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佐藤究 / 河出書房新社 (78件のレビュー)
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のりぞ
音速に取り憑かれた男がたどる数奇な人生。 護国、青、蛇、空などのワードとともに、仏教感を漂わせる物語になっている。 男の運命は、果たして輪廻から解脱するのか。そんなことを考えてしまう内容だった。 映画…でのエンドロールに入るようなエピローグは、この物語の磁場から開放される爽やかさと哀愁とを持ち合わせた、いい結末だった。 モチーフとなった「豊饒の海」も読んでみねばなるまい。続きを読む
投稿日:2024.05.19
リーベル
このレビューはネタバレを含みます
最新鋭戦闘機F-35Bと虚空の空 迷える天才パイロットと仏教 パイロットに憧れて自衛隊の戦闘機パイロットになった主人公 しかし超音速飛行で突如現れた巨大な蛇の幻想に戦闘機乗りの道を絶たれた透は人生の迷宮にはまり込む かつての天才とF-38Bの数奇な運命が迷宮の出口に繋がり蛇の呪いを解く 引き込まれ度MAXの名作です
投稿日:2024.05.10
きーこ
非日常、それも少し未来が舞台になっていて久しぶりにドキドキを味わった。 知識が足りず地図や用語を引いたりして時間がかかった。 静かな狂気と破滅。幽玄に飲み込まれて行くラスト。作者の意図するところ伝え…たかったことを真に理解出来たかというとなかなか難しい。 死に場所を見つける人生。三島をもう一度読んでみようかな、繋がったらちょっと怖い気もする。続きを読む
投稿日:2024.05.07
ミヨシ
「空の青とは、すなわち死の補色だった。」 強烈なこの一文が作品を貫いている。三島由紀夫が生前語った現代人の死に場所の喪失に、歪ながらも透が答えを見出していく過程がとても良かった。 どんなに深く憧…れ、どんなに強く求めても、 青を手にすることはできない。 すくえば海は淡く濁った塩水に変り、 近づけば空はどこまでも透き通る。 人魂もまた青く燃え上るのではなかったか。 青は遠い色。 ー 青は遠い色/谷川俊太郎続きを読む
投稿日:2024.05.05
lem/feat.Mt. Fuji
幽霊の話?と思ってたら全然違いました。 『金閣寺』そしてなぜか『カモメのジョナサン』が思い出されます。 戦闘機への偏愛と、護国。 水平と、垂直。 そして蛇を食らう鳥、孔雀…。 難しい話は一旦おいと…いて 一読目はひたすらカッコいい空を飛ぶシーンに浸るのがいいかなと思います。 ―――――――――――――― Fー35Bは亜音速に至り、遷音速に至り、ついには音速の壁をつらぬいた。ソニック・ブームで空気をゆるがしながら、なおも加速した。マッハ1.0、マッハ1.1、マッハ1.2。 ――――――――――(p305) 主人公と一緒に9Gの加速を体験しましょう。 ただし、くれぐれも空間識失調(バーティゴ)にはご注意を。 続きを読む
cronista
『テスカトリポカ』で直木賞受賞後初の長編。三島由紀夫の豊饒の海をリスペクトして、書かれたストーリーらしいけど、読んでてもその点はわからなかった。三島の護国観を表現しているのかも。ストーリーは単純で、…F35ライトニング2に乗りたいためだけに自衛隊に入り、優秀なパイロットになった男の話。純粋に戦闘機に乗りたいだけなのに、この国では護国という目的以外では操縦できない。限界性能まで戦闘機を操りたい。その葛藤から、とんでもないことをしでかす。 こういう生き方、というか死に方。たぶん男にしか理解できない。続きを読む
投稿日:2024.04.30
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