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柳田国男 / 角川ソフィア文庫 (2件のレビュー)
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nt
この本は柳田が生前に編んで出版したアンソロジーで、一応、民俗において「女性」が登場する論説が収められている。 最初の方の「巫女」論はおもしろい。女性を<自然>の権化とみなす世界観は、きっと妊娠・出産・…月経といった現象が、密接に森林や夜の月などといった「世界」に結びついているように見えたことから発祥したのだろう。このような傾向は、もちろん、日本に限らず世界中のあちこちに見られた。 女性=自然だからこそ、その中から生まれてくる新生児は<自然>から派出してくるのだ、という確信が、そこにはある。 けれども、この本の後続の論文はシャーマニズムから離れ、単に女性が「ちらっと」出てくるだけのようなものもある。女性をテーマとした論文集としてはちょっと弱いのである。 解説によると「巫女考」という柳田の論文が重要で、優れているらしいが、これはどうやら私は持っていないようだ。どこで手に入るだろうか?続きを読む
投稿日:2014.03.20
yuu1960
いつかは読もうと思っていた本。なかなか時間が掛かった。ある程度晦渋な本でも段々スピードが上がってくるものだが、この本は終始手こずった。 言葉遣いが古いし、当時の常識や話題を当然と書かれていると、何のこ…とやらと考えてしまう。 フォークロアで収集した様々の説話の披露は多すぎて、興味を覚えつつも、この話はいったいどういう趣旨になるのかと思う処も多かった。 とは言いながら、最終的な論旨には正直驚いたことが多い。 ・田植えは日神と水神の婚姻。稲の神の誕生の儀式。暮れる日を招き返す奇跡は田植えの日ならばこそ。 ・タマヨリヒメの名は固有名詞ではなく、一般名称。 ・田植えの日、食事を配る化粧した女性。ヨメとは神に仕えるため化粧した女性のこと。家庭の奥さんのことではなかった。 ・八幡神は童形の神。王=みこ、と松王丸の名から解き明かし、本来はミコガミだったものが、王→応と読まれ、応神天皇とされたもの。その母、タラシヒメの名も本来はタマヨリヒメ同様に一般名称。同じく、後に神功皇后とされた。 ・瓢箪、瓜はウツボ船。神の乗り物 神に仕える女性の簪(かんざし)の話があり、白川静先生が婦という文字は簪をつけた神に仕える女性としたことを思い出す。柳田学説にはそういう多方面への影響がある。 いろいろ不思議に思うことは多い。 ・童神と母神に伝わる人身御供の伝説。事実があって神が生まれたのか。後からの理由づけなのか。 ・ある時期に八幡神は広まったらしい。何故?。更に何故、仏教に近しいのか。 ・小野の一族が地方の神職になっていった、そのパトス。 著者は古代に神に仕える漂泊の女性集団をイメージしている。う~ん。想像力がついていかないな~。続きを読む
投稿日:2013.10.05
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