【感想】謹訳 源氏物語 六

林望 / 祥伝社
(5件のレビュー)

総合評価:

平均 4.7
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ブクログレビュー

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  • まさパパ

    まさパパ

    「若菜」
    源氏39~47歳

    源氏も不惑を迎え、大人としての振る舞いであったり、自分の地位・立場に応じた所作をしていく。
    若菜は、三の宮を迎えるところから始まるが、紫上との間で源氏が悩む姿が印象的。
    さらにそれが深刻化していく後半は少し重くもあるが、何とかそれを打開しようと懸命に頑張る源氏の姿がとても良い。
    (20代の浮ついた頃とは大違い!)

    池澤夏樹個人編集の『日本文学全集 全30巻』の中でこの源氏物語は角田光代が訳を担当する。
    (2017年~2018年にかけて源氏物語を上中下3巻に訳して発売予定)
    女性心理の描写に長けた角田光代が三の宮と紫上の心情をどう表現するのかとても楽しみにしている。
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    投稿日:2016.06.21

  • myjstyle

    myjstyle

    源氏物語54帖は全体を3部構成としてみると、第2部は「若菜」から始まります。女三の宮を迎え、源氏四十賀で華やかさのピークをここに持ってきます。一方、朝顔の君、朧月夜が出家し、親しかった女性を舞台から退場させます。次の世代が位階を進め、因果の種が蒔かれました。源氏の輝かしい半生を問い直させるクールな紫式部。「源氏物語」の価値はこの第2部があることでしょう。大作を自在に操る紫式部の頭抜けた手並に唸ってしまいます。続きを読む

    投稿日:2016.06.20

  • まー

    まー

    入内させた娘に男子が生まれ、栄華を極める源氏。

    しかし朱雀院から女三宮の後見を頼まれたことで、最愛の妻紫の上より高貴な立場の正室を娶ることになり、困ったことになる。

    身分は高いがぼんやりとした女三宮を持て余し気味のところに寝取られることになり、体面もあって悩む源氏。

    しまいには女三宮に隙が多いことを非難する源氏だが...

    「お 前 が 言 う な」


    心理描写もそうだが、管弦や衣裳などの芸術的な描写も細かく、1000年前にこれほど完成度の高い小説があったことに改めて驚かされる。
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    投稿日:2016.02.10

  • 前太ハハ

    前太ハハ

    若菜上下が収録された本巻は、私の中ではメインディッシュ。すっごく楽しみにしていました。

    若菜下で、女三宮の不貞が発覚したときの源氏の胸の内が永遠綴られているのですが、
    「正妻としてこの上ない処遇をして差し上げてだ、1番大切な紫上よりもずっと丁寧に慈しみ恐れ多いと思いつつ世話をしている、その私をさしおいて」
    「柏木、あれしきの男に三宮が心を分け与えなくてはならない理由など、自分自身、どう考えても思いつかぬが」
    「(女三宮は)こんなことだから、いかに尊い身分の生まれだとしても、おつむのめぐりも良くないし」
    などなど、オレ様キャラ全開で言いたい事を言いまくり。。
    しまいには、夫を裏切るような心疾しい方面のことはつくづく嫌なものだと思い知り、朧月夜の君を軽い女と煙たがる始末。。
    自分のことは棚に上げて、よくまあそこまで・・・
    そのくせ朧月夜が出家したと聞けば色めいた心が湧きあがったりして、ホントいやらしい男です。

    また、たまたま私の源氏の師匠であるお友達に若菜を読み終えたと話したところ、興味深いお話をしてくれました。

    若菜上で、明石の君がだんだん増長した発言をするようになり、それを源氏がピシャリと釘を刺している=源氏がそうまでしないといけないくらい紫の立場が危うくなっているんだそうです。
    そう言われて読み返すと、紫の苦悩が何度も描かれる一方で明石の君の、前にはなかった調子に乗った発言が目につくのです・・・
    うーん。読みが深い。

    帝であり父である桐壷の妻である藤壷を犯した源氏は、兄である朱雀帝の皇女三宮を政敵の息子に寝取られ、紫上はかつての恋人六条御息所にとり憑かれ、源氏が、これでもかと思うほどの因果応報に悩まされる様はとにかく圧巻でした。
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    投稿日:2014.12.24

  • n-keiko

    n-keiko

    今までいろんな源氏物語を読もうとして挫折しましたが、初めて若菜まで読めました。源氏のいくつになっても俺様ぶりと、紫の上はじめ女君の苦悩や生き様が生き生きとして面白い。次の巻が楽しみです。

    投稿日:2011.08.02

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