【感想】恋愛と贅沢と資本主義

ヴェルナー・ゾンバルト, 金森誠也 / 講談社学術文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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ブクログレビュー

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  • ktazuke

    ktazuke

    資本主義発展の原動力のひとつが奢侈、突き詰めていけば色欲であったとする考え。第四章にある「奢侈の一般的発展の傾向」が興味深い。

    投稿日:2022.08.20

  • yoshidamasakazu

    yoshidamasakazu

    ゾンバルト 恋愛と贅沢と資本主義


    贅沢消費から資本主義成立の現象を説明した本。


    資本主義の成立を説明するために用いた人間モデルが ステイタスのために 贅沢をする貴族や王であり、経済学の人間モデル(経済合理性や効用最大化の行動をとる人間)より人間臭い。ただ この経済モデルでは、平均的な人物からかけ離れていて、現在の資本主義を説明できない



    富裕者の贅沢消費が 労働者の労働機会となり、富裕者から労働者へお金が移転している経路から 資本主義が成立したことを説明しているが


    王や貴族が贅沢をつくしていた 社会主義国家もあるはずなのに、資本主義が成立しなかった理由については論じていないし


    富裕者の財産状況も上限があり、贅沢消費が終わったら資本主義がどうなるかも論じていないことから考えると


    富裕者の贅沢消費と資本主義成立の因果関係は 限定的なのではないだろうか?


    そもそも 十分満たされている 富裕者が 贅沢に 新たな需要を刺激されるだろうか
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    投稿日:2021.02.02

  • nt

    nt

     初期の資本主義経済の拡大に当たって、「贅沢」志向および、女性の社会的進出が重要な役割を果たしたとする説を展開したゾンバルトの本。Kindleで読んだ。
     一見男尊女卑の社会態勢が根強いようでいて、実は女性の欲動が裏で社会を動かしており、男性はむしろ支配されているという、トルストイの『クロイツェル・ソナタ』を連想させる逆説であるが、ゾンバルトの主張は、よく読むと、「推測」でしかなくて根拠が弱いように思った。また、ゾンバルトは、上層階級の「贅沢」志向が資本主義の発展に強く作用したとする点において力強い説得力を示しているものの、その「贅沢」文化を支えた諸要素の「一つ」として、女性の地位の向上があったと言っているに過ぎない。
     贅沢=奢侈すなわち過剰な消費は、ゾンバルトの生きた時代(本書は1922)より後に、20世紀後半からの高度資本主義(超消費社会)は、企業側がいかに消費者の欲望を喚起するか・消費者という獣的な集合体がいかに欲望を放出していくかという面を露骨に・野蛮に呈示していくのだが、その原型として初期資本主義の動向を振り返るという意味で本書を捉えると、なかなかに興味深いものがある。
     論説に弱いところもあるが、資本主義というものを考える上で有益な本の一つであるとは言えるだろう。
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    投稿日:2020.07.12

  • tomonobumasuda

    tomonobumasuda

    ウェーバーにならぶドイツの経済学者による一冊。18-19世紀の風俗史としても秀逸といえる。

    某関西圏の勘違いしっぱなしな市長が、大通りに居住用建物の建築許可を緩和するに当たり『社長の皆さんには、愛人を囲ってもらって当該市の景気回復に当てて頂きたい』みたいな話をしたのは、この御本でもお読みになられたからか。

    経済の一側面、ということなんでしょうな。
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    投稿日:2014.08.10

  • group1984

    group1984

    世の中は、男が女性に高価な贈り物をしたり、贅沢をしないと、うまくいかなくなる。 
     中世の貴族たちの恋愛と贅沢三昧がなければ、資本主義は生まれなかった。 貴族が愛妾に貢いだり、豪華絢爛な宮廷生活、祝祭の贅沢があったから、音楽家や画家、馬具や装飾品の職人、大工などの市民が潤った。 最高の贅沢品だった香辛料や香水、医薬、染料、極上の絹、象牙、陶器などを求めたから、植民地貿易が発達した。 

    今の日本も、ステータスやゆとりを感じられる高級品をもっとつくって、海外で売らなければ。 新興国で安物を売ったり、日本へ逆輸入している場合ではない。いろんな意味で、恋愛と贅沢は的を得ている。
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    投稿日:2013.09.27

  • Gold-Blue12

    Gold-Blue12

    このレビューはネタバレを含みます

     一時期はマルクスかゾンバルトか、と言われたほどもてはやされたという著者の代表作。資本主義が生んだのは何か、というのがメインテーマ。結論を言えば女性が宮廷で影響力を増して奢侈にかけるお金が増えて、高級品の供給量を増やすために資本主義が発生したということらしい。
     中身の半分近くは取引の情報などであまり読まなかった。読んでも数字が大きいのか、小さいのか分からない。現在の単位との比較がないため全然目安が付けられなかった。

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    投稿日:2013.09.02

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