【感想】強権と不安の超大国・ロシア~旧ソ連諸国から見た「光と影」~

廣瀬陽子 / 光文社新書
(13件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • koh

    koh

    廣瀬先生のご専門は、ロシアではなく「旧ソ連諸国」なんですね。
    コラムなどもあって、とても読みやすい。
    若き日の冒険譚もかっこいい。
    アゼルバイジャン始め、どの国も本当に複雑ですが…ご専門地域への愛情を感じました。続きを読む

    投稿日:2022.08.27

  • Y.K

    Y.K

    ロシア研究者として、時々メディアにも登場するようになった著者によるロシア・コーカサス地域の情勢について解説した1冊。出版は2008年なので、ロシアのウクライナ侵攻どころか、クリミア侵攻よりさらに以前の本なので、必ずしも現在の情勢を正しく述べているわけではないですが、2008年というのはプーチンが最初の大統領任期を終えて、メドベージェフに一旦大統領職を譲った時期で、その後のプーチンの政権運営の基礎となる時期だけに、参考になる内容も多かったです。著者はソ連圏の中でもアゼルバイジャン、アルメニア、グルジアといったコーカサス地方(黒海とカスピ海に挟まれた地域)を研究の対象としており、現地に滞在していたからこその情報も豊富です。
    ロシアが伝統的に周辺国家の政治的混乱や、エネルギー供給を利用して影響力を保持してきたこと、密告・監視を主としたKGB体質が色濃く残っている事、そのような闇の一面に一方で、ソ連時代の方が教育等の公共サービスが無料であり公務員のモラルが維持されていて、ソ連崩壊後の方が周辺国では治安が悪化したので、ソ連時代を懐かしむ人たちも多い事など、多くの側面を紹介しています。
    意外だったのはコーカサス地域の国々は非常に親日的である(った)事実です。コーカサスの国々は長年ロシアと領土問題を抱えており、北方領土問題でロシアと対峙する日本に共感を覚える関係であって、さらに日露戦争で一旦はロシアに勝利した事が神話的に信じられているとの事。さらに日本が国際的には中立的な立ち位置と認識されているので、援助等も下心のない物として受け取られていたようです。
    著者が現地滞在中に遭遇した体験(列車で国境を越えようとして乗務員に襲われかけたり、空港でテロリストと間違えられたり)なども紹介されていて、私とほぼ同年代の女性(本書執筆時は30代)が治安の悪いコーカサス地域を一人で動きまわるには、相当危険な目にも遭われたようですが、自分の目と耳で集めた情報を基にしているだけに説得力がありました。本書後半には、今後の展開としてプーチンが石油・ガスといった資源をフルに外交カードに利用しつつ、大統領の再選を目論んでいるとの予測を述べられていますが、まさにその通りの展開になっていることが、著者の情勢分析の正確さを物語っている気がします。
    続きを読む

    投稿日:2022.06.16

  • ドラソル

    ドラソル

    コーカサス地方に行った彼女が、実体験を踏まえて旧ソ連の国々について綴った一冊。

    旧ソ連の国々の中に半独立国があることも知らなかったし、それに対してロシアが加担してることも知らなかった。
    全体を通して旧ソ連情勢を知ることができて、とても勉強になった。続きを読む

    投稿日:2015.07.22

  • yasu2kei

    yasu2kei

    ロシアとか東欧あたりの社会の状況の一端を知れる本。
    実際にそれら地域に頻繁に訪れている著者が見聞きしたことが内容になっているので、現実味があった。
    東欧諸国のなかには親日の国が少なからずあることを初めて知った。続きを読む

    投稿日:2015.06.17

  • unzarist

    unzarist

    主に著者の経験をもとに、
    ロシアや旧ソ連諸国の現状について記された一冊。
    著者の主張や意見が全面に出ており、
    その語り口も含め好き嫌いが別れるところか。
    沿ドニエストルに関する記載は初見であり興味深かった。続きを読む

    投稿日:2012.12.19

  • vif8

    vif8

    旧ソ連諸国と未承認国家間の紛争仲介をすることで政治的に有利にことを進めようとするロシアの現状が具体例を挙げながら説明されている。ロシアのグルジア侵攻の背景がよくわかった。

    投稿日:2012.11.13

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