【感想】つながりっぱなしの日常を生きる:ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの

ダナ・ボイド, 野中モモ / 草思社
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
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ブクログレビュー

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  • a-peanuts

    a-peanuts

    ソーシャルメディアとアメリカのティーンズ文化、ティーンズを取り巻く社会状況の関係について細かく細かく観察し、ひもといていったもの。
    アメリカにおけるティーンズを取り巻く社会状況は、日本の現状よりも息苦しく、そして日本も同じ方向に向かって進んでいるような気がする。
    中高生は、近所の公園でたまっておしゃべりしたりできない。
    小学生は公園や友達の家で(わりと大人の目を気にせずに)遊ぶことができる。大人は、飲み屋で集うことができる。けれど、中高生は、集まっているだけで不審な目で見られ、気にされる。
    大人は、自分が十代だった頃の、大人の目の届かないところでやったあれこれを後悔しているとしか思えない。というくらいの監視っぷり。そして世論は、十代を監視するべき対象として扱うことを後押しする。
    そりゃあ、SNSで友達とつながろうと考えるよね。社交の場として、そして、社交を学ぶ場としてのSNS。

    グループごとに、どのSNSをトレンドとして扱うかが違うという視点では見たことがなかったので、参考になった。まだ、私の目の届くところにいる中学生はSNSでグループ分けはされていないけれど、今後、そういうこともあり得るのかもしれない。

    札幌市の図書館で借りた本。
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    投稿日:2018.12.24

  • hazelnuts2011

    hazelnuts2011

    かつて自分が「明菜」や「たのきん」に明け暮れていたのと同じように、今の若者も「セカオワ」や「ゲスオト」を信奉する。誰しもが持っている、自分が生きた世代の文化や価値観。それを違う世代の人間は理解してくれないし、理解するにしても、必ず自分と対比して善悪で語る。そして今、ネットでつながる「今の若者」もそのターゲットになっている。ひと口に「ネット中毒」とか「SNSバカ」と言うが、生まれた時からその土壌で暮らしてきた若者にとって、SNSは当たり前のコミュニケーション手段であり、パブリックでもある。だから大人がネット環境そのものに対して危険とか中毒とか言っても、危険や中毒を回避しながら楽しむ若者とは、考えがすれ違っても何ら不思議ではない。ネットであろうがリアルであろうが、人は常に自分の存在を主張続けたいだけなのだ。続きを読む

    投稿日:2016.01.16

  • deadman

    deadman

    "デジタルネイティブなんて幻想だ"

    数多くのティーンへの取材を元に、アメリカの若者は今どのようにソーシャルメディアを利用しているのか、なぜ"バカッター"のような事をしてしまうのか、彼らのSNS利用による犯罪への巻き込まれは本当に多いのか、といった問題を詳細に説明。

    この本から導き出されるのは、生まれた頃からインターネットが存在しているティーン全てが"デジタルネイティブ"などでは決して無く、大人たちと同様、端末に触れる機会が多い/恵まれた環境になければその理解度・能力は低い。
    また彼らがSNS上で行っている様々な活動も、実際は現実世界の再現でしかないという事。

    ※アメリカのティーンは現在、習い事や過剰な犯罪への危惧などから、ほとんど自分の家(とその周囲)以外で遊ぶ事が許されていない家庭が多い、というのは驚いた。
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    投稿日:2015.09.07

  • のん太

    のん太

    アメリカ在住ティーンエイジャーのSNS利用状況についてインタビュー。友人とのつきあい、コミュニケーション、いじめ、親には知られたくないプライバシー。キラキラしたければfacebook、ゆるくやりたいならmyspaceというSNSの住み分けもあり。書き込みによる人種差別の可視化。社会問題になった事件の顛末なども説明されているが、つっこんだ内容の割にはティーンエイジャーに聞いたことをたんたんと描写するインタビュー集のようである。著者の考えというのは明確には表明されない。もう少し解釈がほしい。
    主語に「ティーン」がやたらに多く、構成にはもうちょっと工夫してほしい。不自然な言葉もあり、訳がいまいちこなれていない印象。
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    投稿日:2015.04.22

  • isseiabe

    isseiabe

    米国と日本の10代の感じ方や行動は大きく違うというのが印象なのだが、実際はもしかしたらそれは認識不足で、日本も同様なのだろうか。
    いずれにしても、微妙に危機感を煽る感じが何となく好きではない。とは言え、この種の問題解決策がないというのも事実ではあるけれど。
    何となく残念感のある一冊であった。
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    投稿日:2015.04.09

  • asiantamtam

    asiantamtam

    ネットが発達して、より世界が広がると思いきや、若者のコミュニティーは結局は学校ベースの狭い世界で完結してしまう。フェイスブックなどのSNSもサービスとして円熟してしまうと、親の監視と干渉を嫌う若者は、新たに別のサービスに移行していき、廃れてしまう。どんなにテクノロジーが発達しても、若者と大人の関係というのは変わらないねえ。結論があまりなく、出来事を淡々と描写している感じの文章なので、頭に入りにくかった。続きを読む

    投稿日:2015.03.07

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