【感想】未開の惑星　　上

『ウェンディ』は松本次郎という人の中にあるものが
うるさいぐらいに溢れだした作品だった。
だからこそ途中から収集がつかなくなってしまい、
利かないブレーキはそのままに、為すがままぶっとばしていた感じだ…った。
(作者曰く、そういう意図でやっていたらしいけれど)

そういうごちゃまんとしたものが、そのエネルギーを失わないまま
咀嚼されて出てきたのがこの『未開の惑星』なんだと思う。
彼の中にある狂気が、丁度いい具合ににじみ出ている。

これから先、「何かおかしいな」と疑問を感じたとき、
どうすればいいのかわからなくなったとき、
わたしはこの作品をきっと読み返す。
それはきっとここから歩きだす力をくれる。続きを読む

上下巻。
この人の絵はザツくて嫌いだけど不思議と全体の雰囲気は好き。
異星のやるせない友情のはなし。

とある国の戦時・占領下で若者が繰り広げる（？）変な話。主人公は画家を目指す少年。才能はあるが気が弱くて家は貧乏で運が悪い。二人の幼馴染の一人は軍のえらい方の妾になりもう一方は軍から略奪を計画する。絶望…から希望を夢見る哀しい漫画。続きを読む