【感想】現場論―「非凡な現場」をつくる論理と実践

遠藤功 / 東洋経済新報社
(32件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • まさ

    まさ

    至極納得感が得られた著書であると同時に、現場のパワーを生み出し、活かすのは経営者層と本社中枢組織が現場を我が社の「写し鏡」としっかり認識し、底知れぬ「現場を愛する」覚悟が必要なんだと感じた。「現場」にあたる英語が無いことを初めて知った。なるほど「現場」が使われる時には「本社対現場」「経営者対現場」などと敵対する時に使われるようなと考えると、働いているところ、どれも現場なのになと思う。現場から遠ざかるにつれて気づかされたり腹落ちする項目がその時々で変化が生まれそうなので、いつか再読したい。続きを読む

    投稿日:2023.08.14

  • たく

    たく

    現場力について書かれた本。現場力は保つ能力、より良くする能力、新しいものを生み出す能力と言う段階で昇華されていく事が多くの事例で理解する事ができた。また現場は経営者の映し鏡であり、理詰めでなければ本気では動かない。また真の強さは理を超えた時に発揮される。それを支えるのは経営者の現場への本気度と愛情である事を学んだ。続きを読む

    投稿日:2023.05.14

  • ホースケ

    ホースケ

     いままでモヤモヤしていた現場の問題が言語化されていて、なるほど!と手を打った。

     現場には二つの主体がある。

    ①業務遂行主体
    ②人材育成主体

     しかし、①と②にはリスクがある。
     
     ①の業務遂行主体には刹那的な達成感というリスクがある。
     たいていの現場は本当に毎日同じ仕事の繰り返しではなく、現場判断が必要な「異常処理」が発生する。
     この異常を処理する達成感により、現場は単調な反復業務に耐えられることができるが、反面、刹那的な達成感は、現場を思考停止に追い込むリスクがある。
     本来は、異常を「処理」ではなく「なくす」ことを考えなくてはならないが、現状維持が主たる業務となってしまう。

     また、②の人材育成主体には、現場モンロー主義、箇所によるタコつぼ化が起きるリスクがある。
     基本的に現場業務は、入社して退社するまで同じ現場で仕事をする。
     ある業務に習熟するためには、現場のOJTが機能して、その現場にに必要な技能は保持される。
     しかしその「同質性」と「隔絶性」は「他者と強調しない孤立主義」を生み出すリスクがある。 

     これほどはっきりと分かりやすく現場の問題が言語化されていることに腹落ちした。

     その現場の問題を指摘した後に、非凡な現場の作り方が論じられる。
     
     ここで俺が必要に思った行動と態度は、この二つ。

    ・標準を作る。
    ・ミドルアップ・ミドルダウン

     個人的には3年以上現場を離れたのち、現場に戻って1ヶ月半。
     せっかくならば現場を変えられるところから変えていきたいところだ。
    続きを読む

    投稿日:2021.08.18

  • あかね

    あかね

    きれいごとをきれいにまとめたという印象。社員に腹落ちさせるのが大切だと言いつつ、それにあたって困難となる管理者と社員との関係をどう構築すべきかについて一言もない。本社が正しい方向に向き、管理者との時間をとれば管理者も正しい方向に向き…ということだけ。自分が何を考えているかわからなくなった時に戻るにはいいが、ヒントを得るには心許ない。

    第1章
    現場は断片ではなく、過去から未来へ繋がる連続性の中で生きているという言葉を見て、現場を理解するには「現場が変わろうとしているギリギリのところ」を見ることが大切なのではないかと思った。新職場でも経験値管理を始めようとしているのなら、それを見るのも面白いかもしれない。そのためには経験値データをどう教育に落とし込むか、どうすれば教育効果を高められるかについて学ばなければいけない。

    第3章
    新職場は旧職場に比べマニュアルが細部まで決められておらず、社員の裁量が高いと感じた。設備の充実度が下がる分、人の判断力に頼らざるを得ないとはいえ、実際に「保つ能力」があるから成り立っているのだろう。それでは、「よりよくする能力」はどうだろうか。現場から改善の声はどれほど上がっているのか、特にどのテーマについて上がっているのか。それは実現に至っているのか。

    第5章
    現場の全員が「なぜ、何にこだわって」活動を行うのかを腹落ちすることが大切とのこと。しかし、現場の人はそもそも施策の背景を考えて仕事する人ばかりではない。日頃から考えている人にしか響かないのではないか。実際に施策を考える本社が直接社員1人1人に語りかけることもない。現場管理者がいかに理解し噛み砕いて伝えるかも大切。

    第6章
    どんな活動も点から始まる。そうならば、まずは「なぜ、何にこだわって」活動を行うのかを中心メンバーにしっかりと植え付けることが大切。彼らに成功体験を積ませ、徐々に周りを巻き込んでいく。
    大切なのは、自立分散型でいくのか、管理集中型でいくのかという基本思想を固めることだという。今までは管理集中型という名のもと、管理者が形ばかりの教育・指導を行ってきたのではないか。それが成功体験を積むにつれ徐々に自立分散型に移行しているタイミング。中心層にも自分たちでこういうことをしたいという芽生えがある。その時に、絶対にズラしてはいけない軸をきちんと共有した上で遠心力を働かせるにはどうしたらいいか。管理者との認識のすり合わせの場をどのようにセッティングし、どの程度社員を自由に動かすかを見極めなければいけない。

    第7章
    現場の競争意識を煽るための「見える化」だが、いろいろな取り組みが乱立して結局社員1人1人に大切なことだと響かない、ということにならないか。明確な競争意識に繋げるにはどうやってその空気感を作り出すべきか。また、これまでの経験至上主義からどうやって脱却していけばいいのか、脱却することによる弊害はないのかも見つめたい。
    現場の提案における阻害要因は何か。日常的な報酬(提案に対する管理者からのFB)は現在どのように行われているのか、管理者による差はあるのか。

    続きを読む

    投稿日:2021.03.08

  • 小田 浩彦

    小田 浩彦

    戦略的位置取り(SP)と組織能力(OC)でOCがないとSPの実践ができない。よってOCをどう伸ばしていくか、という観点から、現場力を高める方法・理論について記載されたもの。
    現場は「保つ力」「よりよくする能力」「新しいものを生み出す能力」と発展すべき、「新しいものを生み出す能力」までいけば非凡な現場となる。
    しかし言うは易く行うは難しであろう。
    続きを読む

    投稿日:2019.10.06

  • suburibilly

    suburibilly

    ・「凡事徹底」は、現場にとって基本中の基本だ
    ・現場力という組織能力は「保つ能力」「よりよくする能力」「新しいものを生み出す能力」が重層的に連なったものだ

    投稿日:2018.11.04

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