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京極夏彦 / 角川文庫 (55件のレビュー)
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総合評価:
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花嵐
江戸怪談シリーズ第二弾。これの元となった話自体は知ってはいたものの題名までは覚えていなかった。学生の頃に触りだけ読んだ覚えがあるものの、どうにも地味に感じられて途中で読むのを放棄してしまった。しかし今…最後まで読んでみると中々に味わい深い。お塚は小平次を嫌いだ大嫌いだ好きにはならぬと言いながらも、そこには奇妙に何かしらの情が感じられて仕方がない。きっとこの二人の関係は愛でも情でもないナニカではあるんだろうが、私にはそれを表せるだけの語彙がないのが口惜しい。続きを読む
投稿日:2021.05.25
kakane
百鬼夜行シリーズを発売されるとすぐ読んでいた頃から随分と時は過ぎたんだな。ずいぶん久しぶりの京極夏彦。 生と死の狭間にいる小平次の物語。後半に向かうにつれどんどん面白くなる。結局、小平次を本当に見てい…たのは終始嫌っていたお塚だったんだな。それも愛だったのだろう。続きを読む
投稿日:2021.02.08
らじヲ
古典階段をベースにした京極さんの真骨頂。 安積沼での殺人やその後の江戸の自宅でのクライマックスは、まるで文楽の芝居を見ているような気分になりました。 人間の欲の深さや執着のおどろおどろしさと、執着を…持たずに行きている人間への嫉妬・羨望。 逆に執着を持たないで生きる人間の心の殺伐さ。 生きるっていろいろあるのだよなぁ…と思わせられる作品でした。 素直に好きな人と好きだよって言い合いながら、他人をうらやまず、今ある日常を受け入れて、シンプルに生きていられるしあわせを感じたよ。続きを読む
投稿日:2018.06.23
工藤恭悟
嗤う伊右衛門から続くこのシリーズ。 最初と最後で何が変わったと言えば、何も変わっていない。 心持が少しほど変わったくらいか。それでも小平次たちにとって、大きな一歩なのだろう。 治平の「嘘も触れ回れば霊…験を顕すものよ」から「楽に生きるばかりが能じゃねえだろうよ」の下りには、辛酸舐めてきた者の言葉の重さがあった。続きを読む
投稿日:2018.06.02
アマガエル
1711 語り口と言い描写と言い京極ワールド全開で読み応え十分。最後の一文までじっくりと楽しめました。
投稿日:2017.11.18
くー
巷説シリーズを読み返している流れで覘き小平次を読みました。この作品については、今回が初読みでした。 巷説シリーズの長編2作目、になるのでしょうか。又市は影くらいしか出ませんが、治平さんはがっつり登…場しました。 やっぱり治平さんはいい人だなぁと思いました。 本編ですが、登場人物の気持ちがどうしてもわからない、そんな感想でした。小平次とお塚、この2人はどんな関係なのだろう・・・でも依存関係であることは伝わってきました。 <以下引用> コトは語って初めてモノになる。語らなくちゃ何もねェんだ。嘘でも法螺でも吹きゃ吹いただけモノになるんだ。 この言葉好きだなと思いました。色んなことを思いました。語られないことは誰も知らない、残らない、嘘もついたら、そしてそれが後に真実となる。真実が伝わらずに嘘が伝わればウソがホントになる。 私たちが真実だと認識している過去にはそんなホントがたくさんあるんだろうな。続きを読む
投稿日:2017.09.18
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