【感想】鉄腕アトム　手塚治虫文庫全集（１）

・手塚治虫のメタ発言、めっちゃネタバレだけどなんかこう…人間味があっていいな…
・コバルトくんとか、こういう経緯で作られたのね
・アトムの両親ロボット(！！？)とか、天馬博士にお茶の水博士…なるほど、…これがこうなって…なるほど…
・マジで初期の初期っていうか連載のたたき台？？みたいな形でのアトムから収録されてる気がする続きを読む

4/7は『鉄腕アトム』が連載開始した日
昭和27年の今日、雑誌『少年』で手塚治虫が『鉄腕アトム』の連載を開始。

【日本の漫画文化を築いた”泣ける”傑作漫画】

皆さんは子供の頃、ご飯を食べるのも忘れて夢中になって
読んだマンガはありませんか？？？

思い返してみるとドラえもん、美味しんぼ、ドラゴンボール、
筋肉…マン、シティハンター、銀河鉄道999等々、世界に誇れる
名作が数多く存在しており、無邪気だったあの頃の大切な思い
出になっている事でしょう。

ふと感じるのは、隆盛を極める現代漫画文化の礎を築いたのは
どの作品なのでしょうか？？

そう考えてみるとそれこそ沢山の作品が思い浮かびますが・・・
それらの中でも秀逸といえる孤高の作品が故手塚治虫氏の傑作
漫画、『鉄腕アトム』だと思いませんか？？

この作品は余りにも有名なので・・・
レビューは皆さんにお願いしますのでどんどんレビューして
くださいね・・・って、ただ内容を紹介するのが苦手なだけ（笑）

作者の手塚治虫氏は1928年大阪府豊中市に産まれました。
五歳で引越しし、宝塚歌劇団で有名な兵庫県宝塚市で育ちます。
大阪帝国大学（現在の大阪大学）医学部に在籍中、雑誌に四コマ
漫画が連載された事で漫画家デビュー、『ブラックジャック』
『リボンの騎士』、『ジャングル大帝』、などの名作を次々と
世間に発表しています。

また漫画家として大成される傍ら、医学博士号も修得されてます。
天才って・・・なんでも完璧にやってのけちゃうのですね！！

これらの名作は現在に至るも漫画文化に多大なる影響を及ぼして
いますが、歴代の作品の中でも特に魅力溢れるキャラクター、
物語の完成度の高さ、そして日本のみならず海外にも多大な影響
を及ぼした点から、本作が一番であると個人的に思っています。

そんな『鉄腕アトム』は単なるロボットが戦うだけの陳腐な
作品ではありません。

主人公であるアトムは事故死した息子を悼んで天馬博士が作った
最愛の子供の完璧なコピーであり、機械でありながら息子として
学校にも通います。

ですが学校ではロボットである事から同級生たちから苛められて
しまいます。

そんな苦痛の日々をそれでも明るく前向きに頑張るアトムですが、
機械であるが故に成長せず、ついには亡くなった息子との違いに
耐え切れなくなった創造主である天馬博士は受け入れられなく
なったアトムをサーカスに売り飛ばしてしまうのです。

そんな苦労人のアトムの特徴的な赤い長靴はその時に女の子から
贈られたプレゼントであり、御茶ノ水博士に引き取られた後も
履き続ける事になります。

ですが・・・
何年も履き続けてたら足が臭くならなかったのかなってちょいと
思っちゃったり？（笑）

このようにアトムは生れながら差別と憎しみを一身に受け続け
ますが、どんな惨い仕打ちを受けても終生変わらずに明るく、
正義感溢れる愛すべきキャラクターであり続けてくれます。

しかしそんなアトムには大変な試練が待ち構えていました。

自分を蔑み、苛めぬいた人間達が危機に陥った時、彼は人類を
救う為、自分よりも強大な敵とボロボロになりながら戦い抜き、
守り抜くのです。

プルートとの死闘、青騎士との自己存在をかけた戦い、そして
タイムスリップし、戦争時のベトナムで絶え間ない空襲から
逃げ惑う村人達を助け、一度は救う事が出来たが、エネルギー
切れでメコン川に沈み、再度の空襲に焼き払われる村人達を
深い川の底から眺める事しかできなかったアトム・・・

時が経ち、引き上げられわずかな燃料で迎えた日は無情にも
アトムが生まれた日・・・

彼はタイムパラドックスを解消する為に自ら死を選び、物語は
終焉を迎えます。

こんな悲しい物語が他にあるでしょうか？？

人の為、何度も死闘を繰り返したアトムは結局何一つ報われる
こと無く、ひっそりと独りで死んでしまうのです。

今でも思い出すたびに涙が溢れそうになってしまうのは読んだ
方ならわかって頂けますよね？？

自己犠牲は尊いものですが、しかし報われない命もある・・・
しかし我々がアトムになる必要はありません。

日常的に思いやりと優しい心使いを心がけ、受けた方も当たり前
だと思わずに心から感謝し、敬意を表する。

そういう道徳心やマナーの大切さを十分に認識する事が重要であり
我々現代人に一番欠けている心だと思います。

それが天才である故手塚治虫氏の全作品に流れる最も訴えたかった
テーマなのではないでしょうか？

参考までに主題歌を添付しますね。
【Youtube ”鉄腕アトム主題歌 日＋加バージョン”】
http://www.youtube.com/watch?v=uRs6flT9AhA

勇ましい歌だけど・・・悲しいメロディに聴こえてしまうのは
私達だけ？？

アトムがいたら思いっきり愛情を注いであげたい・・・
むう達でした！！

PS：　読んだのは初期作品ですのでご注意を！！続きを読む

鉄腕アトムの1巻。
文庫版のためかなり字が細かいので、辛抱強く読んでく必要がある。
鉄腕アトムを描いた当初から、手塚治虫の発想力が非常に優れていたことがよくわかる。

鉄腕アトムを初めてちゃんと読んだ。子供向けであると同時に大人でも楽しめるテーマ性があった。電光人間がよかった。

“「2013年の東京だ！」
「へッ 二〇一三年がきいてあきれらァ！」
「？」
「だってそうじゃないすか
いまは未来でがしょう ここは未来都市なんでがしょう？
そんなのになぜわしァゲタなんかはいて こん…なヨレヨレの背広を着なきゃなんねえンだい
もっと こう サッソウとできねェんかなァ
それにうちの生徒はみんなまだ学生服ですぜ 四部垣なんざァイガグリ頭ときてらァ
ねェどうしてですィ こんなチグハグな絵を描いたのか聞きたいねッ」
「それはちゃーんとわかってるんだ
ほんとの未来都市を描くと 今の読者にとって風変わりすぎて読んでてもなじまないんだよ
だからわざとあちこちに現代のものをまぜて
読者に親しみを感じさせるようにしてあるんだ ここがSFマンガのむずかしい所さ」
「どうでもいいけどわしの家ぐらいはもう少しなんとか描いてほしいもんだ！」”[P.176_赤いネコの巻]

ヒゲオヤジ先生が好き。

「アトム大使の巻」
「気体人間の巻」
「フランケンシュタインの巻」
「赤いネコの巻」
「海蛇島の巻」（原題「アトム赤道をゆくの巻」）
「火星探検の巻」（原題「空とぶ摩天楼の巻」「火星隊長の巻」）
「コバルトの巻」
「ZZZ総統の巻」
「電光人間の巻」続きを読む