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陳舜臣 / 講談社文庫 (4件のレビュー)
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総合評価:
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yasudawataru
単なる歴史書でもなく、大いに創作がくみこまれているのだが、これこそが歴史小説というような圧倒的パワーをもって読者をひきつける物語展開は素晴らしい。 複数の登場人物の視点を巧みに組み合わせたり、話した…りしながら総合的な歴史のうねりのようなものを実感できる。 単に林則徐の世界というわけでも、英国側の事情というわけでもなく、複雑に絡み合った世界を立体的に構成するのだ。 そこで大きな役割を果たすのが脇で物語を進める脇役たちである。歴史上に登場しない人物も巧みに語らせ、庶民の立場、わいろを要求する立場の人間の所作が物語に拡がりをもたせているのだ。続きを読む
投稿日:2019.09.02
tanaka9999
戦闘行為が始まった。しかし、清は衰退期でしかも異民族政権という状態。先の歴史を考えるとやはり漢民族の民族意識(または地域意識)というものは大きいか。イギリス側は帝国主義な時代。実利よりも栄光を求めると…いう考え方。この時代からある意味では中国側はしたたかなのかも。しかし次の時代を見えていたという(この人物は作者の設定?)商人のような人物はどこまでいたのだろうか続きを読む
投稿日:2018.09.30
マサユキ
このレビューはネタバレを含みます
★★★2017年7月レビュー★★★ 組織が古びてくる、というのは恐ろしい事だ。優秀な人間が排除され、無能な人間が跋扈する。清国の末期もまさにその状態だったようだ。第3巻では、林則徐が左遷され、英国に対して媚びるだけ媚びて、何としても戦争を回避しようとするだけの琦善(チシャン)が赴任。 戦争は回避するに越したことはないのだが、相手の言い分を聞くだけでは、結局傷口を広げてしまうことになる。準備不足で戦争に挑むことになり、優秀な指揮官を失ってしまう。 英国側も、林則徐を好敵手として尊敬していたようだ。 下関戦争の際の高杉晋作を思わせる話だ。
投稿日:2017.07.22
講談社文庫
広州の防備を固め英国海軍を迎え撃つ林則徐だったが、敵は守備の薄い定海(ティンハイ)まで北上、難なく占領する。北京では政敵の軍機大臣・穆彰阿(ムチャンア)が林の排除を道光帝に献策、これにより林は欽差大臣…を罷免される。その後停戦が成立するが、香港割譲を含む諸要求を突きつけられ、皇帝は激怒、再び兵を起こす。(全4巻)続きを読む
投稿日:2015.10.15
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