【感想】演劇入門

平田オリザ / 講談社現代新書
(68件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
13
30
12
2
0

ブクログレビュー

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  • めめこ

    めめこ

    このレビューはネタバレを含みます

    作劇の方法が書かれている珍しく貴重な書といえる。
    作劇方法以外に、とくに作者の演劇に対する見解がとても興味深くハッとさせられる文が多かった。他の著書でもうすこし深掘りして読んでみたい。
    以下、印象的な文を引用。

    ─私たちは、先にテーマがあって、それを表現するために作品を創るのではなく、混沌とした自分の世界観に何らかの形を与えるために表現をするのだ。

    ─演劇とは、リアルに向かっての無限の反復なのだ。その無限の反復の中で、ゆっくりと世界の形が鮮明になっていく。この混沌とした世界を、解りやすく省略した形で示すのではなく、混沌を混沌のままで、ただ解像度だけを上げていく作業が、いま求められている。

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    投稿日:2023.08.03

  • tk23ohtani

    tk23ohtani

    お芝居を書く、いわゆる戯曲をどのように作っているのかの概要を理解することが出来た。私は批評家ではないので、仮に不自然な戯曲に出会っても技術的に脳内で補完修正してより深く鑑賞に浸るようにしたい。高校演劇が割と引き合いに出されているので、是非一度高校演劇を観てみたいと思った。
    また、戯曲に限定されるものでなく、広く示唆に富んだ内容なので確かに演劇が色んな人間模様を描く表現だということなのだろう。
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    投稿日:2023.02.26

  • まじめがね

    まじめがね

    演じる場である劇場について、触れてるかなと思い読み始めたが、一言も出てこなかった。期待は外れたものの、内容は興味深く、特に一章のリアルなセリフとは何か、と、四章のコンテクストについて、でハッとさせられ面白かった。
    コンテクストは一般化して考えることができ、演劇に限った話ではない。あらゆる物事において、何がベースにあるか知ることはとても大事だと思う。
    別に演劇をやっているわけでも、よく観に行くわけでもないが、続編の「演技と演出」も読んでみたい。
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    投稿日:2022.12.27

  • 紅茶

    紅茶

    演劇のはじめ方の本。タイトル通り。
    ダメな戯曲を書かないためのコツが分かる。

    テーマより自分の世界を表現することが大事。
    テーマに触れることで自分の世界の表現方法が見えてくるみたいな…。

    情報の格差を持たせることがリアリティに繋がり、
    格差を持たせるためにはセミパブリックな場を用意するとよいらしい。納得。

    色んな舞台をいっぱい観たくなった。
    財力が足りない………。
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    投稿日:2021.11.13

  • mikimas

    mikimas

    「7人のシェイクスピア」という漫画を読んで、演劇に興味を持ったのでなんとなく読んでみた。

    戯曲を書き、演劇を創るためのハウ・ツー本とのことで、確かに創作技法が丁寧に綴られていた。
    創作技法はなるほどと思った。舞台設定や人物の配置、会話の展開方法などは、読者に戯曲を書いてみたい、自分にも書けるのではないかと思わせるような分かりやすさだった。
    一方、現代演劇と近代演劇の区別も付いておらず、ストレートプレイは平田オリザどころかシェイクスピアですら1回しか観たことがない演劇音痴にとっては、演劇におけるリアルとは何か、演劇が市民社会に占める役割、日本文化と演劇の相性といった演劇論についてはよく分からなかった。
    言いたいことは分かるが、それは演劇だけのものではないと思った。また、そもそも本書における演劇の定義が示されず、宝塚や歌舞伎が本書の「演劇」に入っているのかもよく分からずじまいだった(文脈によるようだが、非常に分かりにくい)。
    また、著者は学校教育を「架空のコンテクストを強要する」として批判しているが、架空ではないコンテクストもそうない。「現実は万人の空想に支えられた楼閣である」と寺山修司も言っていた。文化も思想も架空そのものである。生まれ落ちたところのコンテクストをインストールするのはもはや本能であり、強要というのも違う気がする。著者がここで何を念頭に「架空のコンテクストを強要」と言っているのかが分からなかった(平田オリザの他の発言録等からなんとなくさす察することはできる)。
    そんな調子で、全体として説明不足は否めない本だったが、手軽に読めて「入門」としては十分な内容だと思う。ただ、その説明不足は「演劇を通してコンテクストを丁寧に擦り合わせたい」という主張を空疎にしてしまい、本書においては致命的な気がした。
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    投稿日:2021.10.24

  • かんた

    かんた

    大学で演劇サークルに所属していました。
    入学した時にこの本を読んでおけば、多少は演劇に対しての考え方も変わってたのかなと感じました。

    演劇を見ていてリアルに感じられない時があるのは何故かという疑問を起点として、戯曲の書き方をメインとして、演出・俳優についても論理的に書かれています。

    特に「演劇=コンテクスト(文脈)の摺り合わせ」というのは当たり前といえば当たり前ですが、改めて考えさせられました。

    ・役柄同士の対話
    ・俳優同士・俳優と演出家の対話
    ・表現者と観客の対話
    この3つの対話によって、コンテクストを摺り合わせ、互いのコンテクストを広げる、気づきを得るのが演劇の目的

    もう一回演劇やってみようかな。
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    投稿日:2021.05.15

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