意味がなければスイングはない

村上春樹 / 文春文庫
(55件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
8
21
13
2
1

ブクログレビュー

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  • Takuma

    Takuma

    音楽評でありつつ、重きは人物評にある。聴いたことのない、名前も知らなかった音楽家が過半数なわけだが、それでいて読まされる、というのは文体とか言葉選びの好みなんだろうな、とつくづく思う。

    投稿日:2023.01.05

  • 浮気なスー

    浮気なスー

    このレビューはネタバレを含みます

    めちゃんこ面白いです。村上春樹さんが、「僕は、この人の音楽、好きなんだよなあ~」というミュージシャンの事を、村上さんなりに心を込めて字数を重ねて語った評論、というよりは感想文、という趣な気がします。しますが、

    なにが「エエなあ~」って思うかといいますと、あくまでも自分なりの感想ですが、村上さんが、自分の「好きだなあ~このミュージシャン!」と言う気持ちを、世の中の流れとか他人の評価とかを一切気にせずに、「俺は好きなんだよ。この人がとにかく、結局のところは、この人の音楽が、好きなんだよ」って、あくまでも個人の意見で語ってるところが、好きです。

    音楽の歴史の流れ、とか、音楽史の中でこの人はこういう立ち位置だ、とか、あなたはこのミュージシャンをどう思うだろうか、とか、そのあたりは一切興味がない。ただ単に「俺は、この人の音楽が、好きだ」という思いだけで文章を書いていて、それでいて、その、何処まで突き詰めても村上さん個人の思いが、なんらかの不思議な普遍性を持っていて、なんらかのある程度の皆が認める説得力を持っていて、、どこまでいっても村上さんの独り言なのに、それを他の人が読んでも面白い、というポジションまで行っている、というところがねえ、、、なんだか凄いんですよねえ。

    ただ、不思議な事に、村上さんの「若い読者のための短編小説案内」を読んでも、この本を読んでも、不思議な事に、村上さんの薦める自分の知らない短編小説を読もう!自分の知らないミュージシャンの曲を聴こう!とならない自分がマジ不思議。村上さんの文章が面白すぎて、その原典まで読もう聴こう、と言う気持ちにならないんですよ。俺、ダメやんか、、、とか思ったりもします。

    きょうびのご時世ですと、なんせYouTubeという途轍もなく便利な文明の利器がありますからね。この本を読んで、村上さんが薦める音楽に興味を持った村上春樹ファンの方々は、ちゃんと、その音楽を聴きに行くのが正しい進み方だと思うんですけどね、、、そうならない自分がマジ困ったものだ。

    いやしかし、村上さんが、ブルース・スプリングスティーンと、スガシカオについて言及しているのは、凄くこう、良いんです。良いんですよ。特にスガシカオ。スガシカオ、めちゃくちゃ、良いですよねえ。

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    投稿日:2022.07.25

  • 佐賀大学附属図書館(本館)

    佐賀大学附属図書館(本館)

    佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
    https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA88303769?caller=xc-search続きを読む

    投稿日:2022.02.16

  • chokusuna

    chokusuna

    このレビューはネタバレを含みます

    ビーチ・ボーイズ(サンフラワー、サーフズアップ、ペットサウンズ)、プーランク、スタン・ゲッツ、シューベルト、スガシカオ、ゼルキン+ルービンシュタイン、W・マルサリスのみ読了。「サーフィンUSA」に「僕がずっと聴きたいと思っていたけれど、それがどんなかたちをしたものなのか、どんな感触を持ったものなのか、具体的に思い描くことができなかったとくべつなサウンドを、その曲はこともなげにそこに出現させていた」と語る著者。シューベルトは好きなことを好きなようにやって、あれも書かなきゃこれも書かなきゃとしてるうちに、短い生涯を閉じた、ある意味幸せだったと語られ。「スイングがなければ意味はない」で、ガレスピーが猛然と挑みかかり、ゲッツが受けて立つシーン。ゼルキンの「この作品は簡単であるには、あまりにも素晴らしすぎる」という言葉。プーランクは朝にしか作曲の作業をしなかった、一貫して朝の光の中でしか音楽を作らなかった、というエピソード。といったあたりが印象に残り。それほど音楽的素養もない身にはこれだけ音楽からふんだんに滋養を受け、縦横に語れるというのは楽しいだろうなあ、とうらやましく思う。

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    投稿日:2022.01.19

  • prometheus1966

    prometheus1966

    【1冊フォトリーディング】【マインドマップ】
    意味がなければスイングはない/村上春樹
    本を読みながら音楽にひたりたい って目的で読みました。

    土曜日の午後
    心地よい昼下がり
    リビングにはポカポカと陽が差し込んでます
    ”こまち”と”あずき” 
    2匹の猫は、陽だまりでお昼寝

    登場するミュージシャンがYoutubeから流れる中、
    アフタヌーンティーを楽しんで、
    村上ワールドのエッセイに浸りました。
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    投稿日:2021.11.13

  • yoshio70

    yoshio70

    ◯なによりも巻末の参考文献が気になった。おそらくほとんどのアーティストについて、参考文献を記載している。
    ◯その中でも、ブライアン・ウィルソン、スタン・ゲッツ、ウディー・ガスリーあたりは伝記的で読み応えがあって面白い。また、伝記的である点は、時代からその音楽性を読み説こうとする試みにも思える。もちろん、小説家ならではの分析・観察、表現力や観察力も相まっての読み応えだと思う。
    ◯しかし多分一人だけ参考文献がないアーティストがいた。スガシカオである。
    ◯時代はまさに同時代であるので、そのあたりは自然体で書けたのかもしれないし、参考文献とするものがなかったのかもしれない。その分、主に詩の解釈に比重が置かれている印象である。
    ◯私はシカオちゃんが大好きであるが、著者との解釈とは方向性は同じでも、感じ方が違うので、なんとなく違和感を感じた。日本のポップスがリズムのある歌謡曲に聞こえるというあたりは、ややひねくれたというかイキリすら感じるのは私だけだろうか。
    ◯最近の人たちでも新しい音楽を作り出そうとしている人は多いので、日本の音楽もどんどん聞いてほしい。私はリズムのある歌謡曲は大好きである。歌謡曲生まれ歌謡曲育ちと自負している。
    ◯ただ、著者はジャンル問わずとにかく音楽が真摯に好きなんだなと改めて思った。
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    投稿日:2021.02.14

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