【感想】セリヌンティウスの舟

石持浅海 / 光文社文庫
(62件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
6
13
26
10
2

ブクログレビュー

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  • どんからす

    どんからす

    このレビューはネタバレを含みます

    故人とその仲間たちの心情をとても大切に描いた作品だと思うのですが、いまいち嵌れませんでした。

    ミステリとしてはホワイダニットに焦点を当てているのに、登場人物たちがお互いの印象や故人の考えそうなことを言い合うだけで、故人を悼む過程を共有させられるのが苦痛でした。

    想像力と読解力が足りず、最後まで読んでも、故人と協力者側にも、仲間たちにも共感できません。よくわからないうちに読み終わっていた、という印象です。

    瓶のフタ1つ、境遇の変化1つでここまで真剣に話し合うことができるのは、逆にリアリティがあって良いと思いました。
    親類や同輩とは、冠婚葬祭で集まったときにだけ、やたら話が弾みますから。

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    投稿日:2022.06.17

  • たっく

    たっく

    このレビューはネタバレを含みます

    特殊な事故を経て絆を深めた6人だけど、その信頼感が全ての推理のベースにあるので、読者はなかなか共感できず、推理に納得できないのではないか。

    自分が自殺しておいて残されたメンバーには変わらないでいて欲しいという、行動理由も自分勝手で余計なお世話としか思えない。

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    投稿日:2021.07.22

  • akari

    akari

    警察が解決した一つの事件。仲間を「信じる」「信じたい」「疑わない」「疑いたくない」といった感情を軸に紐解いていくストーリー。描かれている仲間同士の絆が物語の重要な要になっています。
    途中は結末が気になって夢中になりましたが、終始小さな重箱の中をつっつき続けるようなストーリー展開。
    違うことを言っているのか、同じことを繰り返しているのか、それとも違う角度なのか、よく分からなかったです。
    好みは人それぞれですが、登場人物の想いにも共感しずらく私は正直あまりハマりませんでした。そんな人、本当にいるのかなぁと若干ファンタジーの世界。

    ただ、そんなかけがえのない仲間に恵まれる人生は羨ましいなぁと思います。
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    投稿日:2020.02.28

  • machinobu

    machinobu

    石持 浅海氏の作品で、登場人物の心理描写を
    中心にしたストーリー。
    派手なアクションやイベントが起こるわけではなく、登場人物(5人)の会話で構成する話。

    大時化の海の遭難事故により、強い信頼で結ばれた6人の仲間たち。
    そのうちの一人、米村 美月が青酸カリで自殺した。

    四十九日の夜、集まった5人の男女が、彼女の自殺の隠された謎に迫るため、推理を始める。
    彼女は、本当に自殺なのか?
    協力者がいたのではないか?

    『走れメロス』の登場人物になぞらえ、物語は進む。
    果たして、驚きの本当の真実とは?

    会話の中に、伏線もかくれて面白いのですが、好き嫌いが分かれるかも知れませんね。
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    投稿日:2019.04.17

  • あやこ

    あやこ

    人の死が関わるミステリと言えば、探偵ものや刑事ものなどの犯人を探し追い詰めていくものが多いと思うけど、このパターンはわたしには新しく感じられた。

    かつてダイバーとして危険に晒され生死を共にした6人。
    特別な関係となった彼らは1,2ヶ月に1回は集まってダイビングを楽しむ生活をしていた。
    ところがいつものようにダイビングを楽しみ、メンバーの家での酒盛りを終えた翌朝、ひとりが自殺をしてしまう。
    遺書もあり、警察も自殺と断定したが、その死に疑問があるとひとりが言い出し、彼女の死について議論を行うために集まることとなる。

    解決済みの死について、捜査をするでもなく罪を暴くわけでもなく、ただお互いを信じるためだけに密室で議論を重ねるだけの時間。
    そこまで信じられる人たちに出会えたらきっと幸せなことなんだろうなと思う。
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    投稿日:2018.05.22

  • 木戸のねこ

    木戸のねこ

    このレビューはネタバレを含みます

    石持さんはやはり素晴らしい~。
    今回もミステリのようでいて、ノンミステリな感じ。なんたって被害者(?)は自殺だから。
    海での漂流という事故をきっかけに強い絆で結ばれた6人。しかしその中の1人・美月が6人でいる時に自殺する。しかしそこには不審な点が。5人はその謎をつきつめていく…。
    けど磯崎が共犯、もとい協力者っていうのは、割とすんなりわかるよね。あと美月と磯崎の自殺の動機も、いまいち納得いかない…というか理解しかねる。まあそうい状況になったことがないからなあ。
    けどやっぱりなぜか好き。全体のストーリー、空気、そういううのがいい。

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    投稿日:2017.01.29

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