【感想】ホテル・コンシェルジュ

門井慶喜 / 文春文庫
(9件のレビュー)

総合評価:

平均 2.7
0
0
6
3
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • Kazuko Ohta

    Kazuko Ohta

    ホテルの新米フロント係・麻奈にとって、コンシェルジュ・九鬼は憧れの人。別に見た目がタイプとかじゃなく、とにかく九鬼の仕事は完璧。いずれコンシェルジュになりたいという麻奈に、九鬼は客の相談事を次々と振る。厄介な相談の主は、富豪の伯母の金でエグゼクティブスイートに滞在中の御曹司・桜小路。

    普通には面白いんですけれど、可も不可もなさ過ぎる。真面目な麻奈とクールな九鬼、天然の桜小路に横暴な伯母。キャラとしては面白いはずなのに、その面白さが生かし切れず、時折腹立たしい方向に走ってしまったりもして、なんだかドタバタしているうちに終わっちゃった感。「みだらな仏像」に映画『燃える仏像人間』(2012)ぐらいの衝撃度を求めちゃいかんか(笑)。

    学生時代を京都で過ごした者としては楽しい場面がいろいろあります。それに、寝屋川にスポットが当てられている小説というのは初めて読んだような。そこのところは楽しめました。

    映画『燃える仏像人間』の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/44d276de1187f17abbf07e633f33bb0a
    続きを読む

    投稿日:2018.05.11

  • バス好きな読書虫

    バス好きな読書虫

    京都の名門ホテルのベテランコンシェルジェの九鬼が、長期宿泊をしている名家の桜小路清長の依頼を受けて、様々な謎を解決していく日常の謎もの。
    門井作品はその道のプロを描くものが好きなので、お仕事ものとして、期待して読んだ分、全体的に下らない登場人物が目立って、かなりがっかり…続きを読む

    投稿日:2017.06.11

  • シスター

    シスター

    伝統もありサービスも一流のホテルポラリス京都。
    ホテルのスイートに長期宿泊中のお坊ちゃん・桜小路清長が持ち込んでくる厄介ごとをベテランコンシェルジュの九鬼と新人フロント係の麻奈が次々と解決していく短編集。

    コンシェルジュとは普通ホテルで快適に過ごすにあたっての相談(観光やお店情報の提供やチケットの手配など)を請け負う人たちだと思うのですが、この作品では桜小路清長が家庭の問題や個人的な問題を思い切り相談しまくってます。
    探偵役がコンシェルジュである必然性があまり無いので、現実的ではなくて違和感を少し感じました。

    でもその点を除けば、派手さには欠けるけど謎解きの楽しさを味わうには申し分ない連作ミステリです。
    それぞれのお話もバラエティに富んでいて、知的好奇心も満足させてくれます。
    情報を小出しにして見事解決に至る持っていき方は熟練の手さばきで、安心して読めました。

    清長に大学を卒業してもらいたい清長の伯母、資金源である伯母の機嫌を損ねたくない清長、ホテルの売上のために清長に少しでも長くホテルに逗留してもらいたい九鬼、将来コンシェルジュとして仕事をしたいために清長の問題を解決しようとする麻奈。

    各々の目的は異なるのですが、九鬼はすべての人が納得でき、幸せになれるような解決策を提示していきます。
    それぞれの意図で動く人々を納得させ、物語のドラマに落としこんでいくスリルは謎解きよりも興奮しました。

    また続きが出たら読んでみたいと思わせてくれる作品でした。
    続きを読む

    投稿日:2017.06.04

  • yueli

    yueli

    お騒がせ桜小路一族の困りごとを有能コンシェルジュ九鬼がさくっと解決してゆく日常系ミステリ。キャラクターがたっているのでドラマ向けかも知れないけど、見所は…京都の景色かな?
    可もなく不可もなくだが、よくある設定すぎて特徴がない。続きを読む

    投稿日:2017.05.28

  • 亮

    門井氏の作品を一言で表すなら、知的、だな。それも嫌味なただただ専門書を読めば分かるようなことを、垂れ流すのではなく、バリエーションが豊富だ。

    本作は門井氏の中では、珍しく?コメディ寄り。基本的に四人と一人しか登場人物はいない。キャラの立て方はそんなに秀逸な印象はないんだが、物語全体が爽やか。

    しかし、門井慶喜氏は美術探偵シリーズが断然、好奇心を鷲掴まれるわ。
    続きを読む

    投稿日:2017.05.26

  • 林檎飴甘

    林檎飴甘

    誘拐事件も起きなければ殺人事件も起きない。
    本人たちからしてみれば大きな問題かもしれないが、他人からみればどうでもいいような些細な謎を解き明かしていくライトミステリーである。
    これといって悪人が登場するわけでもなく、登場人物たちはちょっと世間知らずだったり、ほんの少し親バカだったり、かなりアクが強かったりと個性的だ。

    だが、その個性的であるはずの登場人物たちがなぜか薄っぺらい。
    表面的な描写に終始して、わかりやすい喜怒哀楽がそのまま描かれている。
    あえて軽いタッチにするために人物像を掘り下げなかったのかもしれないけれど・・・。

    謎解きに関しては特別驚くようなトリックもなければ、派手な仕掛けもない。
    コンシェルジュの枠を越えた九鬼という人物を描きたいための物語のような気もするが、そのわりには九鬼自身もさらっと描写しているだけという・・・。
    この軽さが良いと思うか、それとも物足りないと思うかは好みの分かれるところかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2017.04.14

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。