【感想】はやぶさ2の真実 どうなる日本の宇宙探査

松浦晋也 / 講談社現代新書
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • nyankoteacher

    nyankoteacher

    180929 中央図書館莫大な予算を必要とするこういう科学プロジェクトは、理学と工学の危うい緊張感が、良い方に転んだときに初めて成功する可能性が生まれるということ。

    投稿日:2018.09.29

  • 人生≒本×Snow Man

    人生≒本×Snow Man

    とりわけ技術的な説明が詳しい本で、内容に唸らせるものがある。日本の宇宙開発の政治的要因を意識した筆致がさらに重みを与えている。はやぶさ、はやぶさ2に限らず、今後の宇宙開発を考えるにあたっての必読書。

    ・イオンエンジン、太陽電池パドル、各種のアンテナ、スイングバイ。パラボラアンテナを使った高速通信は、イトカワの観測データを送信するときだけ使用するから、太陽電池パドルは同じ向きでよい。

    ・探査機の目的は「小惑星からサンプルを持ち帰る」ではなく、「小惑星からサンプルを持ち帰るために必要な様々な技術を実地で実証する」と設定されていたこと。

    ・『サイエンス』の2回の特集の内容紹介も嬉しい。「イトカワ」に内部構造があること。微粒子から分かる「イトカワ」生成の経緯。

    ・はやぶさ2の目的地は、C型(炭素)小惑星。イトカワはS型(岩石)小惑星。

    ・はやぶさ2は世界中の地上局から追跡管制する。

    ・はやぶさ2は外は予算で締め付けられ、内では理想の科学観測を求める科学者の葛藤を抱えていた。

    ・ロケットは、インフラ。最低2種類、それも全く違う技術系統が必要。H2は液体推進剤、MVは固体推進剤だった。

    ・H2Aは地球を回る静止軌道への打ち合わせのために最適化設計されており、「推進剤の温度が一定以上に上がってはいけない」などの制限が厳しかった。
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    投稿日:2015.10.22

  • hitoshinakamura

    hitoshinakamura

    3分の1ほどが初代はやぶさの話、それから一般的なロケットの話.はやぶさ2が出てくるのは真ん中くらいから.やっぱり打ち上げにお金を取ってくるのが大変なんですね.知り合いの物理学者が言ってたけど宇宙飛行の開発の過程で日常役に立つ発明はあるけど、実際宇宙から持って帰ってきた情報は膨大な費用に見合うものはないんだって.そういえば初代はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰った塵はその後どうなったのでしょう?続きを読む

    投稿日:2015.06.25

  • Y.K

    Y.K

    初代「はやぶさ」の旅路をふりかえりつつ、先日打ち上げられた「はやぶさ2」の技術的背景と、日本の今後の宇宙開発に向けての提言を述べた本。「はやぶさ2」に関する本は数多く出版されていますが、日本の宇宙開発に造詣が深い著者のこの本は信頼感があると思い、手に取りました。
    探査プロジェクトはその立ち上げから考えると20年を越える時間スケールが必要(初代「はやぶさ」もルーツは1985年にさかのぼる)で、初代「はやぶさ」で蓄積された技術を継承するためにも世間の注目が集まる今こそ「はやぶさ2」の次の探査プロジェクトを具体化する必要があると著者は力説します。
    日本の宇宙開発が情報衛星や気象衛星など実用重視に偏重しつつある今、「太陽系探査などの純粋科学に限りある予算(出所は税金)をどの程度振り向けることができるのか」は、政府が定める「宇宙基本計画」に沿って今後の宇宙開発が進められる状況である以上、我々国民の意識次第であるという著者の主張は重要な意味を持つと思います。
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    投稿日:2014.12.23

  • danner

    danner

    日本の宇宙探査の歴史的経緯と現状、科学・技術の解説、政治的予算折衝、といった複数視点の話が盛り込まれて、実に質の高い資料であると同時に文章を読ませる読み物になっている。
    どの分野でもそうだが日本の政治家のビジョンの無さは絶望的。「宇宙族」の政治家を出すか、民間で支援できる仕組みを作らないと、残念ながら現状維持かジリ貧になってしまいそうな悲壮感である。続きを読む

    投稿日:2014.12.19

  • polyhedron

    polyhedron

    理学と工学,そして組織と政治。二代のはやぶさを取り巻く日本の宇宙開発事情を扱った,非常に中身の濃い良本。
    「はやぶさ2ってこんなにスゴい」みたいな単純な豆知識を集めたものとは一線を画した真面目な本。開発者・研究者の人となりに焦点を当てて一般受けを狙うようなものでもない。ペンシルロケットから現在までの経緯を踏まえ,今後日本が宇宙探査をどうやっていくかという大きな話に繋げていく内容。力点は科学技術そのものではなく,日本の宇宙開発が国内政治や海外の事情にいかに翻弄されてきたかに置かれている。
    もちろん,軌道力学の初歩や宇宙機の基本など,太陽系の科学や探査機の技術についてもしっかり触れていて,そこだけでも勉強になる。初代はやぶさの経験した技術的トラブルと劇的な帰還も読みごたえあり。さらにそこから進んで,行政と政治の厳しいハードルを乗り越えてはやぶさ2があり,これからの宇宙探査があることを強調したのが本書の特色だ。まさに著者ならではの仕事だと思う。
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    投稿日:2014.12.11

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