【感想】越境者 松田優作

松田美智子 / 幻冬舎文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • りん

    りん

    これが、真実の松田 優作……かどうかは知らない。
    松田 優作の妻だった人が書いた人のドキュメンタリーというか、評伝。

    自分の夢を犠牲にしての内助の功は報われず、若い才能のある女とデキて出て行った男のこと。でも、彼を作り上げた一部は自分であるという自負もある。
    そして、けっして憎んでいたわけではない。
    これはあくまでも、そんな松田 美智子から見えた松田 優作。

    でも、ぼくらがテレビや映画を通してみている松田 優作よりも、多分、リアルな証言なんだと思います。

    狂気のようなコンプレックスと、すべてを犠牲にして一つのことに賭ける思い。

    と書けば、かっこいい。
    でも、犠牲にするのは、自分だけでなく周りも一緒くた。そして、息切れした人間にかける言葉が、

    「あいつは、もうダメだ」

    ひでえと思う。
    自分の半分ぐらい体重の女性を殴りつけて、

    「殴った方がいたいんだ」

    なんてことをいう馬鹿が、本当にいるということにビックリする。

    それでも、えてして、強力な個性カリスマというのはこんなものか?

    そして、その狂気があったから、スクリーンのなかの彼は、光を放ち続ける。
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    投稿日:2012.01.22

  • you8

    you8

    松田優作との関係はまさに偽りのない愛に包まれているようでのめり込めるものがあった。しかし,「あれ」と思う記述もあり,感情にまかせて事実が見えていないのではないかと感じさせられたのが残念。

    投稿日:2011.11.10

  • stardust701

    stardust701

    このレビューはネタバレを含みます

    本書を読んで初めて知った事実もたくさんあるのだが、それを意外とは思わない。リアルタイムで映画やドラマの表現活動の中で見てきた松田優作の裏側は、そんなことがあっても当然だと腑に落ちることばかり。惜しまれる早過ぎる死であったが、それも松田優作に相応しいと思えてならない。

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    投稿日:2011.10.21

  • ユキリソ

    ユキリソ

    優作の前妻にあたる著者が描いた優作はすごく身近に感じる。
    喧嘩が強く逮捕歴もあり、在日韓国人であることの葛藤、癌との壮絶な死は有名だ。

    だが晩年は新興宗教に傾倒するなど人間としての弱さも描かれていたが、膀胱癌が転移し末期状態になっていた彼には仕方がなかった事なのかもしれない。

    松田美由紀との出会いの場面や離婚に至る過程などが生々しく吐露されていて著者の松田優作への愛に満ち溢れた作品だった。

    優作が存命していたらデ・ニーロと共演し、日本人として間違いなくハリウッドスターの第一人者になっていただろう。
    それを見られなかったのがただただ悔やまれてならない。
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    投稿日:2011.05.24

  • take9296

    take9296

    松田優作の演技はほとんどテレビでしか見ていない。「太陽にほえろ!」「俺たちの勲章」など。映画は「野獣死すべし」「それから」「家族ゲーム」ぐらいか。この間、テレビで「蘇える金狼」を見たが、それほど面白いとは思えなかった。そんな、ファンでもない私が、元妻によるノンフィクションを読んでみた。当事者が書くノンフィクションは、先日の「滝山コミューン一九七四」もそうだけど、作品の持つパワーが違うと思う。臨場感があると言うか。とにかく読ませます。続きを読む

    投稿日:2010.07.24

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