【感想】君のナイフ　１０巻

この作者らしい終わり方
ちょろっと伏線だけ残して終わる後味の悪さ加減もいい意味で心地よい
あとドーナッツをクローズアップして、時々映画っぽい見せ方するところは好き
最後にあの女の正体的なのだけ気になっ…た続きを読む

後味の悪さがいいですね。
もっと掘り下げて欲しかったなと思ってしまいますが、ここでバサッと切っておくのもいいのかもしれません。

ハッピーエンドとは思ってなかったけど…。
これで良いのかもしれないけど…。

クズミの過去とか…もっとしりたかったなぁ。

　奪ってしまった命の責任が問われる最終巻。小手川先生らしい終わり方でした。

　償いとはなにか。今回志貴は自分が命を奪われる側に回ったことで解放された気分だと言っています。背負ってしまった命の重荷に押…しつぶされかかった彼らしいセリフだと思いました。最後の彼がいつきに伝えたかった復讐の女神エリニュエスの話ですが、ある意味で志貴のような犯罪者にとっては救いの女神なのではないでしょうか。命を奪ってしまったことで、どうすればいいか悩み続けた彼も救われたような気がしました。普通の漫画だったら生き続けて償えというのが筋だと思いますが、今作品においてはこういった終わり方でもいいと思えました。そして、保坂に謝罪し続けた槇原も償いという面でこの作品において大事な役割を担っていました。償ってはいけない人、償わなければいけない人、償いを求めていた人。すべてをしっかりこの最終巻で描ききっていたところが良かった。

　教会のドーナツで締めくくられるところを見るとアメリカのドラマチックな締めですね。全ては繋がっている感を最後に持ってくる演出は個人的に好みです。「君のナイフ」は小手川先生らしい命のやり取りをドラマ風に見れたいい作品でした。次はどんな作品でくるんですかね楽しみです。続きを読む