【感想】月光の夏

毛利恒之 / 講談社文庫
(25件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
9
8
6
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ブクログレビュー

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  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    「若き二人の特攻隊員は、ベートーヴェンの名曲「月光」を、小学生たちの前で弾き、南溟の空に出撃していった。ある夏の日のピアノの響きは、痛切な思い出として刻みこまれた。そして今、過酷な運命に翻弄された青春の行方をさぐる一人の女性がいた。愛と哀しみの感動にあふれるドキュメンタリー・ノベル。」続きを読む

    投稿日:2024.01.30

  • tanupon66

    tanupon66

    ジャンルは小説としたが、ほぼ事実を基にしたドキュメンタリー小説。特攻前日に、ピアノが弾きたいと小学校を訪れた特攻隊員2名。その2名を、平和が訪れた戦後数十年後に捜し出そうと、メディアやルポライターが色々トライするも中々条件に一致した人が見つからない。

    最初にも書いたように小説というよりかは、ドキュメント。特攻隊員の中でも特攻に失敗して、戻ってきた隊員は懲罰のような待遇で専用の寮に入れられていたことは知らなかった。
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    投稿日:2023.12.20

  • マッピー

    マッピー

    このレビューはネタバレを含みます

    鳥栖の小学校にある、古ぼけたグランドピアノ。
    今はもう誰も弾くことはなく、粗大ごみとして捨てられようとしていた。
    元々は昭和5年鳥栖町婦人会の母親たちが「子どもたちに美しい音楽を」とお金を出し合いドイツに注文して取り寄せたピアノだった。
    そして、出撃間近の特攻隊員が、ピアニストになる夢を持っていた若者たちが、最後にピアノを弾きたいとわざわざ訪ねて弾いて行ったものだった。

    なんとかピアノを残してほしいと、特攻隊員たちに対応した女性が話したことで、それはラジオドキュメンタリーとなり、映画となり、この作品となったのだそうだ。

    最初に小学校の児童たちの前で話した時は「感動した」という感想が多買ったが、話が広まるうちに「嘘ではないか」「そんな特攻隊員がいるわけがない」などの誹謗中傷の電話や手紙も来るようになった
    そこで、ラジオドキュメンタリーの制作陣は特攻隊員を捜すことから始めるのだが…。

    生きて帰らないことを前提に出撃する特攻隊。
    エンジントラブルや天候不順、敵機に遭遇出来なかった等、帰って来る機もあることはあったのです。
    しかし、それはあってはいけないこと。
    生き残った特攻隊員が収容される寮があったことをこの本で知りました。
    寮と言っても事実上牢です。
    そして、戦後何十年後にその存在が明らかになってもなお、「誰が最初にその話をしたのか。それは依然として軍事機密であるはずだ」という意見もあるのです。

    戦争中につらい思いをしてきたうえに、戦後もずっと自分を肯定することができないまま生きてきた人がいること。
    コロナ禍で自粛自粛の現在も辛いでしょうが、もっと自由がなかった時代があったことも、覚えておかなければなあと思いました。(だからと言って自粛警察を是としているわけではないですよ)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.11.22

  • やーぃ

    やーぃ

    特攻隊として、最後にピアノを弾きたいと思って、ピアノを探していた時の特攻隊員の気持ちを思うと、とても苦しくなります。今、平和で自分の夢を追いかけられる事に、感謝の気持ちでいっぱいにもなり、さらに頑張ろうというやる気をも持たせてくれる本です。続きを読む

    投稿日:2020.09.13

  • taiko

    taiko

    鳥栖小学校の古いグランドピアノの廃棄処分が決まった。
    年配の教師吉岡は、そのピアノを前に、45年前の特攻隊員の話を語った。

    『永遠の0』など、特攻隊の話はいくつか読みました。
    突撃に失敗したり、機械不良などで不時着したり、戻ってきたりした隊員がいた事もそこで知りましたが、振武寮の存在とその意味は今回初めて知りました。
    どの話を読んでも、戦争の不幸ばかりを知らされる思いです。

    様々な事実を知らな過ぎた私は、更に学ぶ必要があると思います。
    そして、多くの人にも知ってもらい、このような不幸が再び起こることがない世の中を皆で作り続けていかなければならないと改めて強く思います。
    続きを読む

    投稿日:2018.08.28

  • モゲラ

    モゲラ

    太平洋戦争末期、九州のある国民学校でベートーヴェン「月光」を弾いて出撃していった特攻隊員を巡る、ジャーナリストや元特攻隊員、国民学校の元教師の実話を小説化。
    特攻ってこともそうだけど、特攻隊員が弾いたピアノを巡る戦後の一連の「現象」の小説化といってもいい。戦争の、特攻の歴史を残し、伝えるために動いた人たちの物語。
    振武寮っていうのは初めて知った。
    知覧は、考えるために一度は行ってみたいと思った。
    続きを読む

    投稿日:2016.11.26

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