプスの麓で暮らす著者だからこそ書ける山岳冒険小説。続きを読む
投稿日:2018.02.09
kinya3898
日本の野山にはかつてニホンオオカミが食物連鎖の頂点に君臨し、野生鳥獣の個体数の調整弁を担っていた。そのオオカミが日本人による森林乱開発等が起因で絶滅に至る。その張本人である人間は今度は中国からオオカミ…を移入し、南アルプスに放獣し、個体数の維持を復活させる一大プロジェクトを企図する。 はたして、幾多の困難を乗り越え、3頭のオオカミは八ヶ岳に放たれるも…。又しても、そこには肯定派・反対派・地元の政治家・中央官庁、各々のエゴと思惑が渦巻き、オオカミは激しく翻弄され、彼らの虚しき咆哮が八ヶ岳に木霊する。続きを読む
投稿日:2016.08.23
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