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林延哉, 高田明典 / サイゾー (1件のレビュー)
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yasu2411
特撮やアニメのヒーローたちが何故戦うのか、あるいは何故戦わないのかを分析したものだ。そのアプローチのベースになっているのは、主にロジックと類型化であり、全てに賛同するわけではないけれど、説得力のある論…理構成で面白いと思った。特に、私自身の本書の直前に偶然読んだ「殺人者はいかに誕生したか」に採用されている心理分析のアプローチととても似ていて、これが心理学の方法論なのだろうかと感じた(心理学を学んだことがないのでわからないけれど)。 ただ、題に「戦うキモチ」と書いてあるのだから、ロジックばかりではなく、もう少し感情にも着目して欲しかったなと思う。ヒーロー達の人物造形はどのような感情の表れなのか、とか。ボクは、人に戦いたいという感情を持たせる要因の大きいものとしては、抑圧から解放されたいという気持ちではないかと思っている。古くは差別からの、そして現在も続く貧困からの解放である。紛争の多くの要因である民族間の対立も多くは差別や貧困と結びつく(あるいは指導者がそれを利用している?)ことが多い。本書に記載されているレインボーマンなんかも、主人公の孤独で厳しい状況はまさに差別や貧困に対する問題提起が埋め込まれているのは明らかだと思うのだ。勿論本書もそのことには触れているけれど、抑圧された状況が感情に与える影響を分析するというアプローチも取り入れて欲しいと思った。例えば、本書では取り上げられていないけれど、サイボーグ009のサイボーグ戦士たち。世界の主要な民族の、特に不幸な生い立ちを背負った彼らがなぜブラックゴーストと戦うのか。あるいは、(ちょっと違うかもしれないけれど)半沢直樹は何故戦うのか、など。本書でも触れられている積極的平和主義や集団的自衛権への警鐘もメッセージとしていくのなら、なおさら必要なアプローチではないかと思う。 続編があるなら是非お願いしたい。続きを読む
投稿日:2015.10.03
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