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ウルフ, 土屋政雄 / 光文社古典新訳文庫 (28件のレビュー)
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夜風
のどかで平和なロンドンの一日。夫人は、パーティーの準備のための時間を気にしながらの買い物をする。そこにすがすがしさがある。ただ気がかりなのは、大物と結婚する前に交際していた人のこと。その頃のほうがどち…らかといえば若い時期だし、のうてんきだった。それがよかったのだが、こういうことになり、今は兵士として傷ついたりして、その人はおそらくはPTSDのようになり暮らしている。という話だったと思うけど、これは夫人自身の光と影なのだ。終わり頃パーティーで、娘が出てきて、ある意味これは一般的娘論の本という読み方も出来るだろう。続きを読む
投稿日:2023.07.06
asuka
登場人物の環世界(主体にとって知覚できる空間・時間)が織りなすシャボン玉の中で、バスケやサッカーでボールをパスしあうように、次々と主観がシャボン玉からシャボン玉へ渡り歩いていく、と私はとらえています。… 1つの主観が、別のシャボン玉の客観になっていくところが面白いです。また、それぞれのシャボン玉がよくできているのが、バージニアウルフの読み応えだと感じました(この本しか読んでないけど) アガサクリスティの「春にして君を離れ」も、主観からはじまりそれを俯瞰していきながら人間模様が暴かれていく(環世界の狭さ愚かさを赤裸々にしていく)話で、なんか似ている気がします。イギリスの女性作家の特徴なのかも??続きを読む
投稿日:2023.05.29
LewisKarroll
印象派やマリー=ローランサンの絵画のような淡い色彩を思わせる作品。全体的に少々退屈で、主人公ダロウェイ夫人がお上品すぎるきらいはある。ただ、第一次大戦に従軍した青年セプティマスのPTSDに苦しむ心理描…写や、ダロウェイ夫人の回想の中の女友達とのキスシーンなどは大変素晴らしい。続きを読む
投稿日:2023.04.26
らんらん
感想が上手く書けないけれど、ゆっくり反芻してみている。そんな小説。 ロンドンのストリートが交差し、全ては同じ空間ヘ、時間も空間も超えて、交差し、つながっていく。 道行く人も人生を変えた人も、今というこ…の瞬間につながる感覚をふと覚える。 続きを読む
投稿日:2023.03.31
itomona
イギリス貴族社会・中産階級社会の俗物性を描きつつ、それで世の中が成り立っている側面を認めながらも、それに対する違和感を拭えない人々の独白を重ねていく。「私」とは?人生とは?幸せとは?屋内のパーティーの…俗物性と屋外に広がる暗闇の虚無。その境界にある窓際が象徴的。続きを読む
投稿日:2023.02.15
Yurico
6月のある朝、ダロウェイ夫人はその夜のパーティのために花を買いに出かける。陽光降り注ぐロンドンの町を歩くとき、そして突然訪ねてきた昔の恋人と話すとき、思いは現在と過去を行き来する。生の喜びとそれを見つ…める主人公の意識が瑞々しい言葉となって流れる画期的新訳。続きを読む
投稿日:2022.08.12
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