【感想】よくわからないけど、あきらかにすごい人【毎日文庫】

穂村弘 / 毎日新聞出版
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
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ブクログレビュー

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  • 森の中

    森の中

    これは贅沢な本だ。
    対談相手がそうそうたる方々で。
    穂村さんの聞き出し方もとてもいいのだろう。穂村さん自体がすごいけど。

    途中よくわからない箇所やよくわからない文章があるのは、2人の会話の深さやスピード、その関係性や距離、要因が重なり「ふたりだけの世界」ができたからだと思う。(私の理解力が乏しいことは言わずもがななんだけど…)
    穂村さんも相当すごい人だけど、対談相手の方々とふたりの世界を作り上げるなんてどんな偉業だ。眩しくて羨ましくて仕方ない。
    作品や写真から勝手にイメージしていた本人の姿とはぜんぜん違った、という方が多かった。

    突き詰めてやり続けて来た人々はだいたい同じことを言う。個や個人から離れて、全体になる・全体に溶け込む…、個人の輪郭が薄れていけば…的なことを。

    桂枝雀さんも、ただそこにいるだけで、ただ高座に座ってニコニコしているだけで成立するその空間を目指したいというようなことを言っていた。
    村上春樹さんも、小澤征爾さんの追悼文の中で、文章がただ文章である、というような個人を離れた境地になれたら、と言っていた。

    今回、谷川さんも横尾さんも萩尾さんも甲本さんも、もはや個人の才能や力だけで生きてない。もうそうしないことをいつの時点かで決めたのか、自然とそうなったのか。こういうのが悟りというのかな…どうやったって個から離れられない凡人には想像もつかない。この方々の作品を理解できたことなど一度もない。ただエッセンスを、しかもそのエッセンスの上澄みをちろっと舐めて、感動しているだけ。

    名久井さんとの対談形式のあとがきで、今回入らなかったけど梅図かずおさんとお話しした時のエピソードが少しあって、ぜひ読みたかったなぁぁぁ…
    「お弁当食べるの遅くてごめんね」って楳図さんが言って、その気遣いと「あの凄まじい作品群とのギャップにくらくらした」とらあった。楳図さん、真面目で丁寧でやさしいから。
    あらためて穂村さんの影響力や業績にびっくりした本でもあった。あんなに自意識の塊なのに、いやそれだからこそ対談が実現したのかな。ともかく穂村さん、この方々の話を聞かせてくれてありがとう!

    ○谷川俊太郎
    ○宇野亜喜良
    ○横尾忠則
    ○荒木経惟
    ○萩尾望都
    ○佐藤雅彦
    ○高野文子
    ○甲本ヒロト
    ○吉田戦車
    ○名久井直子

    この本、図書館で借りたけど、持っておくべき一冊かもしれない。

    2023.10.30発行 毎日文庫
    ¥850税別
    続きを読む

    投稿日:2024.05.12

  • よみかき

    よみかき

    このタイトルから、なんとも言えず、いい。
    すごすぎてもうよくわかんない、ってあるもんね。

    穂村さんより30歳下の私からしても、すごいひとたちばかり。
    谷川俊太郎にはじまり、
    宇野亞喜良、
    横尾忠則、
    荒木経惟、
    萩尾望都、
    佐藤雅彦、
    高野文子、
    甲本ヒロト、
    吉田戦車、
    名久井直子。

    すごい人ってほんとにすごいんだな。
    佐藤雅彦と甲本ヒロトの章が特におもしろかった。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.05

  • miniknife

    miniknife

    2024.4.5 読了
    穂村弘さんの短歌や語りには、すごく優しさを感じる。
    対談を通して、むしろ穂村さんを形作ってきた何かに触れた気がした。
    登場する人たちは、それこそ時代を変え、しかも現在も走り続けている人たちで、人選がまさにツボ!
    高野文子・甲本ヒロト・萩尾望都・荒木経惟・宇野亜喜良・谷川俊太郎・横尾忠則・吉田戦車・佐藤雅彦、聞いただけで鳥肌ものでしょ?
    『11人いる!』(萩尾望都)をまた読みたくなった。「(ブルーハーツを)いま解散したら、もったいない」って思った瞬間に「やめなきゃだめだ」って思ったヒロトの感覚。「マンガは、攻撃しなきゃだめだと思ってやってたんです。」(高野文子)『黄色い本』の一コマ一コマが自分に刺さっているのが腑に落ちた。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.06

  • neneyoko

    neneyoko

    各分野で多大な功績を残した著名人たちとの対談集。
    谷川俊太郎 宇野亜喜良 横尾忠則 アラーキー、萩尾望都
    佐藤雅彦 高野文子 甲本ヒロト 吉田戦車
    特に、萩尾望都と甲本ヒロトの章を興味深く読んだ。
    談後記で、谷川俊太郎氏のおでこをどさくさに紛れて触ったってのにワロタ。続きを読む

    投稿日:2024.04.04

  • miserybeatle

    miserybeatle

    歌人・穂村弘が心から憧れてる異業種の人に創作の秘密を聞く対談集
    金言が多くて良い本だったなぁ

    全部いいけど甲本ヒロトの章は「もうおうちへかえりましょう」を思い出したよ
    ヒロトを好きになった話が出てくるからね続きを読む

    投稿日:2024.03.11

  • cats-paw

    cats-paw

    北海道生まれの歌人が、尊敬する巨匠たちと対談する。
    谷川俊太郎、宇野亜喜良、横尾忠則、荒木経惟、萩尾望都、佐藤雅彦、高野文子、甲本ヒロト、吉田戦車、名久井直子。
    「芸術作品として別のものにしちゃうんじゃなくてさ、その瞬間の被写体の魅力を出すことが大事なんだよ。」続きを読む

    投稿日:2024.01.21

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