【感想】スピナーベイト (3)

此元和津也 / コミックバーズ
(1件のレビュー)

総合評価:

平均 3.0
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ブクログレビュー

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  • hirosshi99

    hirosshi99

    暴力まみれの物語。
    いびつな世界の通行手形としてそれを駆使する者。
    脆すぎる自我のためにそこから逃れられない者。
    否も応もなく巻き込まれ、大きな喪失を抱える者。
    登場人物の間で暴力は際限なく連鎖し、やがて円環する。
    他者に刃を突き立てるとき、背中に刺さるナイフには気づけない。

    復讐のため殺人を犯した者に、暴力とは無縁そうな高校生が放つ言葉。

    「気持ち悪いんだよ。
    家族の為っていうのがさ。

    家族愛という名の自己愛だ。

    家族を愛するという事は
    愛さない他人を疎外するという事だろ。
    分け隔てのある とっても自己中で無慈悲な行為なんだよ。」

    それがどうした、と思った。
    あたり前だろ?
    命の重さは均一じゃない。
    誰にでも何より重い命がそれぞれにある。
    もしそれを傷つけられたなら、
    傷つけた者をズタズタにするのに一片のためらいもない。
    それほど命は主観的なものだ。

    その一方で、縁もゆかりもない人たちを思う気持ちがある。
    いまだ大変な日々を送る大勢の人たちの、
    何か少しでも役に立ちたいと願う自分がいる。
    人間というのは本当に不思議な存在だと思う。

    『スピナーベイト』全3巻。
    拾い物でした。
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    投稿日:2011.08.25

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