【感想】光降る丘

熊谷達也 / 角川文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ayumium

    ayumium

    開拓地という単語は聞いたことある程度でさほど興味を持ったことがなかった。
    が、この本を読んでみて開拓地の背景や開拓することの壮絶さに絶句し、ただただ敬意の年でいっぱい。現代の生ぬるい生活にどっぷり浸かって何にも感謝できないような世代に、最近の若いもんはと言いたくなる気持ちよくわかる。この世代のパワーすごいです。続きを読む

    投稿日:2023.05.17

  • memoryglass

    memoryglass

    戦後開拓民たちの生き抜く事への貪欲さと力強さにただただ圧倒。そして何世代にもわたり命をかけて築きあげた自分たちの居場所をいとも簡単に崩し去ってしまう自然の猛威。なんとも虚しい…が、そんな状況の中でも最後に開拓一世の瞳に輝く未来が映った瞬間、全てが救われた気持ちになった。続きを読む

    投稿日:2020.01.17

  • anri0912

    anri0912

    宮城県にある実在する市をモデルに描かれた一冊。
    戦後、地区を開拓した祖父、
    二代目 三代目と続く父親、息子の話。

    開拓一世になる祖父たちのなんと力強いことか。
    東京生まれ東京育ちの私には想像もつかないけれど、
    自らの手で生活を築き上げてきた主人公たちは
    想像以上に、一日一日を丁寧に生きていってるのだろうな。

    震災を受け、遭難した祖父を救出しにいくシーンでは思わずウルっときてしまった。

    やはり日本に住んでいる以上は、地震や其の外の災害は避けられないのだな、と再確認。
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    投稿日:2017.05.16

  • inutools

    inutools

    このレビューはネタバレを含みます

    本作の単行本刊行年月から東日本大震災の話と思っていたら、モチーフになっていたのはその3年前に発生した宮城県内陸地震の模様。

    その後の震災(東日本と熊本)の印象が強くてすっかり記憶から抜けていましたが、本作を読んであのときのニュース映像などを思い出しました。

    そうした現代の地震を題材にした話と思って読んでいたら、第二章で唐突に昭和初期、満州開拓の話になったので、少々戸惑いました。

    智志とその祖父耕一が、それぞれ現代パートと昭和初期パートの主人公として交互に話が展開されるのですが、地震の話が軸と思っていたので、祖父の宮城県での開拓の話は必要?と思いながら読んでいました。

    しかし、読み進めていくと祖父のパートは救助対象者の個性深堀の為にあるのではなくて、被災した人たちがいかにその土地に根ざして生きているかを表したかったのでは、と思うようになりました。

    最終章で智志が地元で生きていく決意を新たにするところ。耕一にいたってはさもそれが当たり前のように山に戻る話をする場面を読んで、特にそう感じました。

    あとがきの最後に、それを書いている最中に熊本で地震が発生したことが記されていますが、タイムリーなことに熊本でのボランティア活動の帰りに本作を読了しました。熊本の町で倒壊した家屋を見るたびに、ここに住んでいた人たちも智志や耕一と同じ気持ちなのだろうかと考えてしまい、胸が苦しくなりました。

    宮城県在住の作者としては様々な対策において、地元に住まう人たちの気持ちを優先してほしいということを訴えたいのかな、とふと思いました。

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    投稿日:2016.06.13

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