【感想】彩乃ちゃんのお告げ

橋本紡 / 講談社文庫
(29件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
3
12
6
0
1

ブクログレビュー

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  • planets13

    planets13

    彩乃ちゃんの不思議な力に全面的に負ってしまっているので話が浅く思えてしまう。けど、些細なところにきっかけが隠れていたり、違った視線を見つけることができたりと、そんな何気なくも実際にありそうなところが既視感に通じる。そのデジャブを感じることができたら、読み終わってホッとできる気がする。続きを読む

    投稿日:2023.12.24

  • Anno

    Anno

    このレビューはネタバレを含みます

    ”教主さま”だという、小学5年生の女の子、彩乃ちゃんを中心とした連作短編集。
    友人に頼まれて綾乃ちゃんを預かることになった花屋に勤める智佳子、進路に悩む高校生の鉄平、家で綾乃ちゃんを預かることになった小学5年生の佳奈の3人の話が載っています。

    彩乃ちゃんには、未来を見たり、死んだ人を見たりする不思議な力があるらしく、その力を使って彼らの未来をほんの少しいい方向へ押してくれます。
    どの話も何となく人生に悩んでいる人の背中を押してくれるような、温かく優しくていい話でした。
    けれど、彩乃ちゃんは不思議な力を持つ教主さまというだけではなく、アクセサリーや化粧品に興味があったり夜のコンビニにはしゃいだりする普通の小学生でもあり、大人びていて教主という重荷を背負っている姿が少し物悲しくもありました。
    私は一番最初の智佳子の話が一番好きでした。教主の彩乃ちゃんに、”少しだけ悪い事”を教える優しいお姉さん。彩乃ちゃんも彼女の前では少しだけ”普通の女の子”になれたんじゃないかな。

    彩乃ちゃんはどの話にも出てくるのですが主人公ではないので、この先、教団に戻った彩乃ちゃんがどうなるのかも気になります。

    柔らかく優しい小説はこんなのも。
    →『あずかりやさん』(ポプラ文庫)/大山淳子

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.09.14

  • さち

    さち

    誰かのおすすめで図書室で偶然見つけて読んだ!

    小学五年生の教主様、彩乃ちゃんを中心にした、3つの短編集。宗教系で、おっこれはカルト系…?って思いながら読み進めたけど、想像以上にハートフルでほっこりするお話だった。彩乃ちゃんが結局何なのか、どういう状況なのかどういう心境なのかとなはあまり掘られず、そこが重要ではなく、誰かとの出会いや繋がりで人生は変わるってことが分かった。見落としてしまいそうな日常の中の小さいことを大切にしたい。それを教えてくれるのが、彩乃ちゃん。解説にもあったけど、3人の主人公は、彩乃ちゃんに心を開いて彩乃ちゃんとの繋がりを大切にできた。だから彩乃ちゃんが大切なことをこっそり教えてくれて、幸せを見つけることができた。彩乃ちゃんは、小さな奇跡を表しているような気がする。自分で気づけるか、大切にできるか。ストーリーはハッピーエンドな展開でありがちだけど、彩乃ちゃんを日常の小さな奇跡だと思うと、このお話のメッセージがしっくりくる。続きを読む

    投稿日:2022.02.24

  • tikuo

    tikuo

    ある年の夏休み、未来を見通す力のある彩乃ちゃんを、預かることになった3つの家庭。

    クラスのお調子者の伊東にそそのかされ、里山の再生と銘打って、山の山頂にある記念碑まで続く石段を掘り起こすボランティアを買って出たところ、伊藤らに裏切られて一人で夏中作業をするはめになる。その土地を持つ家に預けられた、ある時から、ある宗教の跡継ぎである彩乃ちゃんが毎日現れて、一緒に昼ごはんを食べることになったところから、運命が動き始める。

    童話にも純文学にもなりきれない作品で、とにかく1本目の印象が書き出しから始終悪いため、あとの2作の評価も下げざるを得ない作品。あと、プロローグもいらんやろ。

    1本目。とある独身OLのところに、「しばらく預かってくれ」と知り合いの男が彩乃ちゃんを連れてくる。小学5年生とOLという組み合わせで、最も面白そうなファーストコンタクトが省略。あかん。

    2本目。これは読めた。3本目。小学5年生同士という組み合わせだが、なりきれていない文章と、余計な設定画説明しきれておらず、だから何という話。

    おそらく児童文学を複数書いているのだろう作家だろうが、童話的に言葉を選びすぎているのか、単に語彙がないのか、言葉が終始足りていない。特に3作目は致命的で、子供の無垢で不器用ということを、文章の散漫さをごまかそうとして失敗しているようにしか思えない。また、テーマとしても、大人の汚さや世間の無神経なんかも描けば深みが出るはずなのに、「子供は純真」というところに、作者が逃げ込んで甘えている。

    キーとなる不思議な能力については、児童文学やSFなら、それなりに読者に納得させるように説明するものであるが、そこは純文学だからと「見えるから見える」で終わってしまっているのは、SF読みには最悪の展開である。それに加えて、1本めは、ストリートミュージシャンの話なんかどうでも良くて、ファーストコンタクトを広げるべきであろう。編集者は仕事しろ。

    1本目☆1。2本目☆2。3本目☆1の平均☆1ってところ。
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    投稿日:2020.01.18

  • アルファ

    アルファ

    とある小さな信仰宗教の後継とされる、「彩乃ちゃん」。一般的な同年代の子供より、丁寧な作法を身につけるなど少し大人びた部分もある彼女は事情で様々な人の家に居候することになる。目には見えない不思議な「力」も使って、彼女は様々な場所を訪れる。

    基本が「一般の人の日常の場面に彩乃ちゃんが居候することで起こる諸々」なので、ほっこりしながら読める。
    彩乃ちゃんの「まだ年相応な幼さ」的な可愛らしさと憎らしさを味わう意味では第1話が好き。

    …信仰宗教、の設定、もう少しライトなもの(親が占い師で、くらいの)でも成り立つ感はあるかな…
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    投稿日:2019.06.27

  • emiccho

    emiccho

    1~2時間で読める本。
    図書館でパッと適当にとって借りてきたけど、やっぱりほのぼの系になっちゃうんだな~私(笑)

    小5で新興宗教の教主さまがひと夏に出会った3人との物語。
    新興宗教って怪しいにおいぷんぷんだけど、彩乃ちゃんや教祖のおばあちゃんは別に怪しい感じはしなかったです。
    でも彩乃ちゃんの未来が心配だし1話の淳司はどうなっちゃったのか・・・?
    私は最後の話が好きかな。難しい単語はわからないといいつつ語り口がやたら大人びてたのが違和感ありましたけど。
    続きを読む

    投稿日:2016.12.22

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