【感想】境界性パーソナリティ障害

岡田尊司 / 幻冬舎新書
(54件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
13
23
8
1
1

ブクログレビュー

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  • ぬえ

    ぬえ

    「愛するがゆえに、その愛が裏切られたり拒否されたりすると、それが憎さに変わるという心理メカニズムは、誰にでも見られるものである。」

    「深刻な愛情飢餓を抱えた人では、愛情や関心が少しでも脅かされることに敏感で、親しい間柄になるほど、二面性のある行動に出てしまいやすい」

    自傷行為
    「自分を罰し、痛めつけたから、もう少し生きていてもいい」

    過食「食べるという行為は、母乳を貪り吸った乳児の時代においては単なる摂食行動ではなく、愛情と安心を与えられる行為でもあった。」
    万引き 浪費「そうした直接的に愛情をもらう行為の代替行為として大きな位置を占めるようになるのが、物を与えられたり、買ってもらったりする行為である。」

    「自分を愛してくれる親という存在を、しっかりと心の中に取り込むことのできた人は、自分の心を支える確かなものをもつことができる。」

    自己愛の発達ライン 誇大自己 親のイマーゴ

    密室化した家族
    「かつては、祖父母や叔父叔母、近所の人などの立場の違う多様な人々が子どもたちを取り囲み、違った角度から相手になってくれていた状況と比べると、非常に単純化した。」
    「その結果、社会的体験が質・量とともに貧弱になった。他人とともに過ごす機会が減るだけでなく、対人関係の質が、単純化された。その中で、つながりが異様に強まることになったのが、親と子の関係である。親子関係が濃密で、逃げ場のないものになった。」

    過保護すぎる環境
    ・少子化による過保護な養育
    ・科学技術の進歩による環境の操作
    ・環境の方を自分に合わせるのが当たり前になる
    ・メールやネットで以前より気が短くなる。すぐに欲求を満たすことが習慣になると、ちょっと待つということが、ひどく苦痛になる。

    強迫性パーソナリティ

    依存性パーソナリティ

    「アンビバレントな考えが湧き起こりがちである。いいことだけを強調すると、心の中に反対の考えが生じたり、期待が裏切られたりしたときに、反動が強く現れてしまいやすい。」

    事実と推測を一緒くたにしてしまう

    決めつける言い回しを使わない

    事実確認→理由、気持ちを聞く→推測→語らせる

    「きっかけ」の方を問題だと思ってしまい、「本当の問題」にはなかなか目が向かないのである。

    ・きっかけになった出来事
    ・あなたは、それをどう受け止めたか
    ・あなたは、それにどう反応したか
    ・後で冷静になったとき、考えたこと
    ・その後、どうなったか


    解離性健忘 スプリット 部分対象関連 妄想・分裂ポジション 投影性同一視 パラドキシカル パラタクシス的(並行的) 二分法 ダブルバインド
    臨界期 アノミー 愛情剥奪 不認証体験 チアリーディング戦略 「聞く」テクニック映し返し セルフモニタリング効果 認知療法
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    投稿日:2024.04.23

  • planets13

    planets13

    病因と病症とそれぞれについて丁寧にまとめられていて解かりやすい。ただ、それであっても両価的な態度を取られた時に受け止めきれるのか心配なのは、たぶん他書を読んでも変わらないのでしょうね...。

    投稿日:2023.12.24

  • ふじき

    ふじき

    私には情緒的すぎた。

    ■境界性パーソナリティ障害の増加の社会的な要因 
    ①密室化した家族 ②再接近期(歩行ができるようになった幼児(1歳半〜3歳)の、母親との距離感の掴み方、ジレンマ(だっこ→おろせ→だっこ の繰り返し))の母親が忙しくなったこと→愛着障害 ③アノミー(無規範、無規則状態)化する社会と父親機能の不在 ④過保護すぎる環境 ⑤趣味や仕事を優先する親
    ■基本障害(9項目中5項目以上)
    ①見捨てられることへの強い不安 ②対人関係が両極端で不安定 ③めまぐるしく気分が変わる ④怒りや感情のブレーキがきかない ⑤自殺企図や自傷行為の繰返し ⑥事故を損なう行為に耽溺する ⑦空虚感 ⑧自分が何者なのかはっきりしない(生きることへの違和感、居場所のなさ) ⑨一時的に記憶が飛んだりする

    続きを読む

    投稿日:2023.05.29

  • セイン

    セイン

    現在の仕事の知見を深めたいと思い講読しました。精神障害の中でも理解が難しかった境界性パーソナリティ障害の特徴やその背景、改善·回復までのプロセスが丁寧に解説されており、また事例も豊富に記載されており、理解を深めることができました。
    パーソナリティ障害が、自己を確立するための生みの苦しみであり、再生のための試練として、危機の時代を乗り越えれば必ず回復できるとのことですが、実際の支援に当たっては、障害の特性理解や本人の養育環境の把握など、この障害への関わりの難しさを実感しました。
    最後に、事例の一つである、ヘルマン・ヘッセの人生については、この障害を理解するための、克服するための多くのヒントが含まれていましたので、参考文献にあるヘッセの伝記も読んでみたいと思いました。
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    投稿日:2023.01.08

  • あいこ

    あいこ

    境界性パーソナリティ障害の患者のみならず、周りの人がどう接するべきかについても詳しく書かれていたのが良かった。放っておく、関わらないことを推奨されるのではなく、共に生活して互いに幸せになる生き方が提示されていて、温かい本だと思った。続きを読む

    投稿日:2022.08.20

  • minusion

    minusion

    境界性パーソナリティ障害は治らないものだと思っていたけれど、ベースにある性格が大人になるにつれて統合されていく過程で、うまく適応できないために起こるのだと知った。

    その他数あるパーソナリティ障害が複雑に絡み合って、どのパーソナリティ障害もが境界性になりうる。
    つまり、個々の性格に基づいて環境に適応できなければ発症してしまうため、一人一人に合った対応が必要なのだと感じた。

    まさにダイバーシティが大事なのだろう。
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    投稿日:2022.07.29

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