【感想】ツァラトゥストラ(上)

ニーチェ, 丘沢静也 / 光文社古典新訳文庫
(42件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
12
14
6
3
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • planets13

    planets13

    大胆な訳ではあると思うが、読みやすいのか読みにくいのか、判断に苦しむ。深いとニーチェ自身は自負したそうだけど、既成価値観の破壊ばかりのようにも思えるのは勘違いか。

    投稿日:2023.12.24

  • 馬場豊

    馬場豊

    全然理解出来なかったけど、何となくすごい本なんだろうな、ってオーラは感じた。
    世間で言われてる常識的なものを小難しく逆張りしていくんだけど、比喩がすごくてなかなか読み取れない。

    ニーチェと言えば力を求め、弱者を嫌う哲学だと思ってたけど、悪に対しても寛容なのは以外だった。続きを読む

    投稿日:2023.10.05

  • ヨンダ・ヨーダ

    ヨンダ・ヨーダ

    ドイツの思想家・古典文献学者ニーチェの思想のエッセンスが詰め込まれた本。

    名前だけ借用したゾロアスター教の開祖ツァラトゥストラの口を通して、ニーチェの思想が語られる。キリスト教聖書のパロディでもあり、物語でもあり、詩でもある。

    人生は無意味だ。でも、だからこそ、無意味から始めてみなくちゃあならない。あの世に意味を見出して、この世の生を弱めても、生の無意味を克服することはできない。生きていることにうんざりしているときにこの本を読めば、きっと新しい無意味を見つけられる。

    ニーチェは、「神は死んだ」というフレーズが特に独り歩きして有名だけれど、「人間だったんだよ、神なんて。」(57)という表現のほうが僕は好きだ。神の過ちではなくて、人間の過ちを認められそうな気がするから。

    「神を試みてはならない」とすれば、神こそ人間の試みであったからなのかもしれない。だから、ツァラトゥストラは、ツァラトゥストラなりの試みを始めようとしているんだ。人間の無意味を克服するために。

    「ツァラトゥストラ」は面白い本だ。読み継がれるだけのエネルギーと危険がある。
    でも、ツァラトゥストラを大事にするなら、ツァラトゥストラを大事にしてはいけない。乗り越えていかなくちゃいけないんだ。それがツァラトゥストラの忘れられるべき教えなんだと思う。

    「ツァラトゥストラはこう言った、しかし…」
    続きを読む

    投稿日:2023.08.06

  • snowdome1126

    snowdome1126

    前に読んだ泉谷閑示『「普通がいい」という病』でふれられていた「三様の変化」の話を、原著で読んでみたくて手にとる。

    実際の文章(本書では「3つの変化について」という題)は、抜粋よりもさらに肉付けが豊かで、情景に迫力があり、読めてとてもよかった。

    どの鱗にも「汝なすべし」が金色に輝く、「つくられたすべての価値」である龍に対し、ライオンの精神が「われ欲す」と言い、新しい創造のための自由を手に入れるーーここの描写が圧巻で、とても好き。

    さいきん、なんとなく社会から「こうしろ」「ああしろ」と言われている気がして、それを受け入れてしまいそうになることが多々あるのですが、私の心にもライオンをすまわせて、「われ欲す」と吠えていたいなあ。

    下巻にすすみます。

    続きを読む

    投稿日:2023.07.23

  • ユウダイ

    ユウダイ

    ※作品全体を通しての感想は、下巻に書きます。

    【読もうと思った理由】
    そもそも古典(哲学・思想書)に興味を持ったのは、哲学・古典思想書の書籍紹介を主に配信しているYouTuberのアバタロー氏に影響を受けたからだ。もしアバタロー氏のチャンネルを見たことが無い方がいらっしゃれば、ぜひ一度だけでも見て欲しい。哲学や思想書の事前の知識など全くなくとも、気づけば、色々な書籍紹介の動画を見入ってしまう。動画の細部に至るまで、どうすれば哲学・思想書に興味を持ってもらえるかを、とことんまで考え抜いて作り込まれているのが、ひしひしと伝わってくる。それは、書籍の中でもほとんど人気が無いであろう哲学・思想書ジャンルで、チャンネル登録者数30万人越えが、そのクオリティの高さを物語っている。

    【ニーチェが生きている間はまったく売れなかった?】
    このツァラトゥストラは、ニーチェが生きている間は悲しいぐらいに評価が低く、まったく売れなかったんだとか。
    全部で4部構成であるが、3部までで全く売れなかったため、4部に関しては、引き受けてくれる出版社が1社もなく、自費で40部のみが印刷され、それでも売れず、最後は本人自らが知人友人に配って回ったんだそう。
    そこまで売れなかったのには、とうぜん理由があり、内容はある意味、聖書のパロディの箇所も多いんだそうだ(上巻巻末の訳者あとがきによる)。
    また、哲学書には珍しい文体らしく、論文的な文体ではなく、小説や神話のような文体でまた、自問自答している箇所も多く、かなり独特な文体をしている。

    ゴッホにしても時代にマッチしてないあまりに先進的な作品は、生前には理解されないことが、多いんだと納得。

    【雑感】
    次は「ツァラトゥストラ」の下巻を読みつつ、図書館で予約していた村上春樹氏の新刊「街とその不確かな壁」の順番が回ってきて現在手元にあります。返却期限の兼ね合いから、2冊を併読して読みます。
    続きを読む

    投稿日:2023.05.23

  • アヴェマリア

    アヴェマリア

    ・兄弟よ、俺は心からお願いする。この地上に忠実であれ!地上を超えた希望を説くやつらの言うことなんか、信じるな!やつらは毒を盛る。自分が毒を盛っているとわかっていても、いなくても。やつらは、生を軽蔑している。死にかかっていて、自分も毒に当たった。連中にはこの地上のほうでもうんざりしている。とっとと消えうせるがいい!

    ・創造する者が求めているのは、相棒だ。死体ではない。群れでもなければ、信者でもない。いっしょに創造する者を求めているのだ。新しい価値を新しい石板に刻む者を求めているのだ。

    ・以前、ツァラトゥストラも、向こうの世界を説く者の真似をして、人間の彼岸に妄想をたくましくしていた。そのときは、苦しみ悩んだ神の造った作品が、この世界なのだと思っていた。神の見た夢が、神の書いた詩がこの世界なのだと思っていた。この世界とは、不満たらたらの神の目の前に立ちこめているカラフルな煙なのだと。

    ・苦悩と無能──それが向こうの世界を創造したんだ。もっとも苦しむ者だけが知っている、幸せというあの短い狂気が、向こうの世界を創造したのだ。

    ・君たちは高められたいと思うとき、上を見る。俺は、高められているから、下を見る。

    ・勇気をもて、動じるな、嘲笑せよ、暴力的であれ──と、知恵が俺たちに要求する。知恵は女だ。いつも戦士しか愛さない。

    ・だが、俺の愛と希望にかけて、心からお願いしておこう。君の魂のなかにある英雄を投げ捨てるな!最高の希望を聖なるものとしてあがめるんだ!

    ・隣人愛よりも、戦争と勇気のほうが、大仕事をたくさんやった。君たちの同情ではなく、勇敢さが、不幸にあった人たちをこれまで救ってきた。

    ・以前、悪魔にこう言われた。「神にも地獄がある。それは、人間を愛していることだ」
    続きを読む

    投稿日:2022.07.26

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。