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小杉英了 / 角川書店単行本 (2件のレビュー)
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reso100
校正の仕事をしている秋川美苗.大学教員の葉山郁夫を紹介され気持ちがときめく.食事を重ねるうちに恋が芽生え,将来を話し合う仲になる.郁夫の寝言で西岡麻里の存在が明らかになり,郁夫のやったことを洗い出すが…,崖から突き落としたことを突き止めた.証拠を隠滅するために現場に行くが,今度は美苗が同じ目に合い,郁夫は失踪する.麻里の消息を尋ねる中で同居していた宮下昌代に出会い,麻里の状況を把握する.郁夫がトロントでプレゼンをすることがわかり,資料の中に衝撃的な絵を潜り込まで,郁夫のプレゼンを台無しにすることで復讐を成し遂げる.脇役として義妹の絵津子の存在が良い.続きを読む
投稿日:2016.01.14
mendako
美苗は地方都市で校正を仕事にしている。 つまらない印刷物だと思っても、自分の仕事に誇りを持ち、一生懸命やってきた。 しかし、独身貴族とまではいかない。 毎日がやりがいと虚しさで包まれている。 そんな中…、彼女は理想的な男性、葉山と出会う。 完璧な男、シックで、知的で......。 しかも彼は結婚を前提にして美苗と付き合うというのだ! しかし、そんなめでたしめでたし、のわけがない。 彼が呼ぶマリという女。 彼女は人格破綻者だった。 愛した男を苦しめる恨みがましい女。 美苗はこの女を抹殺することにする。 ホラーと呼ぶべきだろうか。 せまりくるマリの恐ろしさ、そして、人々の豹変。 人間とは恐ろしい。 脇役ではあるが、美苗の義理の妹、絵津子が私はとても好きだ。 レディース上がり、高校中退、自分より一回り下の絵津子を美苗は好きではない。 彼女の娘(美苗の姪)は知的で恥ずかしがり屋で読書家で、全く両親に似ていない、と美苗は感じ、親近感を持っているのだが、義理の妹は金を要求してくるばかりで好きになれないのだ。 ところが、人は必ずしも学歴で判断はできない。 エリートと不良、単純な対比ではあるが、「筋を通す」「人を見る目」という点では美苗は絵津子に及ばない。 何より素直で裏表がなくて気持ちがいい。 マリは愚かであったかもしれない。 美苗もそうだ。 だが、人を愛するということは愚かで、悲しくて、それゆえに純粋なものなのかもしれない。続きを読む
投稿日:2015.10.14
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