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初野晴 / 講談社文庫 (14件のレビュー)
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みさき
ハルチカよりは『トワイライト博物館』寄りなお話。書きたいんだって芯がしっかり通っているところと、ちゃんと意外性を狙ったストーリー展開の工夫が、良い。ただ少し、全体としてどこを目指してるのかがわからず、…ボヤけてしまった感はあったかもしれない。一話完結の短編にされた方がスッキリはしたかも。続きを読む
投稿日:2021.06.24
えつお
昔、向ヶ丘遊園にある大学に通っている人とお付き合いしていたので、思い出してなんだか懐かしかった。心臓破りの坂とか、本当に懐かしい。 廃園になった遊園地の跡地。 そこは様々な花が咲き乱れる動物のための…霊園だという噂がある。そしてそこには霊園を管理する若者がいて、彼に自分が一番大切にしているものを差し出せば、それと引き換えに、この霊園にペットを埋葬してくれるのだという。 わたしは去年から猫を飼い始めて、ペットという言葉を口にするたびに少し違和感を感じるようになった。餌という言い方にも。一緒に暮らしていると、ペットという領域を超えて家族という意識が強くなるのかなと思う。 さて、この本は5つの章から成る。 ひとつ目のゴールデンレトリバーの話はなかなか面白かったので期待して読み進めたが、ビッグフットの章でボルテージが急激に下がってしまった。有名な某小説を彷彿とさせるこの話は、なんていうか、心に訴えかけてくるものがない。言いたいことは分かるけど、登場人物の温度を感じることができなかった。 墓守をしている謎の青年がなぜここにたどり着いたのか、青年に嘘をついたものが酷い目に合うという噂は本当なのか、謎の回収ができないのもちょっと物足りなくて、中途半場な感じが否めない。 でも文章は美しく、特に夜の描写はとても印象的だったと思う。 続きを読む
投稿日:2021.03.22
あんみつ
このレビューはネタバレを含みます
廃墟になった遊園地にある、花が咲き乱れる庭園。そこにあるのは秘密の動物霊園。 相変わらずはなしの内容は重めだけど読みやすい。 墓守の青年は、月の光の下でだけ人間と意思疏通ができる。 森野くんが謎を解く、というか、呪いを解くというか暴かれたくないものを暴くというか。 どれも切ないはなし。 似鳥さんの本と平行して読んだので、動物との関係を考えてぐぬぬとなる。 デカルトが唱えた「動物機械論」。動物行動学では、動物は感情がないよくできた機械だという態度を今も取っているのだとか。うーん、あんまり人と同じに考えるのもどうかと思うけど、これはこれで極端だなー ビッグフットのはなし。最後に出した答えが辛い。知能を持ったインコのはなしも。 最後に森野くん本人のはなしが知りたかったなあ。
投稿日:2019.04.13
犬文庫
そこは、ひとが愛を葬る墓地だった。 花々が咲き乱れる廃園となった遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂…を聞いて訪れる人々。せめて最期の言葉を交わせたら……。ひとと動物との切ない愛を紡いだミステリー。 ライカは僕が付けた名前だ。 最初の出会いは去年の五月で、 駅前の雑居ビルの隙間にラブラドールのライカは ひっそりとうずくまっていた。 P267より続きを読む
投稿日:2018.02.14
カナイ
わけありの動物たちを埋葬してくれる動物霊園の話。 夜寝る前に1話づつ読んでいました。 冷静に読み返せば首を傾げたくなる場面もあるし疑問も残るのだけれど、登場人物(動物)たちの痛みも舞台である廃墟の遊園…地の描写も綺麗で、切ないながらに気分が落ち着く一冊でした。続きを読む
投稿日:2017.08.02
seihatsuno
花々が咲き乱れる廃園となった遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人人。せめて最期の言葉…を交わせたら…。ひとと動物との切ない愛を紡いだミステリー。続きを読む
投稿日:2017.01.12
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