水死人の帰還

小野正嗣 / 文藝春秋
(3件のレビュー)

総合評価:

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  • lonesinker

    lonesinker

    じいじい、ばあばあばかりが残った、浦を抱く小さな漁村。いたずらものの猿たちや、えびすさんまで登場し、まるで日本昔話の世界。なのにそこは、むせかえるほどに濃厚な血とセックスと汚物の匂いに包まれていて読む者をたじろがせる。
    しかし考えてみれば、かちかち山にせよ猿蟹合戦にせよ、おとぎ話というものは最初から生臭いものであった。それを、せっせと消毒液を吹きかけて無味無臭のものにしてきたのは近代社会の方であったのだ。
    無害な年寄り、のどかな田舎町の表皮の下で、暗く淀んだ隠微な衝動は消えずうごめいているのだが、村の伝説に伝わる娘殺しと、出征したオジイが戦地で犯したレイプと殺害が絡み合い混じり合うように、この再生産される性と暴力は、近代化と二分化されるような異質な前近代的ムラの神話に還元されることもなく、不穏な脅威の力を発揮し続ける。『にぎやかな湾』ではまだ穏やかだった「浦」の世界、小野正嗣が本当に描きたかった部分とはこれだったか。
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    投稿日:2020.06.21

  • 青海

    青海

    夢の中のような判然とし難く混沌とした世界。
    生々しく必要以上に具体性も持つ描写は悪夢のよう。
    表題作の水死人の帰還がいちばん読み物として読めた。

    投稿日:2015.09.03

  • まはりな

    まはりな

    未発表作品と様々な時期に書かれた短編を集めた作品集。

    最初の作品は特長ある長い文節が読み辛くどうしても内容が頭に入らず挫折。

    筆者の本は二冊目だがやはり主体がつかみきれなかった。むつかしい…

    投稿日:2015.08.30

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