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鮎川哲也 / 光文社文庫 (4件のレビュー)
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Lepus in December
小さな孔 オール讀物 1968年11月 或る誤算 別冊小説新潮 1967年10月 錯誤 推理 1969年10月 憎い風 小説現代 1969年7月 わらべは見たり オール讀物 1971年9月 …自負のアリバイ オール讀物 1969年10月 ライバル 中部日本新聞 1960年2月7日 夜の演出 北国新聞 1970年8月30日 解説 山前譲続きを読む
投稿日:2023.02.21
kiyosi
このレビューはネタバレを含みます
『小さな孔』 『或る誤算』 『錯誤』 『憎い風』 『わらべは見たり』 『自負のアリバイ』 『ライバル』 『夜の演出』
投稿日:2014.07.13
ニコル
全編倒叙もの。 殺人計画を練るのに推理小説を参考にしたり、なかなかいいアイディアが出なくて悩んでいるのがおもしろい。 どこから破綻するのか考えるのは楽しいですが、やはり犯人視点だと事件が唐突に終わります。短編ですし仕方ない部分もあるかと思いますが、もっと刑事との攻防がある方が好きかな。 ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【小さな孔】女の惨めな様がいたたまれない。どこから事件が発覚するのか、レンガとか胃の内容物とか目撃情報とかいろいろとアイテムがありますが、思わぬところでした。原稿用紙にスポットを当てて万年筆が巧く隠れています。事件の発覚の仕方が悲しくて良いです。 【或る誤解】これは加害者に同情したくなります。殺意を秘めながら相手と付き合っていく様が悲しく怖い。 鳩時計に合わせて発砲するシーンなどサスペンスフルですし、いろんな小細工をしているのも面白い。 予期せぬ何かによって発覚するのではなく、きちんとプロの捜査によって明らかになるのが良かったと思います。 【錯誤】なんとも身勝手な上にとても複雑なことをやろうとしています。これこそうまくいくのか甚だ疑問。しかし、替え玉の使い方は面白いと思いました。有名人だからこそ出来るトリック。推理小説というアイテムが皮肉的に使われています。サバサバした奥さんが良かったです。 【憎い風】小物感漂う犯人が哀れ。きちんと細かいところも見逃さない警察が良いです。犯人が凶行を犯すにいたるまでのだめだめっぷりが楽しかった。 【わらべは見たり】事前の準備に手が凝っています。それにしても、彼も探偵を雇ってみればあっさり離婚出来ただろうに。 【自負のアリバイ】この計画が一番おもしろいと思いました。犯人が刑事とのやりとりを想像して練習しているのに、別の所からあっさりと破綻してしまうのが滑稽です。 【ライバル】よりにもよって卑劣な殺し方を選んだものです。魅惑的な瞳の真実が印象的。 【夜の演出】予想外の出来事によって完璧な準備が悉く裏目に出てしまうという皮肉。被害者の言葉を最後まで聞いていたらなぁ。
投稿日:2014.03.04
garbo
小粒揃いだとはわかっていても、このシリーズはついつい手を出してしまう。本格を読む機会がめっきり減った昨今、アユテツの短編集は貴重だね。 倒叙スタイルで統一され、全体に同じ展開の作品群が並ぶ。出来に多…少のばらつきはあるものの、本格に対するスタンスは不変。倒叙モノというとやはりアリバイ偽装になるのかな。小道具を絡ませてしっかり起承転結で読ませる手腕はさすが。秀逸は『憎い風』。短編には勿体ないくらいの演出。続きを読む
投稿日:2013.06.08
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