【感想】「泣ける話」をひとつください。 あきらめの悪い編集者と忘れ去られた推し作家

いのうええい, Tamaki / ことのは文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • あぽろ

    あぽろ

    「泣ける話」を書いて欲しい編集者の“柴”と、柴の子どものころからの恩人でもある作家の“凪”。どこまでも温かい凪とまっすぐな柴の取り合わせに、読んでいてこちらまで温かい気持ちになれた。
    物語の終盤に徐々に明らかになっていった凪の秘密。ちょっと驚いた。
    心に・記憶にいつまでも生き続けられる存在やお話、人と人との関わりがあることは幸せなことだと思う。

    柴の上司である編集長が、柴に語った言葉。
    「…人は往々にして、居心地の良さや温かさよりも、痛みや悲しみの方を強く記憶する。幸福や愛情は辛苦の上にあってこそ輝くのであって、痛みを伴わないただの温かさは、次第に普通になり、やがて忘れ去られていく。それが、本当はとても得難く、尊いものであったとしても」(p.146)

    自分の人生にも確かにあったであろう、温かさを忘れないでいたい。


    また、随所に出てくる奈良の風景に、「この場所はここだな」「ここは、どこだろう」と考えて読むのが、奈良生まれ奈良育ちとしては楽しかった。
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    投稿日:2024.01.04

  • もちこ

    もちこ

    幼い頃に本を読み聞かせてくれた図書館のお兄さん。成長して敏腕編集者になった柴は、その時のお兄さんにもう一度物語を書いてもらうべく、猛アタックをしかけるが…。

    柴と凪、柴と同僚の蒼井のかけあいが面白く、遠慮がない中でも互いに気遣っているのが、ところどころで垣間見えるのが素敵。
    「泣かなくていいお話」をねだった少年・柴と、「泣ける話」を執筆してほしいと請う編集者・柴。
    一見相反する要望に「?」となりながらも読み進めていくと、その裏に込められた想いに胸が熱くなる。
    少しミステリ要素も含みつつ、全体的に心がぽっと灯るような、温かなお話。
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    投稿日:2023.12.06

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