【感想】Zwei

かわい有美子, やまがたさとみ / リンクスロマンス
(9件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • shirotae16

    shirotae16

    昔の恋をやり直す、大人(中年?)ふたりの話。それぞれの年齢を意識した、シビアというかリアルさが加味された地味な話でした。
    でもこれ好きだなー。恋愛は綺麗ごとだけじゃないとわかった上で、今度は間違わないようにできる方法で続けていこうとする受けと攻めが個人的に良かったです。
    ふたりが年齢を重ねたがゆえの容赦のない描写(特に攻めの受けに対する笑)もあるある…な感じで良し。受け至上主義な人には向かないかも。私は大丈夫でした。
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    投稿日:2014.02.08

  • valancyblue

    valancyblue

    このレビューはネタバレを含みます

    『天使のささやき』『甘い水』シリーズの平河寮つながりで前作にチラリと登場したらしい山下が主役。
    高校時代、いつも山下の隣りにいた須和。線が細くて中性的ですごくきれいだと思っていた。外見とは裏腹に男前で理知的で、そんな須和を誰にも渡したくなくて、山下は寄ってくる女も男もすべて蹴散らすみたいにいつも傍から離れなかった。
    須和の方でも、屈託のない山下が溢れんばかりに向けてくれる好意が幸せだった。複雑な家庭の事情も親の無関心も、山下が自分を大事にしてくれることで忘れられた。山下がいてくれるから、自分には価値があるのだと思えた。山下だけが生きる支えだった。
    ふたりで夢中になって作った紙飛行機。改良に改良を重ねてふたりで教室の窓から飛ばした。ふたり一緒ならどこまでも飛べると信じていた。
    お互いがお互いを想い合っているのはわかっていたのに、どうしてもその先には進めなかった。
    同じ大学に行こうと言い出したのも、一緒に検察官を目指そうと言い出したのも山下だった。
    そのために須和が有名国立大学を蹴っていたことを後になって知り、須和の人生を変えてしまったかもしれないと山下は恐れをなす。自分は司法試験の合格ラインには到底及ばない。須和が先に司法試験に合格した頃には、ふたりの距離はずいぶん開いてしまっていた。追いかけることなどもうできない。一緒に飛ぶことはできないと山下は思い知らされた。
    自分が強引にここまで手を引いて来てしまったことに、急に怖じ気づいた山下は須和と距離を置いてしまう。罪悪感がさらにふたりの間に溝をつくる。
    須和は検察官へ、山下は警視庁へ、それぞれ別々の道を歩んでからの、およそ10年振りに再会。
    山下は昔の面影の欠片もないくたびれた表情の須和に愕然とする。高校時代のきらきらと眩しかった印象は見る影もない。
    それでも懐かしさに、逢瀬を重ねるうちに、須和が昔と変わらず自分に想いを残していることを知る。
    会う度に昔を取り戻していくようで、どんどんと輝きを増す須和に愛しさがこみ上げる。
    高校時代どうしても越えることのできなかった一線を、大人になった今はいとも簡単に踏み越えてしまえるあっけなさ。
    それでも、身体だけはさっさと差し出すくせに、山下を想ってくれていた大切な気持ちは胸の奥にしまい込んでしまったみたいな手応えのなさに、山下はもどかしさを感じる。須和の心を取り戻したい。どうしたら、また昔のように戻れるのか。どうすれば、また自分は信じてもらえるのか。
    高校時代には手を伸ばしさえすれば簡単に手に入ったはずのものが、いまは果てしなく遠くなってしまった。
    そこからの、山下のがむしゃらなまでの誠実さが、山下を想いながらも、どこか諦めきっている須和の切なさが、すごくすごくよかった。
    ぶっちゃけ事件やらなんやらは、ふたりの関係にはあまり関係なかったように思う。強いて言えば、相手の都合に合わせて引っ越して転職します…みたいのが簡単にはできないってのが、検察官と刑事である必然性なのかもってのと、同僚を内偵したり、陰惨な外国人犯罪を日々目の当たりにしても、須和さえいてくれたら、自分を見失わないでいられるってとこぐらいだろうか。
    繊細な見た目に似合わず須和が案外芯の通った男前なとこと、山下が見た目のわりに案外恋に一生懸命でかわいげがある素敵なカップルだった。シリーズの中で一番好き☆

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    投稿日:2014.01.21

  • usamomo21

    usamomo21

    スピンだけれど本編と違って派手さがない分しっとりした感じで良かったです。 最初はやさぐれた、疲れた大人としての再会でしたけれど、高校時代の明るく前向きな二人と 対象的で楽しめました。

    投稿日:2013.11.16

  • ほじ

    ほじ

    平河寮シリーズ。
    派手さはないけれど何だろう、いい雰囲気があるよこの二人。少年時代を一緒に過ごしたってのはなんだか特別だよね。

    そしてやさぐれてるミネと、、、なんと篠口さんもこの寮にいた時代のストーリーだった!  
    ミネよ、そんなにやさぐれるな、キミを癒してくれる子犬がちゃんと現れるから!とか何故だか必死に慰めながら読んだよ、主役たちそっちのけでw。
    そして篠口も(渋々ながら)ちゃんと寮の「係」をやっていたんだなぁと、ちょっと意外に思ったw
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    投稿日:2013.09.04

  • matsuych

    matsuych

    刑事の山下と検事の須和、高校・大学と親友だったが、疎遠になり10年後再会し、あらためてお互いのことを大事だと認め合えるようになるまでの物語。
    発売後すぐ購入し、読んだときはなんだかどちらもはっきりしない感じで私の心にはピンとこなかったという印象だったけど、半年たってもう一度読み返してみたら、じわじわとその良さがわかったかもしれない。
    前に読んだときは、二人のセリフがどっちが言った言葉かわからなかったのだけど、今回読んだらわかったのは、二人の気持ちの動きがやっと私にも理解できたからかなと思いました。
    警察や検察の話の中で、二人のことも進展していく話が以前はよくわからなかったところがあったのだけど、「光の~」を読んだ後だったので、少しわかるような気がしたのかも。かわい先生は、検事や警察、SATとか好きなんですね。
    イラストはやっぱり、天使のささやきとかの方がよかったかな。やまがた先生のイラストは山下のガタイの良さを表現するのには優しすぎると思っちゃいました。
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    投稿日:2013.06.16

  • 絵夢

    絵夢

    このレビューはネタバレを含みます

    刑事の山下暎と検事の須和祐介。
    高校時代のキラキラとした思い出と対比する現実。
    紙飛行機が良い役割でした♪
    刑事と検事ですが、仕事ではほとんどふたりは絡みませんでした。
    一途に山下を思いつづけていた須和。
    少しずつあの頃の気持ちを思いだしていく山下が丁寧に書かれていました。
    読み始め、自分のことは棚上げしている山下が嫌だったんですがそのあたり嫌なやつになりきらないであっさり須和に向かっていきました。
    平河寮シリーズということで他シリーズの峯神・宮津・篠口が山下と絡みます。
    3人とも若(笑)峯神兄はここでも黒い人です。

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    投稿日:2013.02.07

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