【感想】仮面の帝国守護者 下

サバア タヒア, 原島 文世 / ハヤカワ文庫FT
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ひろ

    ひろ

    このレビューはネタバレを含みます

    おもしろくなくはないんだけど、最終的に回収されない伏線や謎が多すぎて、何だかなーという気分になった。

    結局、ヒロインの目的である兄を助けることは達成されないままだし、それでいいの? という読後感。せめてそこまではやろうよ。読者置いてけぼりだよ。伏線やら謎がものすごい勢いでちりばめられているのに、ほぼほぼ回収なし。何か回収されたっけ? あ、裏切り者がいたとかそういう目に見えるアレくらい。おもしろい設定なのに、もったいないなーって思ったのであった。

    でも、これ映画化されるんでしょ……?

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    投稿日:2016.09.27

  • とら

    とら

    全編にわたって倦怠感に陥ることなくスピーディに読み進める事ができる、ドライブ感のある小説。
    主人公を男女ふたりに分け、交互にストーリーを進めている点も面白い。
    また、この国(特定の名前が登場せず、武人族の帝国、とのみ)の生活感が大変リアルである。そのくせ、国号も不明なら、現在の皇帝の名前も不明、首都がどこであるかも不明。舞台となっているセラは、かつて文人族の帝国であったところ(おそらくはかつての首都?)である事がわかっているだけで、この文人族の帝国の名前も不明というのはユニークといえばユニーク。
    現在のこの帝国は、大変な恐怖政治が行われているもようなのだが、国号が不明であるだけでなく、なぜ現在そうなっているのかとういのも全くわからない。このように、物語のなかにはわからない点が次々と登場する。
    なぜ、帝国軍のエリートである兵士たちは仮面をかぶっているおかについても、おざなりに、初代の皇帝が仮面をつけていたからとされているだけで、これはいまひとつ理由としては弱いだろう。というのも、この仮面なるものが、肉体と一体化する、しかも仮面そのものが一体化することを志向するという不気味なものだからだ。
    一連のイベントは、卜占官なる不死者の小グループが取り仕切っているが、卜占官が何者かであるかについても最後まで説明されない。
    それだけではない。なんと、主人公たちの運命を卜占官が握っていて、かつ彼らの未来を予知しているようであるにもかかわらず、ラストに関して、なぜそのように卜占官が操作したのかについても全く理由が説明されないのだ。
    そもそも、新たな皇帝選出というイベントについて、明らかに不正が行われており、そのことを審判である卜占官は把握しているにもかかわらずそれを是正せずに不正者が皇帝となる。魅力的な脇役がそのための犠牲となる。これについても説明なし。
    この陰謀を企む「校長」についても、なぜ彼女が校長となったのか、彼女の息子の父親は何者なのか……説明なし。
    途中、男の主人公の前に現れる美しい部族民の女性はいったいどういう意図で彼に近づいたのか……説明なし。
    確かに、男の主人公も女の主人公も、自分自身の意志を持つようになる(精神的に自立する)という結末は得るけれども、実は女主人公は本来の目的の達成「途上」のままという点も見過ごせない。
    あまりにも様々な要素が一切の説明なく終わっているだけでなく、いろいろなイベントが、中途半端なまま終わっている。
    読み終わった時、結局のところ、「あれはどうなったの?」と疑問に思う事だらけとなってしまうのだ。
    これはいかがなものか。
    続編があるような解説もないので、ほんとにこれでラストなのだろう。
    あえて言えば、面白いのに読後感が悪い。もや~んとした印象しか残らなかった。
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    投稿日:2016.02.13

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