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清水真木 / 中公新書 (3件のレビュー)
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縞猫屋
様々な文化価値の非階層的な等価性、ひとつの文化価値が同時に多の文化価値を内包するという土田杏村の哲学は、現代のネットワーク型社会、クラウド型社会において再評価されるべきものかも知れない。 その点で本…書における土田杏村の再発見は実はタイムリーなものだったりするのではなかろうか。 わたし自身も含めて学問としての「哲学」の門外漢に取っては一件取っつきにくい書に見えるが、じっくり読んでいけば理解出来ると思う。続きを読む
投稿日:2013.08.29
ujikenorio
このレビューはネタバレを含みます
清水真木『忘れられた哲学者 土田杏村と文化への問い』中公新書、読了。大正時代~昭和前期を駆け抜けた思想家・土田杏村。思想哲学から詩歌に至るまで旺盛な著作活動を展開したにも関わらず、戦後は「忘れられた哲学者」。本書はその土田に光をあて、意義を問い直す初の本格的評伝。 土田の核にあるのは「文化主義」。 当時流行した新カント主義をはじめとするドイツ哲学の腑分けと受容から特色をあぶり出すのは著者ならでは。本書は、主著『象徴の哲学』が読み解く中で、現象学と華厳思想に根をもつ土田の象徴主義を明らかにする。 本書は「忘れられた哲学者」に光を当てる一冊だが、土田のみならず、マールブルク学派やハルトマンは東西を問わず、もはや「流行」はしていない。なぜ思想に流行があり、忘れられた~になるのかを考えさせられる。土田への誤読がその忘却を呼んだように。
投稿日:2013.07.24
masayukitsuji3
大正から昭和初期にかけての(余り知られていない)日本哲学界の様子をなぞりながら、土田杏村が「なぜ忘れられたのか」その疑問を解き明かしていこうとする本。もちろん、その答えが明確になっているわけではないけ…ども、個人的には文化主義論争と、それとの新カント主義との関わりなどについて興味深く読んだ。「土田杏村を軸にして大正・昭和初期の日本哲学界の一面を考察した本」だと思って読むといいかな。続きを読む
投稿日:2013.07.02
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