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小松左京 / 角川文庫 (1件のレビュー)
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tikuo
複数巻の長編を平行に読破しよう月間。さほど大作ではないが、そろそろ一旦休憩する。 セスナを手に入れた福井たちは、大阪を発って名古屋、東京と移動し仲間を見つけるが、そのこととも相まって、数々の困難に直…面する。 「いまここから、自分以外誰もいなくなったら」という、小松左京お得意の消失ものの思考実験だが、今読んでも良く出来ている。 消えたことによる絶望感だけでも、開放感だけでもない。電気はいつまで持つのか、そこに災害が起こった場合の被害など、きちんとある程度検証されている。 飛行機の操縦、電力の仕組みや食品の流通、生きていくためのライフラインなど、ここまで検証してちゃんと書いている(書けている)作家は、現行において何人いるのか。 本作も、未完の完と言うかたちにするためなのかどうなのかは分からないが「ゴエモン(明日泥棒)」シリーズのように楽屋ネタを出してくる。これがまた小松左京らしくて面白い。 消失モノは、有名どころ「日本沈没」「首都消失」「復活の日」や短編「アメリカの壁」など、同じようなテーマのものがあるが、個人的には尻切れ感があるが「こちらニッポン…」「明日泥棒(ゴエモンシリーズ)」の2つがやはり好きだ。 買い直して良かった。続きを読む
投稿日:2017.05.12
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