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多島斗志之 / 東京創元社 (52件のレビュー)
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imemuy
昭和10年と27年を行ったり来たりしながら、会話の中の登場人物の関係が明らかになる。ずいぶんと狭い世界にいるのか登場人物が錯綜しててなるほどねー、という感じではあるけど感動するドラマとかトリックみたい…なものはなかった。続きを読む
投稿日:2024.03.29
れもん
このレビューはネタバレを含みます
これはミステリなの? 昭和初期とか戦後とかの少年少女の話は実はちょっと苦手なのだが、これは意外とその苦手感は感じずに読めた。が、一体なんなのか? ずっと疑問符。 しかし、読後、ミステリでした。 即読み直し。
投稿日:2023.11.19
ひしま
以前、『綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー』で綾辻行人さんが「多島さんが書いたド本格の長編を一度、読んでみたいですね」と発言していたのを読んだことがある。有栖川有栖さんとの対談での発言だったが、この作品こそ「多島流ド本格」と言えるものではないかと思う。 というのも、物語そのものは文芸ながら「謎の提示→真相の提示→種明かし」というミステリのフォーマットに則って書かれているからだ。ある理由からどの部分も非常にわかりにくく、わたしも初読では理解できなかったが、真相に関わる部分を再読して理解した。 トリックそのものや終盤の展開には気になる点もあるが、ミステリとして読んでも文芸として読んでも楽しめる作品だった。これが事実上の遺作になってしまったのは惜しいが、広く読まれてほしい。
投稿日:2023.05.15
まめっち
14才の少年少女のひと夏の恋物語…と思いきや伏線とミスリードだらけですっかり騙されました。 二本立ての映画を観た感じ。 多島作品は初めて。ほかも読んでみたいな。でもこの作品が最後なんですね。失踪され…てるって知って、また驚きました。続きを読む
投稿日:2023.04.23
ハッピーアワーをキメたK村
多島斗志之さんのミステリー『黒百合』 難しかったーッ(^^;; 『ラスト五ページの衝撃』?! 私の場合、わからない事が衝撃だったーッ(笑) 難しいよ、と聞いていた 伏線がわからない人はそのままの小説だ…と思うだろう、と聞いていた 時代が前後して時系列がわかりにくいので、負けてなるものか!とメモをとりながら読んだのだが。。。 誰が宝急電鉄の車掌だった? ここが一番のポイントだよねー! どうしてみんな足を引きずっている? わからなくてネタバレを検索した 人物相関図も見た だがいまいちピンと来ない ミスリードが多い ダミーもいる タイトルの意味はわかった 再読すれば違うはず わかっていて読むとまた違うだろう でも、この落ち着いた読み心地は好きなんだよね 少年少女の爽やかな六甲での淡い夏恋物語も良かった 好きなのにわからなかった、と複雑な気持ちにさせられた作品だった続きを読む
投稿日:2023.04.22
りーり
昭和27年、戦争が終わりサンフランシスコ平和条約が結ばれた年の夏。「私」こと寺元進は14歳の夏休みを父の友人である浅木氏の別荘がある六甲で送ることになる。そこで出会った浅木氏の息子・一彦と地元の事業家の娘・香との交流、中学生の男女の淡い恋模様の始まり。 文芸+ミステリということでイニシエーションラブのようにミステリであることを作品内で示さない作品ですね。 <六甲の女王>を相田真千子に<車掌>を日登美の夫に誤認させるようなプロット。正直、六甲の女王についてはミスリードの為にだけ存在する人物であまり好みではない手法だが本作は示された人物内で犯人を推理するような形式でもないので許容範囲。両者が別人である伏線も細やかで素晴らしいね。 どうやら浅木真千子と日登美の関係は続いているらしい。少なくとも日登美の方は夫に冷めてるのに加え、木の玩具が部屋にあったことがそれを匂わせてる。ここがおそらく本作のタイトルである黒百合という蠱惑的なタイトルに掛かっているのだろう。香にプレゼントされた純潔でストレートな白百合に対して、どこかミステリアスで歪曲されたような黒百合な恋が裏で展開されたことが示唆されているのだと思う。
投稿日:2023.02.13
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