【感想】「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学

諏訪正樹 / 講談社選書メチエ
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • さくらい

    さくらい

    ふだん自分がぼんやりと考えていたことが明文化されていて面白かった。情報と、実感と、それを再現するための意識のお話(というざっくりした理解)
    何年後かに再読したらもっと面白そう。

    投稿日:2023.02.09

  • ますく555

    ますく555

    たとえば本書では、野球のバッティングの上達には、体感を言葉にすることが大事だとされる。足の踏ん張り、身体の開き方や、肘の折りたたみ方など、バッティングする際の身体の体感を意識して、どうやっているかを言葉にしてさらに意識する。すると、言葉で意識したことによって修正点が見つかり、それを身体に試すことになる。そして、それがどのくらい成功したか、どのくらい失敗したかをまた言葉にして意識し、さらに修正していく。それでうまくいっても、状況や環境や自分の肉体の調子が変わればまた、その方法ではうまくいかなくなりますから、また言葉で捉えなおすということが繰り返されます。また、感じていることを言葉にし、それを行動にフィードバックすると、さらに感じることが変わって、また言葉が変わります。さらにさらに、その変化した言葉によって、行動もまた変わっていくという繰り返しになります。これを進歩とか洗練というのかは、本書では書かれていませんが、先鋭化という問題も含めて、言葉で突き詰めていくという本書の方法の筋はいたってわかりやすい直線的な方法のようにも感じられます。しかし、突き詰めた先に袋小路が待ち構えていてもそこでストップせずに、たえず変化していくものだという、言葉と身体の相互作用のダイナミックさを説いているのがよかったです。おそらく、袋小路は「スランプ」なんです。とすると、先鋭化というものも「スランプ」なのかもしれません。「スランプ」だって言葉にしていくことをやめずにいることで乗り越えられやすくなる、というようなことも本書には書いてあります。先鋭化したものを辿っていって言葉で解きほぐし、基礎の段階から再定義しなおすなど、言葉をさらに紡いでいくことによって、先鋭化すら乗り越えられるんじゃないか、という可能性をこのあたりから感じました。きっと性急じゃなければ、光は見えるのです。続きを読む

    投稿日:2019.10.08

  • atsuwo3

    atsuwo3

    スランプは必要悪
    コツを掴んだ時は、言葉が大雑把になり、スランプの時は、言葉詳細になる

    身体とことばの共創
    ことばは身体から紡ぎ出される
    そうして生まれたことばは、身体を変容させる
    身体が変容すれば、紡ぎ出されることばも変容する

    入力変数は個人固有

    身体知
    からだメタ認知
    続きを読む

    投稿日:2017.09.18

  • Dr.(読多ー)あんころ猫

    Dr.(読多ー)あんころ猫

    これはすごい本だ。

    「不立文字」「教外別伝」という言葉のように大事なことは言葉に出来ないというのは昔から言われているがその認識をひっくり返す書。

    キーワードは「認知」で身体の使い方のこつやスランプを理解する上で非常に重要になってくる。

    私なんかも常々ブログなどで身体感覚を言語化しているがその理由と効能がよくわかった。

    身体の使い方や上達法、また指導法に興味がある人はぜひ読んでおいた方が良い一冊。

    「からだメタ認知」の今後のさらなる研究が非常に楽しみです。
    続きを読む

    投稿日:2016.06.26

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