
総合評価
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powered by ブクログこの小説でこの作家はどうしても天堂晋助という架空の人物を描きたかったのかな? どことなく煮え切らない感じで、いまいちその熱量というか、想いが感じられなかったなぁ。 ただ幕末の主要人物の論点整理ではないけれども、この人物を駒にして人物評的紹介が一通りなされていて、その観点で幕末の簡単な外観図を手っ取り早く頭に入れたいというリクエストには十分に応えられるものかと。
0投稿日: 2024.01.11
powered by ブクログ幕末の長州の低い身分から出た剣の達人という設定の主人公が実際の歴史のながれに沿って活躍する話だが、主人公のキャラ設定が中途半端で、何がしたいのかフラフラしているうちに物語が終わってしまった感じがした。 かといって、背景的に描かれる実際の歴史の方も誰がストーリーを引っ張るでもなく、なんとなく無責任な感が否めなかった。 2023.07.19読了
0投稿日: 2023.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「わからないけど」 と、つぶやいた。おのうが言うところでは生きる甲斐もなくきていて、たまたま晋助という男を知り、ごく自然に身をまかせた。いずれは離れてゆく男だということはわかっているが、こうして一緒にいるあいだだけでも亭主だと思いたい。幻覚かもしれないが、この幻覚を自分は楽しんでいる。亭主が長州の間者ならばそれはそれでおもしろく、自分も間者の女房としてあぶない瀬を踏んでみた。やってみると結構たのしくもある。この幻覚のなかでたとえそのために死んでも自分に悔いはない。というのである。 (そういうことかな) と、晋助は自分の身に引きかえておのうという女と、その言葉を想った。この女は幻覚こそ生き甲斐であり、そのために死ねるという。人の一生はそういうことかもしれない。 「おれのやっていることも、おまえよりもすこし大きいだけの幻覚かもしれぬな」 と胸中のつぶやきを、つい言葉に出した。この幻覚を吹き入れてくれたのは高杉晋作であった。幻覚からあやうく醒めようとする晋助を、高杉はややあわて、ふたたび別な操作で吹き入れた。
0投稿日: 2023.02.23
powered by ブクログ面白くて一気に読了。 激動をくぐりぬけた主人公が最後に感じる虚しさに、ぽーんと置いてかれる。ここで終わりか…とあっけにさえとられたけれど、高杉と天堂の関係性を考えたらじわじわと腑に落ちる。
0投稿日: 2021.08.16
powered by ブクログ大坂での坂本龍馬謁見、そして新撰組のと対峙から始まる下巻。 読み始めて間もなく主人公、天堂晋助は架空の人物だと気づ始めてからは歴史上の人物と多く関わりつつも歴史に関わらない行動をしているのがひどく気になりながら読み進めることとなった。 とはいえ、幕末の長州藩には血気あふれた人物が有名無名含め多数排出された時勢であり、伝えられていないドラマが多数あるのてはと想像する。 加えて、長州藩には有名な人斬りがおらず、土佐の岡田以蔵や薩摩の中村半次郎を模して晋助を作出したのかもしれない。その人斬りたちはほぼ登場しないが。 ネットで天堂晋助を調べると、NHKの大河ドラマ「花神」にも粟屋菊絵とともに登場し、戊辰戦争で戦死ていることに驚く。菊絵や妹のその後があまり語られないのが多少気になる。
0投稿日: 2018.08.18
powered by ブクログ1965年連載の、司馬遼太郎さんの小説。舞台は幕末。主人公は架空の人物です。珍しいですね。 司馬さんの小説の中では、「初期の終り」みたいな時期でしょうか。 # 主人公は天堂晋介。長州藩士。と言っても下層、ほぼ農奴のような出身。 この人が、実は超絶な剣の使い手。 高杉晋作に見いだされ、幕末の混乱期の京都で、「長州の殺し屋」として新選組などを向こうに回して、殺人を繰り返す大活躍…という内容。 史実で、「薩摩の中村半次郎」「土佐の岡田以蔵」は「人斬り」として有名ですが、長州藩はそういう人物が伝わっていない。 そんなところに着目して書かれた小説なのでしょう。 なんだかんだと土方歳三あたりと対決を繰り返し、でも生き延びて、最後も死なずに終わる、という内容。 # 正直、司馬さんの小説としては、第1級のオモシロサ、ということはありませんでした。 その分、「架空の主人公で娯楽小説家に徹したら、司馬さんはこうなるんだなあ」というのを楽しんでしまった、という風情。 とにかく女性にもてまくる、というか、縁がとにかく多いです。 