【感想】うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語

頭木弘樹 / ちくま文庫
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
1
4
5
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • book1574

    book1574

    うんこを漏らすという行為を集めた異色のアンソロジー。幅広い年代、作家による様々な排泄の表現はどれも面白く読めました。漏らす事を知る人であれば文中の悲しみや切なさは痛いほど刺さるのではないでしょうか。尻拭きに最適な品を語るラブレーの一編が特に気に入りました。続きを読む

    投稿日:2023.09.25

  • largeaslife

    largeaslife

    大の排泄を取り扱ったアンソロジー。

    最近はないが、若い頃は通勤時や帰宅時にに危ない思いを何度もしたことがあり、ストッパを持ち歩いていたこともあった。最初の小説と同様、これまでもどうにかなってきたので、これからも大丈夫だろうと思っている。

    とは言え、これを読んで、結局老後は誰かの世話になるのだと痛感した。いや、そんなに先のことではない。

    仏教では排泄も扱っているのに他の宗教ではあまりないというのも面白い視点だし、人は結局うんこ製造機に過ぎないと考えると何だか気が楽になる気もする。

    アンソロジーなので、読み応えという意味で星3にしているが、目から鱗が落ちるという意味では星5だった。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.23

  • hituji no shoko

    hituji no shoko

    うんこは悲しくて深い。
    大切なことから目を背けて生きてきた気がする。便の小説、エッセイは多いのですね。最初は読み流そうと思っていましたが、次第に引き込まれ見事うんこまみれとなりました。おしっこ文学もいつか読んでみたいです。頭木さんのファンです。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.10

  • harumi nakano

    harumi nakano

    著者はラジオで知っていて、紹介されていた本を読みたいと思っていたが、先にこの本が初読みとなる。

    著者の病気に関連した編集だけれど、本にも書かれているように人間誰でも体験したり、遭遇したりと人生には切り離せない事象だ。

    物語は、帯の細雪から始まり、最後のダビンチの言葉で締められている盛りだくさんの贅沢本である。

    文豪たちが、やはり才能なのか!?上品で文学的に語るところ流石である。

    つる姫じゃ〜っ!、懐かしい。
    少女マンガだったんだー(笑)
    続きを読む

    投稿日:2023.05.16

  • knkt09222

    knkt09222

    「絶望図書館 ――立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語」、
    「トラウマ文学館 ――ひどすぎるけど無視できない12の物語」、
    に続く、頭木さんによるちくま文庫アンソロジー第3弾は、
    うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語」。
    ナイスなタイトル。
    (類書に、安岡章太郎・編「滑稽糞尿譚――ウィタ・フンニョアリス」。)

    が、全体的には小粒だったかな……便秘の際のコロコロのように。
    そもそも先達たる稲垣足穂を外して何がうんこ文学か! と半ば憤慨していたら、そんなことはお見通しなのか山田稔「スカトロジーのために」で当然のごとく言及されていた、のでチン化、いや鎮火した。
    だいいち、本のうち7分の1くらいがあとがきとか解説とかに充てられている、いわゆるアンソロジー本というよりは、古今東西あらゆるテクストを横断して引用した上で語る頭木さんの鑑賞エッセイ集、みたいな側面が大きいので、楽しいのはむしろそっちだ。
    笑うしかない(ロングショットでみれば喜劇)という記述は、まさに。

    しかしアンソロジー中で唯一、どうかしているくらい超然とした記述をしていたのが、吉行淳之介。
    〈この白い夕方と私を茫然とさせ脱糞させた赤い夕暮れは、いったい何なのだろう〉と。
    いや、その文そのものが、どうかしとるよ。
    と、ちょっと感動してしまった。
    続きを読む

    投稿日:2023.05.05

  • finger0217

    finger0217

    星野源や朝井リョウが「うんこを漏らした」という話を面白おかしくエッセイで語っていますが、その流れをくむ本だろうと思い手に取りました。

    本書ではエッセイだけでなく、古今東西の文学作品や哲学者の考察など幅広く「排泄」について取り上げた作品を収録しており、このテーマは他者と広く共有する者ではないにしても、人間が生きてゆくうえでは避けて通ることができず、皆それぞれに考え方がある、ということが分かる一冊だと思います。

    大人になって(排泄を自分自身でコントロールできるようになって)から、「うんこを漏らす」ということがあると、それは「人間の尊厳」を失うに等しい「恥」として受け止められたり、他者に語るにあたっては「下ネタ」「笑い」として語るしかない、というのが一般的な印象ですが、そこに一石を投じる本だと思います。

    想像していたよりもエンタメ色が少なかった点が、少し残念でした。
    ただ、解説にある「何か体験して、自分が抱いた気持ちを、ほかの誰にも共有してもらえなくて、もやもやしたまま苦しいとき、開いてみるべきは文学です。どんなに心の奥底のネガティブな気持ちでも、人が誰も自分からは口にしないようなことでも、文学にはちゃんと描いてあります。……文学というのは、ありがたいものだと、あらためて思いました。」という文章は、非常に沁みました。
    続きを読む

    投稿日:2023.05.01

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。