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小川国夫 / 講談社文芸文庫 (2件のレビュー)
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総合評価:
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harnafri
三部からなる連作中篇。人生の苦悶に行き当たったとき、ある者は自らを殺め、ある者は他者を殺め、またある者は人間存在を逸脱して馬に転身し……馬 に、転 身 し ! 冒頭からいぶし銀な文体と内容が展開される…ところ、第二篇では突然のぶっとんだ、怪奇的な脱皮におののかされた。 物語は海辺の集落が舞台。命のやりとりはすべて海に面した崖や岩場で繰り広げられるし、彼らの思考は波に弄ばれているような、風に煽られているような、そんな逼迫した趣がある。 とにかく人の心のあり様は重苦しく、海も黒黒と不気味である。 ただ、人物ひとりひとりの心理を細やかに描く一方で、広大な太平洋、原初としての海の存在感が圧倒的で、人の生のあはれというものを感じずにはいられない。 また、はじめ二篇は三人称小説でごりごり攻めてくるのだけど、最後の一篇だけ今度は村娘の一人称語りに転じ、つまり急にころっとかわいげがでてくるのも印象的。終末的に暗い情景に、好きな人に抱きかかえてもらえるなら怪我もうれしい、なんて思ってる自分おかしい、と胸キュン独白が飛び出してくるからいろんな意味で胸に迫る。続きを読む
投稿日:2017.12.24
imemuy
行動や会話を客観的に描写するだけの書き方は、きちんと読まないと主人公の意図や話の流れがつかみづらい。いつの間に日が変わったの!?なんて時もあった。 さりげなく足掻いても、力尽きて砂に沈んじゃう感じ。… たまに出てくる健康的な命が眩しい。 2、3の方が良かった。続きを読む
投稿日:2011.11.26
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