そして、あらためて史実に縛られずに書かれた感じを味わうと、ほとんど「ゴルゴ13」ですね。 もっと言うと、現代の常識的なフェミニズム感覚で言うと、女性陣が怒りそうなくらい、「男性本位」な女性像ばかりです。 まあ、実際に江戸時代で言ったらそうだったのかも知れませんが、男性主人公の都合で描かれる女性たち、という意味では、ほんっとゴルゴ13です。 それはそれで、まったりと愉しむ分には、なるほどなあ、やっぱり執筆年代も60年代だもんなあ、そして司馬さんも実はフェミニズム度は低いしなあ、と読みました。 # そして、主人公が強いわけです。剣を取ったら。 もう、とにかく強くて笑っちゃう。その意味でも、司馬さん版「ゴルゴ13」。 あんまり強いんで、どんどん「絶体絶命の危機」がきつくなるのだけど、徐々にだれてくる(笑)。 しかもその剣技が、よくわからない(笑)。 とにかく精神論みたいな気合いみたいな感じ。 時代劇ヒーローで言うと、眠狂四郎の円月殺法みたいな。「なんじゃそりゃ」な感じです。 恐らくは週刊誌連載でしょうから、終わり際なんて、「うーん、作者の方が飽きたんぢゃなかろうか」という手触りが、なんともはや、微笑ましいレベルでした。 # やっぱり、こういうの書かせたら、池波正太郎さんとかのほうが、オモシロイ。 …と、書いている司馬さんも思ったのではないでしょうか(笑)。
0投稿日: 2017.12.19
powered by ブクログ読みながらここに書く感想を考え始めてしまうくらい、ぼうようとした印象の、眠くなってくる物語だった。主人公は架空の志士で、高杉晋作に息を吹き込まれ、人を切り死線を潜ってあっちへこっちへなんとなく流されながら動いている。剣客より、政治家や革命家の物語の方が好きだから、これはいまいち好みでないと思ったけれど、幕末オールスターズ☆といったかんじで、無数の巨星が登場する。そこがよかった。一通りしばりょ先生の幕末ものを読んできたあとだけに。高杉晋作、桂さんにはじまり、西郷どん、中村半次郎、新撰組、勝先生、龍馬!!次は誰が来る?!そういう風に楽しんだ上下巻でした。
0投稿日: 2017.06.16
powered by ブクログ司馬遼太郎の作品にありがちなのだが、作品のプロットが途中で変わってきてしまっている。 小栗上野介の暗殺の件はどうなったんだ?晋助を仇と狙う菊絵はどこへいったんだ?という感じ。 最後も尻切れとんぼで終わってしまい、なんだか腑に落ちなかった。
0投稿日: 2015.10.21
powered by ブクログ架空の剣客・天堂晋助と、実在の“幕末オールスターズ”達との絡みが自然で、晋助は実在したのでは?と思わせるものがあります。さすが司馬さんですな。 ただ、ラストが唐突で、結局、菊絵やお里はどうなったのか気になります。。。
0投稿日: 2015.06.14
powered by ブクログ長州藩の高杉晋作に見出された天堂晋助が戦国時代の遺風を残す二刀流を駆使して、幕末長州藩のために大活躍する青春小説残す下巻。ラストに向かって、晋助の存在意義が問われ、なんとも複雑な幕切です。
0投稿日: 2015.05.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
架空の人物天堂晋助を描く。 いわゆる長州系の人斬りって某漫画のモチーフかもしれないなと思いつつ。でもこちらは高杉系で向こうは桂系とその違いのみ。 司馬の小説は大体主人公の死でさらっと終わるのだが、本作は違った。人斬りが殺されるのではなく、その後どうしたの?という想像力が掻き立てられるのも某漫画のモチーフかもと思った。
0投稿日: 2015.03.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
架空の人斬りを主人公に、その他の登場人物や事件などは史実に基づいた、幕末の長州を高杉晋作と共に描く歴史ロマン。 架空の天堂と実在の高杉をを駒のように配置して当時の長州の背景を邂逅していく様は、事実と創作をうまく混ぜ合っていて司馬らしくて面白い。 最後まで架空とは思えず、実在したのではと思わされる主人公の描き方も自然すぎる。 思わず試しに調べてしまったくらい。 司馬が描く人斬りは初めてだったので新鮮だったと同時に、長州には代表的な人斬りがいなかったというのは驚き。 大河「花神」に登場していたらしい。 できれば「世に棲む日日」と併せて読みたい作品。
0投稿日: 2015.02.15
powered by ブクログ上巻に続き、天道晋助。実在しないだけに自由に維新の要人との関わりを書けるのは読んでいて痛快。西へ東へ姿を変えながら暗躍する姿は現在でいう諜報工作員ってところだろうか。実在しない志士を描いた作品を読むのはこれが初めてだった。 飽きることなく読了。こういう視点もいつもとは違ってまた面白い。
