【感想】資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

ウルリケ・ヘルマン, 猪股和夫 / 太田出版
(10件のレビュー)

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  • pctr

    pctr

    流読。
    具体例がやや長く散文的な文章であるが、資本を軸とした通史の復習として。

    資本主義は成長を必要とし、持続的な成長はなし得ない。
    新たなシステムが予期せぬ形で生まれる。

    投稿日:2022.07.18

  • kuwataka

    kuwataka

    世界史(特に覇権絡み、近代以降)マニアとしては、「○○の世界史」「○○で読み解く歴史」の類は「○○」のレンズから世界史を一気に眺められるので、既知の知識を心地よくマッサージされている感覚になれて心地よい。続きを読む

    投稿日:2022.03.30

  • ky

    ky

    興味深かった内容3つ。
    低賃金が成長を生むのではなく、高賃金がトリガーになる。
    イギリスでの産業革命は賃金が高くなってきたために、機械での代用がわりにあった。

    貯蓄は悪。
    個人の貯蓄→消費量の減少→収益の低下→企業は投資を躊躇う→経済成長の低下

    持続的な成長などない。
    資本主義のおかげで富がもたらされ、技術の進歩も可能となり、少ない労働力でやっていけるようになった。
    例として、カーシェアリング。
    車一台を複数の家計で共有する。家計的には良いだろうが、車はあまり買われなくなる。産業の収縮が起きるのでは?
    続きを読む

    投稿日:2021.07.24

  • eisaku0330

    eisaku0330

    資本主義経済体制の世界史 産業革命を機に未曾有の経済発展を実現した
    その成功ゆえに「地球環境の制約」という新たな本質的課題に直面している
    加えて「コロナ禍」が加わり、経済体制の見直し・改革論が噴出してきている
    マルクス資本論ブームはその象徴である
    著者は軽々に資本主義経済体制の終焉論には与しない
    代わり得る体制が明らか出ないこともあるが、資本主義はまだまだ使える体制と評価
    しかし新自由主義の行き過ぎは是正しなければならない
    ケインズ的な「マクロ管理」の強化を主張する
    地球という視点で、社会インフラ・ネットワークの再構築を行うと言うことである
    短期的効率主義により、電力・鉄道・通信・道路・教育・医療といった「社会共通資本」は社会的公正からは乖離してきた
    これを民主主義により改革していくことが現下の課題
    バイデン米国大統領の施政方針と重なるものがある
    民主主義の信頼・信認を取り戻さなければ人類に未来はない
    ①世界のバセンスシートの拡大には警鐘 「スーパーバブル」ははじける
    ②世界史では「中国一強」かほとんど 1840年から植民地化が異例
     習近平は世界史の流れを元に戻す 回帰させ正すという考えではないか
    続きを読む

    投稿日:2021.04.30

  • C.U.

    C.U.

    経済史の概説を通して資本主義を丁寧に再定義している。資本主義と市場経済、実体経済と金融経済、金融危機と経済危機といった概念間の明確な分離の上で、資本主義の本質を洞察しようとする試みは秀逸で、個人的には靄が晴れるような体験であった。終盤では未来についての記述も、資本主義の枠組みの内外でそれぞれ数頁ずつ割かれており、短いながらも一貫性があり納得のいく内容であった。著者はドイツ人であり、ドイツを中心とした記述も見られたが、その多くが一般化可能な内容であった。経済学を専攻しなかった人こそ読むべき一冊。続きを読む

    投稿日:2020.08.19

  • aya00226

    aya00226

    このレビューはネタバレを含みます

    ギリシャやローマでは、生産の効率化のために資金を借りるという発想がなかった。
    遠隔地貿易は昔からあった。
    労働力が安かったため、ローマやギリシャでは、技術革新をする必要がなく、資本家は育たなかった。

    中国は海洋帝国になれる力はあったが、商業には興味がなく皇帝への貢物だけに興味があった。

    馬にできること(荷物を運ぶこと)をわざわざ機会がやることもないだろう=セイ。
    工業化はひっそりと始まった。
    イギリスで産業革命が始まったのは、賃金が高かったから。
    機械に変えるだけの投資の意味があった。
    資本主義を駆動するのは高い賃金。
    フォード「自動車が自動車を買うわけではない」

    資本主義に対する誤解。1、資本主義は市場経済と同一ではない。2、国家は自由な市場を脅かす攪乱者、ではない。3、グローバリゼーションは21世紀の発明、ではない。

    資本主義は、統合を目指すことになる=市場経済とは反する動き。
    農業補助金がなければ農業は滅びる。
    自営業者のみが競争の中で生きている。

    実質的な意味での自由な労働、は無制限の契約の自由を制限したことで、可能になった。

    放送大学

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    投稿日:2016.07.23

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