【感想】ヴァーミリオン

桜井亜美 / 幻冬舎文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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ブクログレビュー

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  • キじばと。。

    キじばと。。

    カウンセラーの鳳生鮎美と、彼女のクライアントである16歳の少年・高瀬昴との許されない恋の物語です。

    スバルは、「死」という贈り物を届けるという仕方でしか、この世界に居場所をもつことができないと感じていました。癌の苦しみから逃れたいと願う母親に、インターネットを通じて手に入れた「ヘヴン」という毒薬を服用させた彼は、毒薬の販売を続けることで世界とのつながりを確保します。そんな彼を止めようとする鮎美も、世界から拒絶される過去を背負って生きています。彼女は、自分のなかの欠けた部分をスバルのなかの欠けた部分に縫い合わせるように、彼を愛するようになります。

    ある日、鮎美のもとに高校時代の教師・宗像雅治からのメールが届きます。彼もまた、鮎美のなかの欠けた部分に引かれるようにして彼女と不倫関係に陥り、高校を懲戒免職されるという過去をもっていました。世界に拒絶されていた彼女が唯一居場所を見つけた時間をそのまま現在に送り届けたかのような彼からのメールがしだいにたまっていきます。

    その後、鮎美とスバルは、ヘヴン販売の背後にいる闇組織に追われることになり、スバルはナイフで刺されて全身麻痺の状態になってしまいます。ベッドからスバルが鮎美に伝えたメッセージは、自分に「死」を贈ってほしいというものでした。鮎美はスバルの点滴にヘヴンの粉を流し込んで、彼の願いを叶えようとします。

    アダルト・チルドレンの「時間」を軸にした恋愛小説、といっていいのでしょうか。安定したストーリー・ラインのせいか、著者の作品のなかではいくぶんエンターテインメント性の強い方に分類されるのではないかと感じられました。
    続きを読む

    投稿日:2018.09.13

  • 彩波(いろは)

    彩波(いろは)

    このレビューはネタバレを含みます

     サイコセラピストの鮎美という女の人が、クライアントの一人だったスバルという男の子と恋に落ちる話……なんだけど。

     しょーじき、この話を一番最初に読んだときに、嫌な汗をかいた……。
     僕ねー、すっごい今更な話をさせてもらえば、昔、それこそ高校入る前から、大学入る前まで、カウンセラーになりたかったんだ……。
     まぁ、大学でやる心理学なんてしょーもないって言われたから、心理学科行かずに、何かして、大学院に行こうー、とバカなことを考えて、今、こんなところにいるんだけど。今はもう、大学院に行くつもりなんて、微塵もなくて、ちょっぴりおいてきた夢なんだけど……。
     まぁ、そんなことはおいておいて。

     この小説読んでさ。
     しょーじき、自分を見てるような思いがした。
     僕、自分が他人に対して感情移入をしない自信なんて、まったくと言っていいほどなくて。
     もし、この状況になったら、同じことをしないとは限らない……と、正直思った。
     心が痛かった。

     だから、この人の小説読むのやめらんないんだけどね。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2014.02.06

  • ななえ

    ななえ

    サイコセラピストの鮎美は、クライアントの16歳の昴と恋に落ちる。彼の周囲で不審死が連続し、鮎美は事件の真相を追う。

    おもしろかったのですが、すぐに読み返したいとは思わない本です。結末が悲しすぎる。
    ですがそれゆえに美しいというのもあって、どうしようもない気がします。続きを読む

    投稿日:2013.09.27

  • なりた

    なりた

    よくある「許されない恋」だった。
    好きで好きで堪らない、
    相手以外に他は何もいらない、
    離れるくらいなら いっそ、
    という感じ。

    投稿日:2010.07.11

  • 歩



    be here now.
    今、ここにあれ。


    破滅へと向かっていく愛。

    これが本当の愛なら、私は愛が怖い。

    メイズ色に空は輝き始め、世界に朝が訪れて
    二人の愛はそこで終わるのでもなく
    そこから始まるのでもなく
    今もそこに永遠にあるんじゃないだろうか?

    続きを読む

    投稿日:2009.06.07

  • ウガンダ

    ウガンダ

    謎の多い桜井さん。自分はそんな彼女に引き寄せられたひとりです。彼女の感性・世界観と理系・詩的な表現がとても気に入っています。解説:田口ランディ。人によっては嫌悪感を抱くかも…。

    投稿日:2008.03.06

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