0投稿日: 2014.02.12
powered by ブクログ天堂の読者が知る得る最後の仕事が儚い。壮大な死を予想していただけに空虚であった。勇ましい剣豪は時代に作られた化身で、元来、根は優しい人だったのかと下巻を閉じ思った。
0投稿日: 2012.12.18
powered by ブクログ主人公の天堂晋助は架空の人物と。おそらくモデルもない。一子伝承の二天一流の継承者という。土の岡田以蔵、薩の田中新兵衛、肥後の川上彦斎(げんさい)、長の天堂晋助で人斬り四人男だなと龍馬に述回させている。 周りは司馬さん馴染みの実在千両役者の総覧騒乱。主人公が架空で自由であるから、物語はそれは自由自在だ。高杉、桂、龍馬、西郷、伊藤俊輔、井上聞多、勝海舟、近藤勇、土方歳三、小栗上野介、さらには剣祖としての宮本武蔵。 面白くないはずがない。虚構の中で実在役者に与える台詞に、司馬さんのそれぞれを主人公とした物語には書けなかった、推量の部分での本音がずけりと現れている様な。
0投稿日: 2012.11.08
powered by ブクログとにかく晋介かっこよすぎる。 ぜひ映画化とかしてほしい作品。 ただ最後までキッチリ感がないのが残念…まぁ晋介はまだまだ続く!という感じでしょうか。 しかし女性とどこまでも絡むなぁ晋介。 そして斬って斬って斬りまくる晋介が凄い。 ラストでは高杉晋作との別れもあります。 途中では坂本竜馬との出会いもあります。 あ、あと個人的に小栗上野介との戦いが見たかったなぁ。 ということで星四つ。
0投稿日: 2012.11.04
powered by ブクログ司馬遼太郎は、久しぶりに読んだ。別の作品の「人斬り以蔵」より面白かった。この作品の上巻は、アニメ「るろうに剣心」の追憶編に似てる。どこまでが史実でどこまでがフィクションか分からないところが、さらにすごい
0投稿日: 2012.10.02
powered by ブクログ晋作リスペクト。 上巻に引き続き面白いんだけれども、どうにもラストまで盛り上がりが持続できていない。尻切れ感がある。苦笑 これが時代劇だったら、見てみたい。
0投稿日: 2012.05.08
powered by ブクログ面白かった。登場人物がいちいち大物だらけで「それは出来過ぎだろ」と思うところもあったけど、そこは司馬エンターテイメント。
0投稿日: 2012.04.22
powered by ブクログなんだったのだろう。 一人の天才に、あまりに自然に生き方を作られた。 抗えない、見えない魅力に憑りつかれる感覚を、感じてみたいような、怖いような…。 改めて、私の中の高杉さん像が得体のしれない、でもどうしようもなく魅かれる人になったかも。
0投稿日: 2012.01.03
powered by ブクログ虚実織り交ぜての大胆でテンポのいいストーリー運びは流石司馬遼。ただ、後書きは蛇足だったのでは。。。解説も本編と関係なく、お国自慢に終わっている
0投稿日: 2010.11.14
powered by ブクログ高杉さんとか龍馬さんとか近藤さんとか土方さんとか登場。 面白くてサクサク読めたけれど、なんだか最後が…。 初版/2010.2.28 購入/2010.3.3 読了
0投稿日: 2010.02.28
powered by ブクログ赤根武人への視点ががらりと変わってしまいそうな、司馬史観の目の付けどころに感服するばかりでした。嫌う人も多いですけど、やっぱり歴史の隙間を埋めるような、司馬先生の小説が大好きです。あくまでも小説なのに、本当にあったことのように感じてしまう、そんな不思議な作品でした。
0投稿日: 2010.01.25
powered by ブクログ架空の志士が主人公だけに、思う存分活躍させることができますね。「竜馬がゆく」など他の幕末ものと併せて読むと、もっと面白いです。
0投稿日: 2009.06.14
powered by ブクログ上巻の続き。時代によって必要とする人物は違っていき、人斬りも幕末では活躍しても維新後には必要とされない。人が時代を作るのか、時代が人を作るのか。人の存在意義というものを少し考えさせられた。時代に見合う才能を伸ばしていきたいね。
0投稿日: 2009.03.17
powered by ブクログ伏線がいろいろあったはずなのに、ほとんど伏線のまま終わってしまったなというのが正直な感想。 あんまり受けがよくなくて途中で打ちきりになってしまった感じが否めない。。 ちょっとがっかりでした。あんまり感じることがなかったな。
0投稿日: 2009.03.06
