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今邑彩 / 光文社文庫 (4件のレビュー)
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総合評価:
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Tetchy
このレビューはネタバレを含みます
一切の無駄がない作品。 どの事件、エピソードも余すところなくミステリの因子として活用される。おまけに文章も上手く、読み物としてのコクもある。 特に推理の肝となる時間差トリックや犯人の供述の綾などがごくごく自然に書かれており、すっと読まされるために驚きも大きかった。なるほど!と膝を思わず叩いてしまった。 この辺の文章の自然さは女子大生の同居人、久保まことの正体や坪田の部屋をノックする人物の消失などの小技トリックにも驚きをもたらす事に成功している。こういう小技が本格ミステリには読書の牽引力として必要なのである。 本作は題名から察するにウィリアム・アイリッシュをモチーフにしており、各章の章題もウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)作品を思わせる(というかその物ズバリもあるが)物ばかりだ。詩のような美麗な文章とまではいかないが、足が地に着いた堅実な筆致は読んでて、信頼めいたものを感じた。 今邑作品は数年前に『i 鏡に消えた殺人者』を読んだが、そちらでも盛り込まれていた最後のオカルト趣向が本作にも盛り込まれているのが嬉しい。 今回は闇へと開かれた古びた扉が描かれた油絵。ここから何者かが飛び出し、所有者を死へいざなうのだ。しかし、やはり『i』を読んでいるだけに二番煎じ感は拭えないのは確か。 今回の犯人―坪田の家政婦―はちょっと考えれば解っただろうと思う。実際、家政婦大野の悲しい過去を語るエピソードには布石めいた匂いを感じ、付箋をつけておいた。中間、睡魔に負けてボロボロな状態で読んでいたところがあったので、そこにヒントが隠されていたのに気付かず勿体無かった。 この作家、『このミス』や『本格ミステリ・ベスト10』や『週刊文春』など各種年間ミステリランキングにランキングされないので、そろそろ離別しようかと思っていたが、作品に漂うミステリ色は私好みのそれなので、考えを改め、今後も付き合っていく事に決めた。 世間よ、今邑彩を読むべし!と声高に叫びたい。
投稿日:2022.11.13
summerleaf82
今邑さんの作品は 普通のミステリーに なんかこう暗い灰色の世界が 付いてきている感じで なのにスラスラって読めて だけどぞくってしながら終わる 明快な答えが出ているはずなんだけど でもそれがスッキリ…しなくって でも嫌な後を引く感じじゃない。 感じ続きを読む
投稿日:2012.05.03
ねむ
前作に比べると、読みやすく謎もよく、上手くできた作品だと思います。トリックと伏線、軽くサイコホラー風の部分もあって、また好きなもん盛り込みましたね今邑さん?てな感じかな。ゴシックな感じはないけど。 し…かし、あの絵はいらないと思うなあ~。作者的にはすごく好きそうだし、入れたかったんだと思うし、実際映画っぽい終わり方で終わり方的にはいいんだけど、いまいち本体とリンクしてない感じがして蛇足的感覚が否めない。私だけかな?続きを読む
投稿日:2010.01.17
xmayumix
トリック重視といえば、そうだし、殺人に至る動機もそりゃないだろう、って言えばそうで、じゃ有栖川有栖と変わらないと言えるんだが、今邑彩は、好きなの。なにが違うのか考えてるのだが、まだ答えを見出せない。
投稿日:2009.10.29
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