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穂村弘, 陣崎草子 / ダ・ヴィンチブックス (17件のレビュー)
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祈
三十一音でも、いろいろできるなあと勉強させていただきました。 この本をプレゼントしてくれたみずの、ありがとね。
投稿日:2023.07.01
5552
本とコミックの娯楽マガジン『ダ・ヴィンチ』の連載『短歌ください』の書籍化第三弾。 歌人・穂村弘が読者投稿の短歌を選び、評する。 後学のため買おうと思ったが、新刊書店では絶版?、Amazonでは中古が…定価より高くなっていたので、図書館で借りる。ありがとう、図書館。 後に歌集を出すことになる木下龍也さん、岡野大嗣さん、鈴木晴香さんはじめ、常連さんたちの輝きが眩しい。 いくつかその人の短歌を読んでいると、その人の人柄というか歌柄(by枡野浩一さん)が分かってきて楽しい。 木下さんは、意外とネガティブな歌が多いですね。こだまさんとの対談で、「こだまさんと同じダークサイドの人間」と、言っていたので、ちょっと意外に思っていたが、何となく納得した。 と、すると、お題を受け取り、一万円で販売する『あなたのための短歌集』の企画は、歌人としても、人間としても挑戦だったのではあるまいか。 岡野さん、鈴木さんも、歌を読んで、もしや、と思って名前を確認して当たっていると嬉しい。 『短歌ください』は、不穏な歌も、セクシャルな歌も載っていて本当に幅が広いなと思います。 短歌というものは、反道徳的な色合いを持っていてもいい、いや、持っていた方が好みかも。続きを読む
投稿日:2023.06.06
☆ベルガモット☆
ダ・ヴィンチ『短歌ください』2013年5月号第61回から2015年10月号第90回をまとめた単行本。投稿者の中から歌集出版する人が増え、全体のレベルが高くなって載るのはなかなか大変。鈴木晴香さん、木下…龍也さん、岡野大嗣さん、九螺ささらさん、伊舎堂仁さん、柳本々々さん、シラソさんは何度もお見掛けした。 2023年2月には第五弾海の家でオセロ篇が出版予定のようです。 穂村さん情報がつぶやきのように載っているので見逃さないように読む。 眼鏡は小学校1年から掛けているそう。野良猫に仲良くして欲しいけど近づけない、図書館の食堂のカレーライスを食べるためだけに通ったことがあるらしい。食堂がある図書館ってすごいなあ。 お題がかなり難易度高い。「犯罪」「ぬるぬる」「忍者」「宗教」「ブラジャー」「ひらがな」などなど。「靴」は2回でている。味わい深い解説で歌の世界が更に彩られる。 以下ちょっとだけ抜粋 ☆は穂村さん評です。 「喜び怒りと悲しみと楽しみ」太ももに挟んだ広辞苑(「本」鈴木晴香) ☆広辞苑でたぶん喜怒哀楽を引いたんでしょうね。説明があまりにも正しすぎて、逆に理解できない。広辞苑に集められた言葉の宇宙をすべて挟んでいるような「太もも」の生々しさが魅力的です。 ひとりだけ光って見えるワイシャツの父を吐き出す夏の改札(「駅」岡野大嗣) ☆夏の夕暮れのワイシャツの輝き。一人だけ光って見える子供目線に、生々しいノスタルジーが宿りました。これは母では成立しない歌。 路地裏でわたがし味のきみの指ふくめばとぎれとぎれのひかり(「祭」木下龍也) ☆とぎれとぎれのひかりに現場の味わいがありますね。普通のキスよりも心ががくがくするよな感じ。どうしてわたがし味のきみの指をふくむことになったのか。わからないけど、その偶然性の強さが魅力です。続きを読む
投稿日:2023.01.14
まーちゃん
このレビューはネタバレを含みます
図書館で借りたもの。 昭和、外国、憧れ、忍者、遠足、敵…。『ダ・ヴィンチ』の読者投稿コーナーに寄せられた短歌から、人気歌人・穂村弘がテーマごとに傑作を選出。それぞれの短歌に鮮やかな講評を付す。 やっぱり短歌好きだなぁ。 自分でも2つ作ってみたけど楽しい。 以下、印象に残った短歌。( )内はテーマ。 おすすめの本を聞かれておすすめの本と検索窓に打ち込む (本) 本棚の前で臭い屁漏らしおり厠のお供がまだ決まらない (本) 笑いつつ「これ、ほんもの?」と指で押す。サンプルだって信じてたから (自由題) 誘わなきゃ二万八千五百円出して浴衣を買ったんだから (祭) うつくしく笑う遺影の片隅に小さく「写真はイメージです」 (写真) わからないわからないけど顔らへん納豆の糸顔らへんふわり (自由題) きっと君の本当の彼女もよく動くその喉仏に触れるのでしょう (自由題) ごはん派とパン派の最終決戦にうどん参戦 カレー観戦 (自由題) 前後ろどちらのドアから乗るかすらわからないバスを待つ憂鬱 (初体験) 「このほうが本気でやるでしょこいつらも」溶けるティッシュのてるてるぼうず (遠足) 信号がかつてないほど連続の青でほどけたままの靴ひも (自由題) 世界とのあいだにいつも「あ」を挟む あ レジ袋つけてください (自由題) 図書館で待ち合わせたがうつむいたひとばかりだから耳で探した (図書館)
投稿日:2021.08.07
すみやま
「短歌ください」3作目。 あとがきに書いてあるように、投稿している人の中に詩集を出版する人が出ていたりともはや一雑誌の投稿コーナーに収まる質では無くなってきている。 最近、好かれる人というのは自己開…示が上手いのでは?という仮説に至った。 自分が何を見て何を考えたのか、その切り取り方と伝え方に妙のある人は面白い。 相手の話にも「こういうことじゃない?」とすっぱりまとめて当意即妙なラッピングをしてくれるので重宝される。 なるほどな〜それって全部短歌で培われる部分じゃんね。わたしも短歌やろっかな。 ーーーー ・「拙者は」と主語が変わった渡辺がくさりがまを手にコンビニにいる・ 画を想像したら笑った。 ・人ごみに紛れ込む私の舌の上だけにある飴玉を噛む・ この感覚!めっちゃわかる。 人ごみの中にいると自分もその無感覚な塊の一部のような気がしてぼんやりするけど、何か食べていると自分の肉体の感覚を見失わない。 ・伝票をくるりと丸め透明な筒に入れられた瞬間ひとり・ これ穂村弘さんも言ってたけど、これを読んで初めて自分もそう思ってたことに気付いた。ものごとへの感度が高い、すごいなあ。 続きを読む
投稿日:2020.10.01
harukahareru
愛のこと甘く見ていた春の駅 人の気持ちを甘く見ていた(駅) 路地裏でわたがし味のきみの指ふくめばとぎれとぎれのひかり(祭) 店員にクロワッサンと呼ばれてるいつもの僕を裏切って寿司(コンビニ) (…7×7+4÷2)÷3=17 (数字) 続きを読む
投稿日:2020.08.23
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