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キューライス / 大和書房 (1件のレビュー)
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たけうち
ウェブ連載で時折拝見していた漫画が書籍化されたので、改めてまとめ読みできました 独特の世界観、深夜にやってる一回12分くらいの海外アニメみたい 青髪をツーブロックにした快活な女性ガヴリールと、とぼけて…て食いしん坊な小鳥のチックが営むホテル・バルディッシュには、個性豊かな宿泊客が毎日やってくる その度にガヴリールはお客さんの対応に大わらわ、マフィアの銃撃戦の片付けをしたり、外宇宙へのポータルが開いちゃったのを慌てて閉じたり、ホテルのロビーにソファを置くために“ソファ免許”を取りに出かけたりと、一見のんびりしてそうなバルディッシュ・ホテルなのに、次から次へと色んな難事に見舞われる ガヴリールって、つまりカブリエルのことなの…? とうっすら察知すると、さらにこの世界観の殺伐さや不気味さが強調されるような出来事が起きてしまう 個人的に好きなエピソードは、死ぬ度に何度もクローン体が再生されて魔王の元へ向かわなければいけない勇者的な少年がとあるきっかけでその輪廻から逃れる場面(しかし勇者が産まれ続けるのを止めることはできない) バルディッシュ・ホテルを訪れる様々な宿泊客や、その演者が僅かずつのすれ違いと縁で接していたと分かる群像劇の面白さがある 映画で言うなら『パルプ・フィクション』みたいな感じ (でも『スカー・フェイス』パロディのネタもあった きっと作者さんは映画がお好き) でも映画にとどまらず、きっと色んな作品のオマージュというかパロディが込められているオタク大喜びのバルディッシュ・ホテルなのだと思います これは凄く分かりにくいけど、まさか…? というネタがひとつあって、『銀河鉄道の夜』のブルカニロ博士とおぼしき人物がホテルから公共のラジオ電波をジャックして、ジョバンニに語りかけるシーン(多分)がありました それは分かりにく過ぎるよ オタク同士の集合叡知で元ネタ解説をしあって楽しむのもよし、ひとりでこっそりネタを感じ取って密やかにニヤニヤするのも良いのだろう続きを読む
投稿日:2024.06.02
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