【感想】しつこさの精神病理 江戸の仇をアラスカで討つ人

春日武彦 / 角川oneテーマ21
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
1
4
3
1
1

ブクログレビュー

"powered by"

  • yoshitaka4729

    yoshitaka4729

    文章が上手く読みやすい。様々な文学作品が症例で出てくるのでとても分かり安い。
    「苦笑」が大事。確かに不思議な感情だ「苦笑」は。

    投稿日:2018.11.05

  • kazuosogou

    kazuosogou

    このレビューはネタバレを含みます

    復讐に燃えた人を説得するのは難しい(というより不可能だ)。復讐には理由があり、当人は正当な事をしているのだという気持ちがある。自分のやる事は正しい、悪いのは相手だと思い込んで知る。不幸は不条理だから、理由もなく襲いかかることがある。それを、不幸にさせたのはお前だと恨み、復讐心を持つのは、かえって恨みの呪縛で自らを不幸にしてしまうとだけは気づいて欲しい。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2018.09.08

  • ありよしあしか

    ありよしあしか

    強迫スペクトラムの文献を探してたら目があって。
    全然違うテーマだったけど面白くて一気読み。さすが春日氏。

    投稿日:2014.10.22

  • あるぷ

    あるぷ

    第五章P140〈「そんなに死にたいのなら、ほら、今すぐ死んでみろよ」と言い返すわけにもいかず、(中略)とにかく相手をしなくてはならない、といったケースである。〉
    P143〈自殺というのは実に陰険な仕返しということになる。自己完結しているかのようでいて、周囲へのマイナスの影響力は絶大なのである。そのあたりを直感的に見越して「死んでやる!」と喚くわけなのだろうから、まことに彼ら自殺宣言者たちは厄介な存在ということになる。〉

    いずれも本文中からの引用である。

    帯裏の著者略歴によれば、現役の精神科医であるらしい著者がこんなことを書いていいのか、他人事ながら心配になる。

    この方の書かれた本は、もう読まない。
    続きを読む

    投稿日:2014.08.23

  • chi0406

    chi0406

    淡々とした語り口が読みやすく、想像通り精神科医って冷静・客観的なのだかなあと感じた。
    実際に出会った患者や小説中の説話をふんだんに使用しているから、わかりやすい。
    特に主張したい内容があるでもなく、「恨み」に関する様々な側面を照らしている本という感じ。「恨み」とは現実とフィクション、正常と異常の境界に位置するものであり、誰しもが抱くもの。たいへんシンプルなようで、単純には言い表せないもの。って感じかな。
    この複雑さについての言説が興味深かった。恨みを抱く人の全てが実際的な復讐の達成を目的としているわけではなく、自己正当化を繰り返しながら現実に向き合わないでい続けるパタンもあるという。これは納得だなあと感じさせられる。恨みの形骸化は一種の自己防衛機能ともいえるんだろうな。
    恨みの本質には自己愛や自尊心といったものがあり、恨みとは関係の問題のようでいて、個人の問題でしかないということが学べた。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.07

  • kachan55

    kachan55

    このレビューはネタバレを含みます

    「しつこさ」に目がいって通読。
    著者の読みやすい文章にのっていってスラスラ読めた。
    テーマは「恨み」。
    いやいや、別に誰も恨んではございません。
    ただ、「恨み」という感情は誰にだってある。
    僕にもある。
    この「恨み」との付き合い方が知りたくてね。

    主に文学作品『恩讐の彼方に』などのテキストや実際に精神科医としてかかわった人たちとのエピソードから、「恨み」に関して分析。キーワードは「不条理」と「被害者意識」。つまり、不条理な事柄に遭遇してしまった人は、芽吹いた「被害者意識」にせっせと肥やしとやって、やがて「復讐」へと感情を募らせていく。

    この「復讐」。ドラマのように、いやドラマであっても、カタルシスを味わえるものではない。むしろ、虚無感に苛まされるだけ。では、どうすればいい??

    著者は、「苦笑」を提唱する。そういう恨みに出遭いそうな出来事があった時は、「苦笑い」。もしくは、自分が尊敬する人を想像して、「この人ならばどう思うかな」と思い、きっと「受け止める」と思い、自分の気持ちを落ち着かせる、という薦め。もし、尊敬する人が「恨めー恨めー」としきりに言うのならどうする?「苦笑」した唇の上がり具合が半端ない時はどうする?と、解決策には??がつくが、総論としてはおもしろい。ただ、文章がスラスラとしていて、サスペンスのようなネタも入っているので、読みふけて精神の世界に迷い込まないように注意は必要。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2013.06.16

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。