【感想】新装版 孫子(下)

海音寺潮五郎 / 講談社文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • woody-kenji

    woody-kenji

    上巻の方がいわゆる孫子その人に関する小説だが、小説としては下巻の方が物語として一貫したが流れがありずっと面白かった。
    解説と上巻の前置きを改めて読んでみるとその理由が理解できるような気がする。原典に十分な記述がない孫武と、それよりは逸話が多く残っている孫臏の違いであり、歴史を大きく変えてまで小説を創作するものではないという著者の姿勢によるものであろう。
    なかには歴史的事実を顧みない歴史小説もあったりするが、個人的にはこうした姿勢の方が好感が持てる。
    さて、それはさておき、孫子の兵法の実践として面白い小説だった。
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    投稿日:2022.02.27

  • yoichiokayama

    yoichiokayama

    孫武が活躍した時代から150年後、彼の孫(まだ後の子孫の説も)である孫びんの話です。
    子ども時代は勉学にまったく興味もなく、遊び惚けていた孫びんですが、のちに友人となるほう涓(ほうけん)の影響で、兵法に目覚めていきます。
    時が経ち、魏につかえ大将軍となったほう涓を訪ねた孫びんは、彼の才能に嫉妬したほう涓に、陥れられてしまいます。
    かつての朋友への復讐、兵法家としての意地を賭けた戦いが始まります。

    「兵学者と兵法家とは違うのかな」
    「ちがいますとも。兵学者とは古来の兵法をよく誦(そら)んじ、古今の戦史をよく知り、兵制の変遷などを研究している者です。しかし、単にそれだけの人々です。兵法家は、機に臨み、変変に応じて、最も適当した戦術の案出が出来るなら、古人の兵法など知らんでもよいのです。もちろん、古人の兵法を知っていてもよろしい、古今の戦史に通じていてもかまわない。ただ、それを実際に応用するにあたっては、独自の機略をもって自在の運用をしなければならないのです。それが兵法家です」 ー 220ページ
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    投稿日:2019.07.23

  • ちゃいなおやじ

    ちゃいなおやじ

    ★2012年10月6日読了『孫子(下)』海音寺潮五郎著 評価B
    上巻は、春秋時代に呉王に仕えた孫武の物語であったが、下巻は、孫武から数代時代が下った戦国時代の孫臏(そんぴん)の物語が取り上げられる。
    なぜ孫臏が、友に陥れられて両足を失う刑罰を受けることとなったのかの経緯が語られる。基本的に、主人公である孫臏の裏切った友人龐涓(ほうけん)に対する復讐の物語であることが、ある意味話を矮小にしてしまって、大らかさのない凝り固まった話に終始している点が残念である。続きを読む

    投稿日:2012.10.06

  • osadaken

    osadaken

    今度は孫武の子孫、孫賓の物語。未来を嘱望されていた孫賓が友人であった法健(魏)に嵌められてしまい、足を失い、額に入れ墨を入れられ幽閉されてしまう。孫賓は自分の不明を責め、法健に復讐を誓い、脱出して斉の軍師となって追い詰めていく。ある意味、復讐活劇。もう一つは、復讐活劇の中に孫賓と紅奴の恋愛もちりばめられていてホッとなる物語だった。続きを読む

    投稿日:2011.12.18

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